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映画「グリーンブック」のあらすじ・感想レビュー:アカデミー賞3部門受賞!

「グリーンブック」映画情報

グリーンブック 製作年:2018年
 製作国:アメリカ
 上映時間:130分
 [Amazon Primeで観る]
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あらすじ

1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。

予告

映画データ
原題 Green Book
監督 ピーター・ファレリー
製作 ジム・バーク
キャスト ヴィゴ・モーテンセン
マハーシャラ・アリ
リンダ・カーデリニ
受賞歴 ・アカデミー賞作品賞・助演男優賞・脚本賞
・ゴールデングローブ賞 最優秀作品賞・最優秀助演男優賞・最優秀脚本賞
他多数受賞

「グリーンブック」感想レビュー

観終わった後、ぱっと思いついのは、2011年のフランス映画の「最強のふたり」でした。観ている最中も観終わった後も、なんだか似た気持ちにさせらてました。笑いあり、涙あり、温かさがあり、そして考えさせられる映画です。まさしくハリウッド版「最強のふたり」と言えるかもしれませんね。

本作が好きで、「最強のふたり」が未見の方は是非観てもらいたいです。

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いや~、いい映画でした。アカデミー賞3部門受賞、ゴールデングローブ賞3部門受賞は当然のごとく輝いた作品と思えました。アカデミー賞の作品賞って割と人を選ぶ映画もあったりしますが、本作は恐らく、誰が観ても面白く好きって思える映画ではないでしょうか。

テーマは、黒人に向ける人種差別です。“グリーンブック”とは50年代から60年代、人種差別の激しかった南部に旅をする黒人のために作られた施設利用ガイドのこと。物語は、用心棒として働くトニー・リップと黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーがその差別に苦しみながらも、旅をしていくものですが、この映画を観て、日本人が思っている以上にアメリカの黒人差別は深かったのかと改めて感じさせられました。

ドクターは、ただ居るだけで白人から暴力を振るわれる、悪口を言われる、白人と同じトイレやレストランも入ることができない。本当に残酷な限りなんだと。

でも、必ずそこにはトニーが居て救ってくれるのでした。そんなトニーも最初は黒人差別者。お金のためにドクターのドライバー兼ボディーガードとなりますが、ドクターのピアノの才能と彼の旅の目的を知り、尊敬し友人のようにふるまいます。

まさに、この凸凹コンビの二人の旅が楽しくて感動的なのです!例えばトニーがフライドチキンを豪快にドクターに食べさせ庶民の楽しみを教えてくシーンは観ていて思わずニヤってしてしまいました。

一方でドクターは、トニーが妻に送る手紙を詩人のようにロマンチックな手紙になるように教えるのですが、これがトニーがまた素直に受け入れるんですよね。お互いが足らない部分を補いつつ、価値観が合わない時は喧嘩もしながらも、最終的には人種を超えた深い絆へと変わっていく二人を見ているだけで、温かい気持ちになるし、観ていて全く飽きることない映画でした。

キャストについて

この映画でやっぱりびっくりしたキャストは、トニー役のヴィゴ・モーテンセンです。ヴィゴといえば、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のアラゴルン役であまりにも有名ですが、これ迄までの配役はカッコよくそして渋い役のイメージが強かったです。

本作では完全におじさんなのです。といっても渋いおじさんではありますが、お腹はポッコリで豪快でマナーもない食べっぷりと、完全に今までの印象を覆してきました。が、しかしものすごく役柄に合っていた気がしました。強さを秘めたおじさん、その中で見え隠れする正義とやさしさがある役柄は、ヴィゴだから出せた雰囲気ではないかなと思えました。

ドクターを演じるは、最近よくお見掛けするようになったマハーシャラ・アリです。「ムーランルージュ」でもアカデミー賞助演男優賞を受賞しており本作で2度目です。ひどい差別にも揺るがない芯が通った演技が素晴らしかったですね。もはや近々主演男優賞も取ってしまうのではと思える勢いです。

感想

本当に素晴らし映画!の一言に尽きます。

前半は笑わせてもらい、中盤~後半にかけて涙あり考えさせられたりと、喜怒哀楽すべてを2時間ちょいで感じれた作品です。しかも、結構テーマは重いはずなのに、リラックスしながら映画を鑑賞することができました。2時間超の時間が一気に終わった感覚ですね。

ラストがほっこりほっこりするのも気分が良かったです。ドクターとトニーの奥さんのドロレスが抱き合うシーンで、「手紙をありがとう」の一言が秀逸でした!くぅ~、なんだろう最後の最後に、思わずニッコリとさせられる幸福感。終わり方も、本当に見事な作品でしたね。

何度も観たくなる映画となりました。Blu-Ray買っちゃおうかな!?

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映画「IT/イット」のあらすじ・感想レビュー:ピエロの恐怖に立ち向かう7人の友情!

「IT/イット(1990)」映画情報

IT(1990) 製作年:1990年
 製作国:アメリカ
 上映時間:187分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

メイン州デリーの町で起こった不可解な子供の連続殺人事件。それを知ったマイクの脳裏に、かつて6人の仲間と共に身も凍る異常な体験をした記憶が蘇る。 血のしたたるアルバム、鮮血を噴き出す蛇口、そして背後から忍び寄る邪悪な影……。この殺人事件とおぞましい体験のつながりを確認したマイクは、 恐怖に震えながら6人の幼友だちにに連絡した。「あいつ=〈イット〉が戻ってきた」と。

予告

映画データ
原題 STEPHEN KING'S IT
監督 トミー・リー・ウォーレス
脚本 トミー・リー・ウォーレス
ローレンス・D・コーエン
キャスト ティム・カリー
リチャード・トーマス
ジョン・リッター
アネット・オトゥール
リチャード・メイサー
ティム・リイド
ハリー・アンダーソン
デニス・クリストファー
受賞歴

「IT/イット(1990)」感想レビュー

だいふく

ネタバレ気味なので、未見の方は注意してニャ!

はじめに

リメイク版IT/イットの後編が11月に公開されますね。といったこともあり、今回は改めてオリジナル版をおさらいとしてレビューをしたいと思います。リメイク版前編のレビュー記事も書いていますので同時に参考にしてください。

オリジナル版は映画ではなく、テレビミニシリーズ版として2回に分けて放映されています。日本でもTV放映されました。物語は前編と後編に分かれており、前編が幼少時代の回想、後編が大人になった現代といったストーリー仕立ての作品となっています。スティーブン・キング原作としても代表的な作品です。

前編:幼少時代(回想)

まるでスティーブン・キング原作「スタンド・バイ・ミー」のホラー版のような物語です。 ピエロのペニーワイズの恐怖に怯えながら、いじめられっ子同士で結成されたルーザーズクラブ(弱虫クラブ)の7人が仲間となっていく青春の友情物語を描いてます。

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秀逸な展開は7人一人一人、いじめっ子グループのヘンリー達による、いじめシーン&ペニーワイズの恐怖シーンの回想があります。ヘンリー達に立ち向かいながらも共に仲間として集っていき、ちょっどした甘酸っぱい子供ながらの恋の要素も含みつつも、ペニーワイズの恐怖に耐え支えあっていく姿は、ホラージャンルを超える感動の物語と言えるでしょう。

前編幼少時代の方が後編よりもホラーとしての恐怖度も高いです。そもそもペニーワイズのピエロ姿が目血走っててとっても怖いのにつけて、子供達への殺戮や嫌がらせが残酷極まりない。本作の初見は私が子供の頃でしたが、ピエロ=恐怖というトラウマが出来たくらいです。

7人の勇気と友情で、ペニーワイズを退治した7人は、万が一"IT(それ)"が生きていたら、再集合することを誓ったのでした…。

後編:大人時代(現代)

前編から30年後のお話。大人となりそれぞれ成功を収めている7人。しかしある日、突然"IT(それ)"を知らせる電話が鳴るのです。恐怖の出来事は、すでに記憶からほぼ消えていた7人に、再び恐怖と不安が訪れてしまうのです。

後編に関しても前編と同じような展開であります。大人になった7人が再度ペニーワイズに恐怖する様子を1人1人描いていきます。甦る幼少時代の恐怖に怯える7人。あまりの恐怖に1名は自殺してしまうほど…。

ただ、後編のペニーワイズは明らかに幼少時代と違って、ルーザーズクラブを警戒しまくってます。もちろん7人に恐怖を植え付けるのですが、幼少時代と違って7人を遠ざけるように仕向けているだけになります。そういった意味では、後編は余り恐怖というものは感じない展開で有りました。

ペニーワイズ退治は、ギリギリまでルーザーズクラブの解散方向に進んでいましたが、やっぱり絆は強かった。幼少時代に勇気持ち戦った絆はかけがえのないものだったんです!嫌々集まったのですが、再びペニーワイズ退治に出るのでした!

感想

この度映画と同じく約30年くらいぶりに大人になって久々に再鑑賞しました。やっぱりITは面白いですし相変わらずピエロが怖かった。当時、幼少時代に観た印象があまりにも怖く強かったので、割と内容も記憶に残ってましたね。

話の展開は実に面白く、前編の幼少時代と後編の大人になってからの話が良い感じに絡んでいるのが見事な構成ですし、幼少時代の伏線もちゃんと回収してくれます。ベンがベバリーに幼少時代に書いた詩のラブレターもしかり、いじめっ子達リーダーのヘンリーに関しても大人になっても7人を苦しめる展開は、なんともスティーブン・キングらしい作りだなっと感じました。

大人となったばかりに純粋さを失いつつあり、退治しにいくまでの踏ん切りが、なかなかつかない展開が続くのですが、ようやく仲間の絆を思い出しペニーワイズ退治劇に向かう瞬間は、一番期待した場面ではありました。ここからどんな面白い展開が繰り広げられるか!?って期待に膨らんだものです!

そして、ついに、ついに、ついに!!!ペニーワイズの実態が!!!

えっ!ん?ん?

ど、ど、どうしたの!?

どれだけの方がペニーワイズの実態の姿を見て目が点になったことか。あれだけの恐怖で得体のしれないピエロの恐怖から、締めくくりがなんで化け蜘蛛になっちゃうんですか…。しかも蜘蛛が作り物感満載でちゃっちいです。何だかここまで盛り上げてきた恐怖が最後で一気に冷めてしまうような。しかもあれだけピエロが凄かったのに化け蜘蛛が弱いのなんのって。ストーリー展開が面白かっただけに、ほんとにほんとに残念でしょうがありません…。

そして、ラストシーンにも違和感が…。ルーザーズクラブのリーダーであるビルと何故か無駄に出しゃばってきてしまって、ペニーワイズの餌食になってしまった奥さんとの感動的なシーンで終わります。まさに感動のまた感動のシーンでございます。

・・・ん!?いや待って。またまた違うって!奥さんってほとんど物語に関係ないじゃない。そうじゃなくて、ラストはルーザーズクラブ達の感動で終わらせないの!?って思いながら何だか違和感ありまくりでエンドロールを見ることに…。

大好きなスティーブン・キング作品ですが、名作と駄作が極端に分かれます。本作は最後で、キング作品の良し悪し両方の感覚を味わえる、1作品で2度おいしい!?体験ができるのでした(笑)

だいふく

長丁場できた映画で、ラストのがっかりはだめだニャ!!!

「IT/イット(1990)」関連情報

ピエロのモデルはあのシリアルキラー

おまけ情報です。本作で出てくるピエロのモデルをご存知でしょうか?

世界中を恐怖に陥れた最凶ピエロと言われる、アメリカのジョン・ウェイン・ゲイシーがモデルとなっているといわれています。ゲイシーは、少年を含む33人もの男性を性的暴行後に殺害したシリアルキラーです。

ゲイシーは休日にはピエロに扮して入院中の子供たちの慰労訪問を行っていたのですが、自らの肖像画としてピエロをたくさん描いています。まさにそのピエロの絵も、本作のピエロとうり二つなんです…。

どんな絵画か知りたい方は、Googleの画像検索でジョン・ウェイン・ゲイシー(ジョン・ゲイシーの方がいいかも)で検索してみてください。ピエロの絵(本人の写真も出ますが)が出てきます。まさに「IT/イット」の世界観です…。

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映画「ハロウィン(2018)」のあらすじ・感想レビュー:40年の時を経てブギーマンよみがえる!

「ハロウィン(2018)」の映画情報

ハロウィン(2018)~上映日:2019年04月12日
製作国:アメリカ
上映時間:106分
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STORY

ジャーナリストのデイナとアーロンは、40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺人事件の真相を調べていた。犯人の「ブギーマン」ことマイケル・マイヤーズは事件後ひと言も話さず、動機や感情は一切不明。事件の唯一の生き残りであるローリー・ストロードに話を聞いても収穫はなかった。しかしローリーは再びマイケルが自分の前に現れることを予感し、その時のためにひとり備えていた。そしてハロウィン前夜、精神病棟から患者を輸送する車が横転し、マイケルが再び街に解き放たれる。

TRAILER

REVIEW

前回は、ジョン・カーペンター監督によるオリジナルを紹介しました。

今回は、その1978年のオリジナル名作ホラー『ハロウィン』の40年後を描いた作品となります。『ハロウィンⅡ』やロブ・ゾンビ版のリメイクも出ていますが、本作が正式な続編ということになります。

ハロウィンといえば、マイケル・マイヤーズ通称"ブギーマン"!不気味なマスクで、無口に黙々と淡々と人を殺していく恐怖はかなりのものですがさらには、その無敵さが人間離れしすぎており、いったい彼は本当に人間なのかという疑問さえも出てくる殺人鬼です。

本題の前にハロウィンといったら、不安に掻き立てられるような名曲がありますね。本作もオープニングからしっかり流れるので、ホラーファンであれば否が応でも心が踊らされるシーンですね。いや~、ホントこの曲は素晴らしいです。2018製作版の音楽はこちら!オリジナルより微妙にアレンジが加わってますね。

本作は、1作目で生き残った女性ローリー・ストロードとその子供と孫による三世代親子VSブギーマンといった構成となる形に。いや~、それにしてもローリーが強いのなんのって!ブギーマンへの恨みと共に過ごした40年間で彼女をここまで変えてしまったのかと。

映画自体は少し残念な作りに。全体的に何だかつながりが無いですし、無理やりな展開が多すぎるのです。特にマイケル・マイヤーズを調査するジャーナリストのデイナとアーロンは冒頭から多く登場し物語のカギを握る登場人物なのかっと思っていたら、あっさりと殺されてしまい、いったいこの二人何だったんでしょう…。(マイケルがマスクを手に入れるために用意されたキャラと言っても過言ではない。)

そしてあり得ないのが、ハロウィン当日に急にマイケルを輸送して輸送車が事故ってしまい見事、マイケル解放!ってちょっと間抜けな展開過ぎて、余りにも幼稚な発想じゃないですかね…。他にもかなり突っ込みたい展開が満載過ぎて、ジョン・カーペンター監督版の正式な続編と言うには、ちょっとお粗末すぎやしませんかね。

その中でも見どころはやはり、マイケル・マイヤーズの無言の無差別殺人でしょう。1作目はグロいシーンはなかったですが、本作では要所要所にグロさを出してます。殺されるターゲットは、完全に思い付きのように選んでいくのですが、ストロード一家の周りの人間(友人等)は、マイケルと偶然過ぎる出会いでしっかり殺されてしまうという…。

最後は、ストロード三世代親子VSブギーマンとなってきましたよー!どんな戦いになるのかって、ちょっとホラー映画でなくなってきました!どっちが殺人鬼なの!?思うくらいにこの親子が恐れもなく前のめりで攻撃するので、強いのなんのって。あれれ、急にブギーマン弱くない???って感覚です。

う~~~ん、もう少ししっかり作ってほしかったなぁってのが観終わった感想。なんたって怖さが無い!これは少し肩透かしでした。

ラストはホラー映画で定番のラスト実は殺人鬼生きてました!系ではありませんでしたが。ブギーマンの無敵さがパワーアップしているので、やっぱり続編はすでに決まっているようで、あと2作作られるようです。是非に次作で盛り返してもらいたいものです。

INFORMATION

英題 Halloween
製作年 2018
監督 デビッド・ゴードン・グリーン
製作 マレク・アッカド
ジェイソン・ブラム
出演者 ジェイミー・リー・カーティス
ジュディ・グリア
アンディ・マティチャック
ウィル・パットン
バージニア・ガードナー
ニック・キャッスル
配給 パルコ
受賞歴 -
リンク 公式サイト

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映画「ハロウィン(1978)」のあらすじ・感想レビュー:ここに無敵のブギーマン誕生!

「ハロウィン(1978)」の映画情報

ハロウィン(1978)上映日:1979年08月
製作国:アメリカ
上映時間:89分
[Amazonで見る]


 

STORY

15年前、包丁で自らの姉を殺害したマイケルが精神病院を脱走し、ハロウィンの夜に故郷に戻る。担当医ルーミスの追跡をよそに、白いマスクをつけ、包丁を手にしたマイケルは殺戮を繰り返すことに。ベビーシッターのアルバイトをしていた女子高生ローリーも命を狙われるが…。

TRAILER

REVIEW

まず最初は、ジョン・カーペンター監督による1978年の名作ホラーです。あの『13日の金曜日』のジェイソンや『エルム街の悪夢』のフレディーの前に登場していた殺人鬼となります。ハロウィン夜に殺害が繰り広げる人間離れした不死身のマイケル・マイヤーズ、通称“ブギーマン”です!

この映画70年代に低予算で作られましたが大ヒットとなり、ジョン・カーペンター監督の才能を世に示した作品ともいえます。しかも、脚本、音楽までも作っているというびっくり監督です。

音楽に関しては、これまた名曲。名作ホラー映画には名曲ありとよく言ったもので、一度耳にしたら絶対忘れられず聴いたものを不安に掻き立てられるような音楽は、映画ハロウィンの代名詞にもなりました。是非きいてみてください。一度は耳にしたことあるなっと思う人も多いのでは?

冒頭ではいきなりの殺害シーン。これが一番ショッキングなのかもしれません。マスクからの視点で覗いた映像では淡々と殺害していく。いったい犯人は誰なんだ!?っと思ったら小さな子供なんです…。まさか、幼い子供がこんなにも残酷な殺し方するとは思わずギャップに衝撃を受けます。

その後の話の展開は、なかなか展開が進まないので少し退屈な感覚になります。殺害シーンも、血吹雪やグロ場面など全く無いので、現代のホラー映画の感覚で観てしまうと少しつまらなく感じてしまうかもです。

ただですよ!先述したとおり、まだジェーソンなんかも登場していない時代に、残酷描写が全くなく、たたずむだけで不気味な存在の怪力殺人鬼に世界は恐怖したんです。それだけでも、やはり名作と言えるでしょう。

では、本作で残酷描写もなく恐怖してしまう理由はなぜなんでしょう?まずはブギーマンこととマイケル・マイヤーズの殺人の動機の不明さです。よくあるのは幼少時代に虐待されてその反動とかですがそういうことは全くなし。劇中では「生まれながらの邪悪」とまで言われています。どんなに刺しても拳銃で撃っても死なない不死身な人間離れした部分も恐怖を感じさせられるのです。

さらにこの映画を後世に語られる伝説的にした要素は2つ。1つ目は不気味なマスクです。単に遠くでたたずんでいる姿が出てきますが、立っているだけなのにその冷酷なマスク姿が強烈なインパクトを残します。もう一つの要素はやはり音楽です。名曲が要所要所に挿入される、視覚だけではなく聴覚でも不気味さが体験されるため、観客はスリリングな体験を味わうのです。

そういった理由もあってでしょうか、本作は「文化的、歴史的、美学的に重要」としてアメリカ議会図書館の国立フィルム登録簿に登録までされている映画でもあり、世のスプラッターホラーの先駆けともいえる作品でしょう。

シリーズとしては8作も作られ、さらにはリメイクも多く行われ、最も稼いだインディペンデント映画ともいわれており、後世の他の映画にも影響を与えたとなった映画です。ホラーファンなら押さえておく作品でしょう!

INFORMATION

英題 Halloween
製作年 1978
監督 ジョン・カーペンター
製作 デブラ・ヒル
出演者 ドナルド・プレザンス
ジェイミー・リー・カーティス
P・J・ソールズ
ナンシー・キーズ
チャールズ・サイファーズ
トニー・モラン
配給 -
受賞歴 -
リンク -
ハロウィン オリジナル劇場公開版 [DVD]

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8畳部屋でも出来る!本格ホームシアタールームで自宅を映画館に!

 

だいふく

本日は、だいふくのマル秘映画生活の公開だニャ~!

ブログにて、映画好きということは分かっていただけると思いますが、それでは映画を自宅でどうやって見ているかを今回紹介してみたいと思います。結構こだわりましたので、是非ホームシアタールームを作ろうという方は参考にしていただければと思います!

ホームシアタールーム

数年前に家のリフォームをしました。そのときにせっかくなので趣味の映画をゆっくり大迫力で観れる部屋を作りたいと思い、思い切ってホームシアタールームを作ってみました。工事はもちろんリフォーム業者に頼みましたが、構想はすべて自分で考えてこだわってみました!ちなみに、元は8畳の和室からの改装です。

本当は部屋の全体を写真で写したいんですが、いかんせん8畳だと全体写らないので、紹介写真は部分部分となってますがご了承ください!

7.1chホームシアターシステム

まず8畳という部屋の狭さでホームシアタールームを作るということですので、シンプルかつ狭さを感じさせないこだわりにしてます。部屋のテーマは白と黒です!音にはこだわりたかったので、7.1chのシステムを構成しています。

7.1chとは、スピーカーが前後左右1つづで計4本、さらにセンターに1本、前方上側にさらに2本、重低音専用サブウーファー1本といった構成です。本当は前方上側2本ではなく、後方追加2本にしたかったのですが、これに関しては8畳という狭さではいい感じに後方に配置が出来ず、前方にしたという背景があります。

ホームシアター前方構成

ホームシアター前方構成

写真のスピーカー位置ですが、自分好みの配置にしてます。これがリフォーム時に工事の方に配置の指示をしたのに、出来てみたら全然違う配置にされてしまい、怒って直させたエピソードもあります。

真正面はこんな感じ。上部の照明は撮影のために最大に明るくしてますのでちょっとまぶしい感じになってます。(ダークナイトのジョーカーが大迫力!)

ホームシアター真正面

ホームシアター真正面

映像を映すものはテレビにしました。もちろんプロジェクターも考えましたが、これまた8畳という狭さでプロジェクターとスクリーンの距離を考えると断念しました。今どきのテレビは近距離でも目が疲れずに観ることができるし、実際にテレビ放送も観たかったという理由です。

後方のスピーカーと照明は、すべて天井に設置してます。照明は調光できる仕様にしてます。映画館みたくホワッと暗くなり、ホワッっと明るくなりますので、本格的ですよ!また、TVの上にも棒状の照明をつけています。こちらも調光機能付きで天井照明と連動して明暗が調整できるようなシステムにしてもらいました。(照明を選ぶのは一苦労でした…)

天井のスピーカーと照明

天井のスピーカーと照明

ドアと壁、床、天井はもちろん防音仕様にしています。元々は普通の和室部屋だったので、窓がありましたが潰してしまうのはもったいないので残して二重窓にして防音にしてます。通常の部屋をホームシアタールームにする場合、一番お金がかかるのがこの防音仕様にすることかもしれませんね…。

防音仕様のドア

防音仕様のドア

機材やBlu-Rayなどを置く棚はごちゃごちゃ置きたくないので、あえて棚を壁に埋め込んでもらいました。写真は作って間もないのであまり入ってないですが、いまでは映画のBlu-Rayぎっしりです!棚を埋め込むことにより、この部屋はスピーカーとソファー以外の物が全くない部屋になり、すっきりホームシアタールームらしくなりました。この案も自分で考えたんですよ~。

壁埋め込み棚

壁埋め込み棚

音響システム

音響に関してですが、スピーカーもアンプもすべてヤマハ製にしています。単純にヤマハが好きだからという理由ですが、まずはAVアンプから紹介です。

AVアンプは去年買い替えて二台目になります。今現在は、AVENTAGEシリーズのRX-A770(B)という機種を使ってます。今はRX-A870が出てますので1つ型落ちになってしまいました。

ヤマハ AVレシーバー AVENTAGE 7.1ch Dolby Atmos DTS:X 対応 ブラック RX-A770(B)

ヤマハ AVレシーバー AVENTAGE 7.1ch Dolby Atmos DTS:X 対応 ブラック RX-A770(B)

ヤマハのAVアンプが良いところは、ヤマハ独自の音場創生技術シネマDSPがあるからです。それは何かって言いますと、映画や音楽、テレビ放送、ゲームなどさまざまなソースに合わせて最適化した多彩なサラウンドプログラムがあり、作品本来の魅力を最大限に引き出す自然で立体的な音場空間を楽しむことができるのです!本当にこれは色々なシーンで楽しむことができます。

棚に入れたアンプ周辺の写真です。ちなみに、PS4とPCも置いてあり、ゲームもパソコンも大画面TVで写してます!(今まさにこのブログ記事も60インチ画面で書いてます)

アンプ周辺の構成

アンプ周辺の構成

次にスピーカーですが、ヤマハのNS-700シリーズのシステムを使ってます。ピアノのようなスピーカーのつやと真っ黒さが、真っ白部屋にピッタり合うんですよ。

必要な線材やTVへの配線はすべてリフォーム工事の時に壁裏に通してもらい、配線が見えないようにスッキリにしてもらいました。ホースみたいなものを壁裏に設置して、その中に線材を通す感じです。スピーカーケーブルにもこだわっておりBELDEN製を使ってます。

BELDEN スピーカーケーブル 8470-10m

BELDEN スピーカーケーブル 8470-10m

座り心地抜群ソファー

次は重要なソファーです。部屋や音響システムを良くしても見心地も重要なので、ソファーも色々なところをめぐって、実際に座ってみてから本当に座り心地がいい!ってものを探し当てました。もちろんリクライニング付きで黒をチョイス!結構なお値段でしたよ(汗)

ソファー

ソファー

Amazon Echoで音声操作

さて、ここまでいい感じにホームシアタールームを作ったら、動くのがおっくうになってきますよね(笑)そこで導入したのが、Amazon Echoにて全ての赤外線リモコンの操作を声で操ることを実現しました。Echoは、昔買ったので初代のEcho Dotを導入。コンセントにそのまま差してシンプルにしてます。

コンセントに付けたEcho Dot

コンセントに付けたEcho Dot

ちなみに、今は第3世代まで出てますね。

Echo Dot 第3世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール

Echo Dot 第3世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール

 Echoだけでは、赤外線リモコン操作を声で実現は出来ないため、もう一つのアイテムEcho対応のIOTリモコンを購入しました。これはEchoと連動し、赤外線リモコンのキーを覚えさせることによって、wifi環境内であればEchoに覚えさせた声でしゃべると、リモコン操作が動くというものです!

LinkJapan eRemote mini IoTリモコン

LinkJapan eRemote mini IoTリモコン

購入したものはLinkJapan製で、本来はスマホで遠隔でリモコン操作ができるという商品でして、外出中に部屋のエアコンとかつけたりできるような商品です。購入した当時は種類があまりなかったのでこれを選びましたが、いまではIOTリモコンは色々出ています。

AVリモコン、TVリモコン、照明リモコン、エアコンリモコンを覚え込ませているので、主要な操作は全て声で操作できるようにしてます!

例えば、

「エコー電気つけて!」で電気がついたり。

「エコーTV消して!」でTVが消えたり。

「エコーおやすみ!」って言うと、TVとアンプと照明がいっぺんに消えるような設定にもしてます!(一言フレーズで、複数操作を覚えさせることも可能)

映画のような未来感あふれたIOT部屋ができますが、実は合計しても1万円くらいで実現できるんですよね。今はすごい時代になりました!

そして、全く動かない、ぐうたら娯楽部屋になってしまったのだった…

まとめ

いったい総工費いくらだったの!?って思うかもしれませんが、お値段は細かくは言いませんが、もちろん結構かかってます。何でできたかは、家のリフォームと一緒にやったため、35年ローンなので完全に金額麻痺してました(笑)もしリフォーム関係なかったら無理でしたね。

7,1chシステムにするとホラー映画みると後ろから襲ってくる声や足音聞こえたりするのでものすごく怖い…。アクション系は大大迫力ですし、音楽はコンサートホールのようになります。ちなみにPS4でやるゲームも大迫力ですが、バイオハザードは怖すぎました!

紹介した機材や構成などすべて自分で考えて構想約半年くらいかかってます。でもホームシアタールームの見本を見に行ったり、機材の電気屋さんに見回ったり、ネットで調べたりと、大変でしたが中々楽しい時間でした。

映画好きの皆さん将来的にでもいいですが、ホームシアタールームつくってぜひ映画ライフを充実してみてはいかがでしょうか!?

映画「ジョーカー」のあらすじ・感想レビュー:悪のカリスマ誕生の衝撃!

「ジョーカー」の映画情報

ジョーカー上映日:2019年10月04日
製作国:アメリカ
上映時間:122分
[Amazonで買う]
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STORY

ピエロメイクの大道芸人をしながら母を助けるアーサー。彼は、母の「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」との言葉を胸に、コメディアンを夢見る孤独だが優しい青年だった。彼は笑いのある人生は素晴らしいのだと信じ、ドン底から抜け出そうともがくが…。

TRAILER

REVIEW

なんて映画を作ってしまったんだ!これはすでにアメコミ映画ではなく、今まで見てきたバットマンシリーズのジョーカーとは異質であります。結末に衝撃を受けるか。完璧な悪役ジョーカーの誕生に陶酔してしまうのか。い、いやこれは非常に危険な結末とも言えますね。

悪のヒーローが誕生したのである。現実社会でも、ジョーカーは受け入れられ、誰にでもなれる可能性をも秘めている。社会から認められられず苦しみ、格差社会を恨む人たちにとってジョーカーはカリスマとなり教祖に成りえるかもしれない。正直、映画の後半は現実なのか空想の世界なのかが混乱して分からなくなりました。それほどまでに、この映画が訴えるメッセージが現実社会と重なってしまい衝撃的なのです。

これまでもジョーカーを描いてきた作品はたくさんありました。でもそこには正義のカリスマであるバットマンが存在して、均衡が取れていたのです。あの『ダークナイト』でヒース・レジャーが見事に演じたジョーカーですら、最後はバットマンに倒されるのです。でも、本作は、心優しい男が悪へと堕ちていき、悪のカリスマとなっていく過程のみ描かれています。そこに正義は全くなく正義を抹消してしまったようです。

映画は冒頭からラストまで、ずーーっとうす暗く、もの苦しく、何かどっしりとした重い感覚が付きまといます。アーサーへの仕打ちの数々が本当にひどすぎて目を背けてしまいたいくらい。重い感覚にプラスして、頻繁に発せられるアーサーの笑い声は、観終わった後も聞こえてくるほど印象的です。そしてアーサーのダンスも印象的でした。

そのアーサー&ジョーカーを演じるのは、ホアキン・フェニックスです。役作りのために約24キロの減量をしたその姿は、劇中で背中が写るシーンで見せる痩せ方は異常なほど。ヒース・レジャーもそうでしたが、何かジョーカーを演じるには命を懸ける宿命があるように思えてなりません。それほどジョーカーを演じるのは大変ですが、そこまで自身を追い込むべき魅力があるんでしょう。本作はまさに、度肝を抜くホアキン・フェニックスの狂気的な演技に尽きます。

本作を映画館で観たかったし、本当に観れて良かったですし、見事な映画だと思いました。今後数々の映画賞の受賞もされるでしょうね。ただし、個人的には、『ダーク・ナイト』のヒース・レジャーのジョーカーに軍配を上げたいと思います。その理由は、『ダーク・ナイト』は何度もジョーカーを観たくなりますが、本作はあまりにも重いストーリーに、二度は観れないと思ったのでした。

唯一この映画で救われたのは、バットマンの誕生を一瞬でも描いてくれていたことでしょう。あぁ、このままゴッサム・シティは悪の街になり果てるのか…。と思った瞬間に1つの光も誕生してくれたのです!

INFORMATION

英題 Joker
製作年 2019
監督 トッド・フィリップス
製作 トッド・フィリップス
ブラッドリー・クーパー
声優 ホアキン・フェニックス
ロバート・デ・ニーロ
ザジー・ビーツ
フランセス・コンロイ
ビル・キャンプ
シェー・ウィガム
配給 ワーナー・ブラザース
受賞歴 ベネチア国際映画祭金獅子賞
リンク 公式サイト

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映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のあらすじ・感想レビュー:この映画、世界観全てがMAD!

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の映画情報

マッドマックス 怒りのデス・ロード上映日:2015年06月20日
製作国:アメリカ
上映時間:120分
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STORY

資源が底を突き荒廃した世界、愛する者も生きる望みも失い荒野をさまようマックスは、砂漠を牛耳る敵であるイモータン・ジョーの一団に捕らわれ、深い傷を負ってしまう。そんな彼の前に、ジョーの配下の女戦士フュリオサ、全身白塗りの謎の男、そしてジョーと敵対関係にあるグループが出現。マックスは彼らと手を組み、強大なジョーの勢力に戦いを挑む。

TRAILER

REVIEW

この世界観、このカーアクション、この迫力、何をとっても"MAD"です!!!冒頭からラストまでずーっとクライマックスシーンを観ているような感覚の120分は、息つく暇はありません。

子供時代に観たマッドマックス3部作から30年たっての続編です!パート1からはストーリーを継ぎ、パート2はカーアクションを継ぎ、パート3は世界観を継いだと個人的には感じており、過去作全てを無駄にせず生かしたパーフェクトな続編であります。アクションは現代技術を駆使しつつも、CGは使わず生スタントにとことんこだわった、傑作としか言いようがない出来栄えでした。

昔の3部作を知っている身としては、観る前に一番心配していたところとして、当然ながら主人公マックス=メル・ギブソンという印象を強く持っていました。本作は、『ダークナイト ライジング』のベイン役であったトム・ハーリーが演じましたが、心配は何のその、豪快かつ強いマックスとして名前負けせず見事に演じ切っていました。正直、主役の役者が変わった違和感全くありません。

さて、映画自体の評論ですが…。おっと、この作品を評論しようという、ヤボなことはしてはいけないですね!なぜなら、99%アクションを楽しむ映画だからです。

もー、悪役たちの容姿といい、改造車といい、攻撃といいなんて楽しいのでしょう。まさに北斗の拳の世界です!

そして、みーーーんな狂ってます。"MAD"です!

ボスの容姿も"MAD"

改造車も"MAD"

ギター弾きながら炎なんてびっくりキャラも登場!
(監督いわく、この映画はロックだ!を表現したかったとのこと)

とにもかくにも、この映画を27年ぶりに製作した、御年70歳の、ジョージ・ミラー監督が一番"MAD"なことは間違いありません!撮影話では何度も何度も、悪条件が重なり延期に延期を重ねたというエピソードもあるようですが、よくめげないで完成させてくれました。

さらに本作は、モノクロ(白黒)映像でも上映されました。オリジナル版はまさに映像美も含めての鑑賞となりますが、モノクロ版は情報量を抑えより世紀末感を感じることができる仕上がりになっています。

監督のこだわりやマッドマックスにたいする強い愛情がひしひしと伝わってきますね。監督是非続編も作ってください!(長生きしてくださいね!)

INFORMATION

英題 Mad Max: Fury Road
製作年 2015
監督 ジョージ・ミラー
製作 ダグ・ミッチェル
ジョージ・ミラー
出演者 トム・ハーディ
シャーリーズ・セロン
ニコラス・ホルト
ヒュー・キース=バーン
ゾーイ・クラビッツ
ライリー・キーオ
配給 ワーナー・ブラザース映画
受賞歴 アカデミー賞編集賞・美術賞・他4部門
リンク 公式サイト

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「ムカデ人間」のあらすじ・感想レビュー:つ・な・げ・て・み・た・い!

「ムカデ人間」の映画情報

ムカデ人間上映日:2011年07月02日
製作国:オランダ/イギリス
上映時間:90分
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STORY

ヨーロッパを旅行中の2人の美しいアメリカ人女性。車で移動中、ドイツの森の中で突然タイヤがパンクし、助けを求めてさまよった2人は、一軒の大邸宅にたどり着いた。次の日、目覚めるとそこは地下に作られた病室のベッドの上。隣には彼女たちと同じように、日本人男性が寝かされている。家の主であるドイツ人男性は、かつてシャム双生児の分離手術を専門とする外科医だったという。だが、彼の新たな3人の“患者”たちは、恐るべき手術によって、“分離”ではなく“結合”されようとしていた。

TRAILER

REVIEW

 

つ・な・げ・た・い。
つ・な・げ・て・み・た・い。
人間の肛門とお口。

ついに、禁断の映画を出してしまいました・・・。

こんな映画を考える監督はもぅお馬鹿としか言えません。そして、観ている自分もお馬鹿です・・・。ん!?あ、いや、いやそれが意外にも悪くなかった!!!汗

そりゃ、つなげるシーン、つながっちゃったシーンは悲惨ですよ。どんな凶悪な犯罪より罪深いですよ。生き地獄としか言いようが無い・・・。1番目はまだいいですよ。2番目、3番目なんて、う○ち・・・(自己規制)

もちろん実際そのシーンはありますが、意外とゲロさはなくコミカルに描いてます。

悪くなかった理由は、重々しくなくちょっぴり笑えてしまう作りになっているからでしょう。その立役者は、なんと言っても北村昭博の存在。日本のヤクザとして誘拐されムカデ人間先頭に大抜擢ですが、まぁ日本語でわめくわめく!海外の映画なのに、日本語以外使いません。この史上まれに見る異常な映画を彼がハードルさげて観やすくしてくれたんだと。

ただし、元シャム双生児の分離手術を専門とする外科医ハイター博士の狂気っぷりはすごいの一言!

双生児分離手術の権威だからこそ生まれた逆発想の人間をつなげたい感情。といっても、性犯罪などの心理と全く同じで、性癖の向かう方向が間違っているんですよね。変に天才な分だけたちが悪いです。何が何でも、つなげないと気が収まらないんです。つなげてペット化したい欲求、言うことを聞かせたい欲求など、完全に自己満足の世界観・・・。

ラストは、前後が死ぬというどうしようもない結末なんですが、繋がれたままの真中の女の子はどうなるってしまうんだろう。。。

はい、全くお勧めはしない映画です!ただグロイシーンなんてのも、ほんの一部(手術シーンのみ)だけです。

ちなみに、ムカデ人間シリーズは3部作です。2作目は12人つなげちゃいます!そして一気にグロ路線へ変更されます。題材が題材だけに、プラスグロいれちゃったばかりに、世界各国で上映禁止続出となりました。そして3作目は500人つなげちゃいます。はい、やっぱりこの監督、お馬鹿だと思います。

INFORMATION

英題 The Human Centipede
製作年 2009
監督 トム・シックス
製作 イローナ・シックス
トム・シックス
出演者 ディーター・ラーザー
北村昭博
アシュリー・C・ウィリアムス
アシュリン・イェニー
配給 トランスフォーマー
受賞歴 -
リンク -

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映画「見えない目撃者」のあらすじ・感想レビュー:視力を失った元警察官が犯人を追い詰める!

「見えない目撃者」の映画情報

見えない目撃者上映日:2019年09月20日
製作国:日本
上映時間:128分


 

STORY

浜中なつめは警察学校の卒業式の夜、過失で弟を事故死させ、自分の視力も失う。警察官になることを諦めたなつめはある日、自動車事故の現場で少女が助けを求める声を聞く。誘拐事件を疑ったなつめは警察に訴えるが十分に捜査してもらえず、自ら動き出す。

TRAILER

REVIEW

2011年の韓国映画「ブラインド」を日本でリメイクとなっております。オリジナルは未鑑賞で予備知識なしで映画館鑑賞でした。

サスペンススリラーとして王道かつ飽きさせない出来でした。猟奇的な連続殺人気に犯人は誰なのか?その動機はという謎解き要素もあり、警察が案外無能でわからずや組織で有ったりとこれまでもよくあるストーリーです。

しかしながら、本作が面白ところは犯人を追うのが視力を失った元警察官(なつめ)という設定です。どうやって盲目で犯人を追い詰めていくのか?という部分が非常に面白く、盲目だからこそ通常の人より嗅覚・聴覚がすぐれ犯人をつきとめていく展開が見事であります。そして元警察官という設定に関してもしっかり活かされています。

なつめ演じるのは吉岡里帆ですが、今までは可愛い系やヒロイン役が多く男性ファンは多く女性からは敬遠されることが多かったのですが、本作で新たな彼女の魅力が開花したのではないでしょうか。自分のせいで弟と視力を失った絶望の淵から、犯人を捕まえるという希望を持ちたくましく挑む役柄や視力ない演技(目の黒目視点が見事)が、すばらしくまさに熱演といった感じです。しかも、ほぼほぼすっぴんで挑んでますからね。

ただ本作でもったいないなぁと思えるところは、後半になればなるほど、現実味離れしすぎてしまっているところです。例えば、なつめが犯人に追われるシーンでは他人と会わなすぎですし(駅中で誰も会わないのはあり得ない)、犯人自身も追い詰められている割には主人公たちを殺せる機会が何度もあるのに、中途半端なまま生かしてしまい自ら次の展開に持ち込む気満々な展開です。物語を進行する上での無理やりな設定を作り込んだ感が見え隠れし、もう少しどうにかできなかったのかなぁっと思った次第です。細かい部分ではありますが案外大事だと思うんですよね。

とはいいつつも、リメイクではありつつも日本のオリジナル要素を結構入れ込んでいるようで、久々日本映画で良質で面白いと思えるサスペンススリラーの映画が誕生したと思いますし、すでにオリジナル版を超えたとまで言われています。えー、この人死んでしまうの!ってな展開もあり意外感もありますし。

また、鑑賞前はなぜレーティングがR15+(15歳以上しか鑑賞できない)なんだろうと思っていましたが、しっかりグロめなシーンがあります。吉岡里帆=清楚系というイメージが余にも強すぎて、先入観先行しまさかグロありとは思いもしなかったです。ただ、そこまで強めのグロではないため、耐性が無い方でも問題なく鑑賞は出来ますので、ご心配なく。

恐らく映画の面白さ度合いは、人によって違うと思いますが、間違いなく面白くなかったという意見はほとんど出ない映画ではないかなと思いますので、楽しめることは間違いなしです。

INFORMATION

題名 見えない目撃者   
製作年 2019
監督 森淳一
脚本作 藤井清美
森淳一
出演者 吉岡里帆
高杉真宙
大倉孝二
浅香航大
松大航也
國村隼
配給 東映
受賞歴 -
リンク 公式サイト
見えない目撃者 (小学館文庫)

見えない目撃者 (小学館文庫)

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映画「湯を沸かすほどの熱い愛」のあらすじ・感想レビュー:死にゆく母が家族を繋ぐ!

「湯を沸かすほどの熱い愛」の映画情報

湯を沸かすほどの熱い愛上映日:2016年10月29日
製作国:日本
上映時間:125分
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STORY

持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。

TRAILER

REVIEW

まずは観終わってすぐに感じたことは、日本アカデミー賞主演女優賞の宮沢りえ、助演女優賞の杉咲花の迫真の演技に、ただただ拍手を送りたいと思いました。喜怒哀楽すべてを演技きったお二人のすさまじい演技力あってこその作品ではないでしょうか。これぞプロ!と思わせられます。特に、杉咲花が見事過ぎました。20歳そこそこの彼女の演技には驚かされるばかりでした。

余命2カ月宣言を受けたおかあちゃんがやっておくべきことを命がけでやり通していきます。この映画全体に言えますが1つ1つが非常に重い課題です。通常の映画であればどんよりと凹むようなテーマばかりなのですが、宮沢りえ演じるおかあちゃんのたくましさと明るさで、映画の中だけでなく観ているこちら側も何だか救われている気持ちになります。

いじめられている娘を立ち向かわせた母、女にだらしがない頼りにならない旦那を連れ戻し銭湯を再開させる母、旦那が浮気した相手の子供を引き取り育てる母、自分の余命が少ないのに周りにいつも元気づける母。全ての人を思い不幸も幸せに変えていくおかあちゃんは偉大でした。強さそして優しさを感じます。

2時間ちょっとという時間で、これだけたくさんの話を混ぜ込んでいますが、全くだらけることもなく中途半端にすることもなく、1つ1つにしっかり意味を持たせた物語になっています。通常ならドラマにできるくらいの濃い内容をよくぞこれだけ詰め込んだと感じます。

さらに見事と思わされたのは、細かい伏線のようなシーンが後にすべてつながっていき、何一つ無駄なシーンがなかったです。もう、ずっとこの作品にのめり込み時間を忘れて見入ってしまいました。例えば、娘の安澄が手話を読み解くシーン、ヒッチハイカーが子供達におかあちゃんから産まれてきてうらやましいと話したシーン、蟹のお礼の手紙を安澄に書かせていたシーンも全てが意味があり繋がるのです。

脚本・監督は、本作が商業映画デビュー作の中野量太監督ですが、俳優陣の演技力がかなり助けていることを抜きにしても、素晴らしい長編デビュー作品を産み出してくれました。「家族とは」をテーマに描いたようですが、今後も監督の家族テーマに描いた作品を観たいものです。

さて、本作評価が非常に高い映画ではありますが、ラストだけ結構賛否両論となってしまっているようですね。急に恐ろしいカルト映画のような終わり方をしてしまっています。正直私もラストはびっくりしましたし、なんだか今まで語ってきたことを無かったことにするくらいの衝撃度でした。しかしながら、終わってみて改めて考えると、あのおかあちゃんだもん、普通な終わり方させたらそれはそれでラストでがっかり映画の評価なります。そう思うとラストああするしかなかったんではと思えてくるほどです。(未見の方は是非ネタバレ見ないでその目で確かめてください!)

「湯を沸かすほどの熱い愛」ラストでこれだけタイトルが意味を成してくるとは。。。

素晴らしい映画でした。

INFORMATION

題名 湯を沸かすほどの熱い愛
製作年 2016
監督 中野量太
脚本 中野量太
出演者 宮沢りえ
杉咲花
オダギリジョー
伊東蒼
松坂桃李
篠原ゆき子
配給 クロックワークス
受賞歴 日本アカデミー賞優秀主演女優賞
日本アカデミー賞優秀助演女優賞
新藤兼人賞/金賞
他多数受賞
リンク 公式サイト

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映画「ローズマリーの赤ちゃん」のあらすじ・感想レビュー:カルトホラーの先駆者的作品!

「ローズマリーの赤ちゃん」の映画情報

マッドマックス 怒りのデス・ロード上映日:2013年06月01日
製作国:アメリカ
上映時間:136分
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STORY

マンハッタンの古いアパートに引っ越して来た俳優のガイとその妻ローズマリー。親切ではあれ、どこか不気味な隣人たちに囲まれながら、やがてローズマリーは妊娠。しかし、そのころから彼女は悪夢を見るようになっていく…。

TRAILER

古い作品のため予告は見つかりませんでした。

REVIEW

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のレビューを先日記事にしましたが、関連映画としてロマン・ポランスキー監督が当時作った作品を紹介してみましょう。

もぅかれこれ、40年以上の作品になるのですね。カルトホラーの先駆的作品といわれる本品は、全く怖い映像は出てこないのですが心理的な恐怖があります。

悪魔に犯された夢を見た日に妊娠したローズマリー。幸せのはずの妊娠、周りは祝ってくれるはずなのに信じることが出来ない。妊娠中の情緒不安定とされ続け、疑っては誤解していたの繰り返しです。どんどん追い詰められていく様子は、観ている者も彼女の妄想なのかそれとも陰謀なのかが分からず最後まで不安にさせられます。

そして隣人の老夫婦の親切がとても嫌みなのが鼻につく。最初からローズマリーは怪しんでいたんだよね。なのに、バカちんの旦那が・・・。カルト集団による様々な陰謀は、現実の詐欺的な宗教勧誘の手口にも思えるのが怖い。ばあさん役のルース・ゴードンは本作でアカデミー助演女優賞をとるほどの演技ですので、リアルに思えたのは当たり前だったかもしれません。

産まれた我が子が悪魔だった瞬間、母親はどう感じたのだろう…。

苦しみ耐えた数ヶ月という妊娠期間、出会ったのは悪魔の子であったローズマリーの心の痛みは計り知れないものです。しかし、母親強は強かった!悪魔である我が子を受け入れる決心をしたのだと私は理解しました。

映画では、悪魔の子を見せてくれないもどかしさがあります。ただ観客の想像に任せたところは作品としては正解でしょう。悪魔悪魔した子供を映像で見せられても、現実味を感じられないため感情は入りませんからね。

怖いのは作品だけでは有りません。撮影中、妊娠していたロマン・ポランスキー監督の妻であるシャロン・テートがチャールズ・マンソン率いるカルト教団に惨殺されるという事件がおきています。妊娠、カルト教団というキーワードが作品と因縁があるのが驚きです。

さらに監督は、子役モデルに性的行為をした罪として懲役50年以上という判決が出ているが逃亡したあげく、逃亡中に多くの名作を生み出しアカデミー賞まで受賞しているという、とっても波乱万丈な監督なのでした。

そして、ローズマリー演ずる当時のミア・ファローの可愛さ&ファッションにも注目な映画でもあります。今観てもあせない彼女の魅力には驚かされます。

INFORMATION

英題 Rosemary's Baby
製作年 1968
監督 ロマン・ポランスキー
原作 アイラ・レビン
出演者 ミア・ファロー
ジョン・カサベテス
ジョン・カサベテス
シドニー・ブラックマー
モーリス・エバンス
ラルフ・ベラミー
配給 マーメイドフィルム
受賞歴 アカデミー賞助演女優賞
ゴールデングローブ賞最優秀助演女優賞
リンク -

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映画「来る」のあらすじ・感想レビュー:豪華キャストで描く最恐エンターテインメント!

「来る」の映画情報

来る上映日:2018年12月07日
製作国:日本
上映時間:134分
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STORY

オカルトライター・野崎のもとに相談者・田原が訪れた。最近身の回りで怪異な出来事が相次いで起きていると言う。野崎は、霊媒師の血をひくキャバ嬢・真琴とともに調査を始めるのだが、田原家に憑いている「何か」は想像をはるかに超えて強力なモノだった。エスカレートする霊的攻撃に、死傷者が続出。真琴の姉で日本最強の霊媒師・琴子の呼びかけで、日本中の霊媒師が田原家に集結し、「祓いの儀式」が始まろうとしていた…。

TRAILER

REVIEW

「嫌われ松子の一生」「告白」「渇き。」の中島哲也監督作品で澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を映画化した作品です。中嶋監督映画にしては、興行的には振るわなかったみたいですね。実は私も、中島監督映画は好きなんですが、本作はレンタルして観るまではあんまり意識していなかった映画となります。

が、久々に見ごたえがあるジャパニーズホラーなんじゃないですか!ってのが印象です。中島作品の今までの作品からするとインパクトは弱いかもしれませんが、昨今の日本のホラー作品は、パロディー的ホラーや面白くないホラーしか出せなくなってきた中で、見ごたえある幽霊もの映画を出してくれました。(ただし、全然怖くはないです)

映画は、前半、後半と別れているような展開となります。ちょうど分かれ目としては、主役となる男優が、妻夫木聡→岡田准一に変わるのでわかりやすいです。

まず、妻夫木演じる田原秀樹の章ですが序章的な位置づけです。イクメン気取りで周りから良く見られたい最低なブロガー旦那ですが、かなりひどい有様です。でも、今のご時世こういうタイプの父親て居そうで的を得ています。

それに振り回される、妻の田原香菜です。秀樹の仕打ちにホント可哀そうだなと序盤は思うのですが、すぐにその気持ちは裏切られ彼女もまた何かオカシイのでる…。最終的な、香菜の狂気の沙汰といいますか堕落した人間は凄すぎます。真面目な人間の反動を起こした時の怖さと言いましょうか。演じる黒木華の演技力が、これまた見事に演じ切っているので余計に変化のギャップが怖いです。

そんな中、産まれた子供の知紗は、不幸になる運命なのは必然。

知紗を救うのは、中盤から後半に登場する、岡田准一演じる野崎と小松菜奈演じる比嘉真琴です。登場した時は二人もまたオカシイ部類なのか!?と思わせられるキャラなのですが、過去や自分の境遇に苦悩しつつも、登場人物の中では至極まっとうな人間でした。二人だけ知紗の事をどんなことがあっても守りとおすのです。

そして本作の見どころは、ラストの団体祈祷シーンでしょう。かつてここまで大掛かりな祈祷シーンの映画はあったでしょうか?団地周辺お祭りのごとく霊媒師たちが自らの命を懸けます。

何を除霊するか!?それが最後の最後まで正体不明。

ただただ

「来る」

のです。

この大スぺクタルな祈祷で目立ったのは、柴田理恵演じる逢坂セツ子です。なんでしょう、命を懸け恐れず祈祷し続ける姿は、凄みを感じました。脇役の中ではとても印象に残るキャラです。柴田理恵の新たな演技というものを見た気がします。

そして、松たかこ演じる比嘉琴子の存在も大きな存在ですね。超大物霊媒師といいましょうか、冷静でかつ大胆そして冷酷に淡々と祈祷して除霊していく姿は、人間を凌駕しています。彼女の何事にも恐れない姿には凄みを感じました。

何が「来る」のかというテーマと共に、人間側の真の悪は誰なのかが見ごたえある、映画でした。いやー、映画館でみたかったなぁと後悔です。きっと見ごたえあったでしょう。

INFORMATION

題名 来る         
製作年 2018
監督 中島哲也
製作 澤村伊智
出演者 岡田准一
小松菜奈
妻夫木聡
黒木華
松たか子
青木崇高
配給 東宝
受賞歴 -
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映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のあらすじ・感想レビュー:鑑賞前に予備知識必須!

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の映画情報

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド上映日:2019年08月30日
製作国:アメリカ
上映時間:161分


 

STORY

人気が落ちてきたドラマ俳優、リック・ダルトンは、映画俳優への転身に苦心している。彼に雇われた付き人兼スタントマンで親友のクリフ・ブースは、そんなリックをサポートしてきた。ある時、映画監督のロマン・ポランスキーとその妻で女優のシャロン・テートがリックの家の隣に引っ越してくる。

TRAILER

REVIEW

良くも悪くもタランティーノ監督の世界観たっぷりな映画でした!

といいますかやられた!久しぶりのタラちゃん作品、もちろん面白いには間違いなかったのですが前半の作風忘れてました!寝不足で映画観に行きましたが、あっと驚く盛り上がりどころは中盤過ぎくらいまでは少なく淡々と進んでいく物語は、睡眠不足での鑑賞だと思わず寝そうになり耐えて耐えてでした。(爆) ※ちなみに寝ないで全部観ました。

本作はタランティーノ監督が子供の頃だった1969年のハリウッドの様子を、ほぼ全般で描いた作品となります。なので当時のアメリカ(特にハリウッド)を知っている方にはニヤニヤするシーン満載ですが。知らないと分からないことだらけになってしまうのでしっかり予習して臨むことが必須です。

ちなみに、私はシリアルキラーを調べたりすることに一時はまっていたので、マシソン・ファミリーの事件は詳しく知っている方でした。ということもあり、最低限の予備知識を少し紹介しますね。(細かいことはネットで調べてください)

 

【マシソン・ファミリーとシャロン・テート殺害】

チャールズ・ミルズ・マシソンは、当時アメリカ中で流行していたヒッピーとなり、彼もまた髪が伸びマリファナを好みギターを弾きながら生活していました。そんな中、彼を慕う仲間がどんどん集まっていき、ついに「マシソン・ファミリー」を結成しています。そして根城にしていたのが、映画でも出てきた通り牧場で、ドラックとセックス三昧の暮らしでした。

チャールズは信者と窃盗などの犯罪をも犯す生活をしており、ついにはファミリーで殺人まで犯してしまいます。最初の殺人と同年には、妊娠中の女優シャロン・テートとその友人を惨殺し、ハリウッドの歴史の中で最も震撼させた闇の事件といわれてます。シャロン・テートの夫は、『ローズマリーの赤ちゃん』の監督のロマン・ポランスキーです。この映画はホラーなのですが、内容は悪魔の子どもを妊娠するという設定です。シャロンも妊娠中に殺害されるという何とも皮肉な映画にもなってしまいました。映画レビューも参考にしてみてください。 

ファミリーは、最終的には8名もの殺害を行い、後にチャールズは死刑判決となっています。ただし、州の法律が変わり死刑廃止となり最終的には終身刑になったそうで、服役中の2017年死亡しています。

 

はい、という予備知識の上で映画レビューに戻りましょう。

映画は161分で、ほぼ1969年のハリウッドを描いたものです。そしてラストの数十分で強烈なタランティーノ節が炸裂でございます。

1969年当時を知っているアメリカの方にはたまらない映画となります。当時上映されていた映画が出てきたり、当時の車や街の様子や服装、そしてヒッピー文化といったように、まさしく1969年の光と闇が描かれてます。それもそのはず、監督自身が“映画”や“ポップカルチャー”をCGなしで描きたかったと話しております。実際にハリウッド大通りの数ブロックを昔の外観に戻し、通行止めにしてクラシック・カーで埋めて撮影もされているようです。

映画で中心になるのは、レオナルド・ディカプリオ演じる落ち目俳優リックとブラッド・ピット演じるスタントマンのクリフの友情を描いています。ちなみに二人は初共演です。もう、映画の9割がたは二人の渋い演技を楽しむ映画なのです。なので、ファンにはたまらない作品となります。

そしてタランティーノ監督が、この映画でどうしても描きたかったこと。それは女優のシャロン・テートでした。現実は、残念ながら惨殺されてしまいましたが、監督は彼女が生き生きと人生を楽しんでいるところを見てほしかったと言ってます。劇中では、彼女が笑顔で明るく楽しんでいるシーンが沢山出てきますし彼女の魅力がたっぷり描かれています。演じるのは、マーゴット・ロビーですが、いやほんとに似ている!そして美しいです。まさに監督有言実行です!そこにはシャロン・テートが生き生きと人生を楽しんでいる様子が映し出されていました。

劇中には、ブルース・リーも出てきます。なんで出てきたんだろうと思ってましたが、後で調べるとシャロン・テートやロマン・ポランスキーと深いつながりがあったんですね。そこまでは私も知らなかったですので、映画観る前にブルース・リーとの関係も調べておくと面白いかもです。

俳優といえば、何気にものすごいビックスターも出演し大変豪華な顔ぶれです。しかもチョイ役でしか出ていなかったりしますので、映画を観ながら見つけてるのが面白いかと思います。私は出演している俳優を事前に見てなかったので、あ!アル・パチーノやカート・ラッセルや!って心でつぶやきながら楽しんで観てました。

さて、結構長々とレビュー書いてきましたが、実際の映画の印象もこんな感じです(笑)長々ーーーーな感じで、淡々と当時のハリウッドの様子が続きます。

しかししかししかし!!!

これで終わらないのがタランティーノ監督!ラストの数十分で大爆発!!!これですこれです、タランティーノ監督が描く世界は!実際、映画観てもらって体験してもらった方がいいかと思いますので多くは語りませんが、参考に隣にいた女性(知らない方ですが)、かなりショックを受けて目を覆ってましたね。

この感覚は、同監督作品の『デス・プルーフ in グラインドハウス』でも体験した感覚でした。いわゆる静から動へガツン!って変化する感じです!

レビューというより予備知識展開な感じになりましたが、いつもなら是非観てください!というのですが、この映画は恐らく万人受けしないし割と上級者向けなので、興味が有ったら是非観てください!程度にしておきます。

INFORMATION

英題 Once Upon a Time... in Hollywood
製作年 2019
監督 クエンティン・タランティーノ
製作 デビッド・ハイマン
シャノン・マッキントッシュ
出演者 レオナルド・ディカプリオ
ブラッド・ピット
マーゴット・ロビー
エミール・ハーシュ
マーガレット・クアリー
ティモシー・オリファント
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
受賞歴 -
リンク 公式サイト
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド オリジナル・サウンドトラック

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド オリジナル・サウンドトラック

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映画「ファニーゲーム」感想・レビュー:一番怖いのは人間だ!

 

ファニーゲーム

ファニーゲーム

「ファニーゲーム」映画情報

あらすじ

別荘へと訪れたショーバー一家。そこへペーターと名乗る若者がやって来る。礼儀正しい態度を見せていたペーターだったが、もう一人パウルが姿を現す頃には態度は豹変し横柄で不愉快なものとなっていた。やがて2人はゲオルグの膝をゴルフクラブで打ち砕くと、突然一家の皆殺しを宣言、一家はパウルとペーターによる“ファニーゲーム”の参加者にされてしまう。

予告編

作品データ

原題 Funny Games
製作年 1997年
製作国 オーストリア
上映時間 103分
監督 ミヒャエル・ハネケ
製作 ファイト・ハイドゥシュカ
脚本 ミヒャエル・ハネケ
メインキャスト スザンヌ・ロタール
ウルリッヒ・ミューエ
フランク・ギーリング
アルノ・フリッシュ
ステファン・クラプチンスキー
受賞歴 カンヌ映画祭コンペティション部門出品
シカゴ国際映画祭最優秀監督賞


 

「ファニーゲーム」映画解説

だいふく

ミヒャエル・ハネケ監督の問題作映画の紹介だニャ!

作品解説

カンヌ国際映画祭で、そのあまりに衝撃的な展開に途中で席を立つ観客が続出し、ロンドンではビデオの発禁運動まで起こった、衝撃の問題作です。

犯人が映画を鑑賞している観客に時折サインを見せたり、語りかけてくるメタ演出なども特徴的で、鑑賞者が一緒に犯罪を犯しているような気分にもなってしまう。

2008年には、ミヒャエル・ハネケ監督自身がハリウッドリメイクした『ファニーゲーム U.S.A.』が公開されています。

関連作品

※タイトル後に外部リンクアイコンがあるものはAmazonに飛びます。

【リメイク】

ファニーゲーム U.S.A.

暴力がテーマ

ミヒャエル・ハネケ監督の作品を観てきましたが、この『ファニーゲーム』を観た時は、他の作品とは全く違う印象を受けました。本品から伝わってくるものは"暴力"でしかなかったのです。

そして、ハネケ監督のインタビューはこうである。

「なぜ人々がこの映画に憤慨するかははっきりしている。私は憤慨させるために作ったからだ。暴力は撲滅できないものであり、痛みと他人への冒涜であることを伝えたい。だから、暴力を単なる見世物ではなく、観終わった後に暴力の意味を再確認するものとして描かなければならない。」

暴力しか感じなかった映画ですが、結局は、それは監督の狙い通りだったのです…。

「ファニーゲーム」感想・レビュー

結末が予測できるネタバレ度

私はホラー映画が好きです。でもあんまり怖いと感じることはないのです。理由はモンスターもゾンビも幽霊もそれは現実でない作り物だから。でも、映画の中で一番怖くて苦手なものは、人間の恐ろしさです。それは現実でも起こりうる世界なのですから。

 

そんな観客が不快に思うような作品を、喜びのように感じて作る変態オヤジがミヒャエル・ハネケ監督です。そして本作は監督の作品の中で最も問題作といわれております。余りにも理不尽な暴力を描いているため、観終わった後の憂鬱度はかなりなものに…。

ハネケ監督の映画を観る前は相当な覚悟と準備が要ります。そして、鑑賞中はずーっと苦痛なのです。ではなぜ観てしまうんでしょうか。それが自分でも分からない…。そうなんです、すでに監督のマジックにかかってしまっているんです。

 

オープニングでは、仲むつましい家族が車で曲当てゲームをしながら別荘に向かい、ほのぼのシーンから始まります。が、一転FUNNY GAMESというタイトルが出て、荒々しいロックの曲に変わり、冒頭から作品の異常感が伝わってくるのです。すでに、いきなり嫌な予感満載です…。

 

別荘で、ヨットの準備や料理を作って楽しい時間をすごしているさなか、一見おとなしめの若者ペーターが卵を貰いにやって来る。さらに彼の友人パウルも家にやってきた。その瞬間から一家は一方的に理由の無き、"殺人ゲーム"の標的とされます。12時間後に一家が死んでいるか、生きているかという理不尽な賭け。

ファニーゲーム

あまりにも身勝手で残虐極まりない犯人達には、憎しみと吐き気しか覚えません。犯人の憎たらしい顔(この俳優は、同監督作品の『ベニーズビデオ』でも憎い役を演じてます)、馬鹿げた発言、卑怯なやり口、全てにおいて嫌気を覚えさせられることでしょう。

 

さらに犯人達は映画を鑑賞ている我々があたかも共犯者のように、話しかけてきます。

「おい、お前もこのゲームを楽しんでいるんだろう?」

と言わんばかりに・・・。

 

犯人の最初の標的は子供。ドカンとショットガンの音が聞こえたかと思うと、あたりには血が飛び散り、床には血だらけの子供の死体。残酷にも、子供は父母が見ているその前で殺されてしまうのです・・・。

犯人は逃げだします。生き残ったのは夫婦二人、動から静へしばらく夫婦の精一杯の生への執念が静かに静かに繰り広げられるのです。父ゲオルクの足の骨が折れていても妻と二人で協力して歩く姿、必死で濡れた電話を乾かそうとする姿、希望を持ち外に出て助けを探す姿、残されたもののいたいけな頑張りが涙ぐましくも表現されています。

ファニーゲーム

 

でも、監督は意地悪極まりない。よりによって助けを求めた車の運転手が犯人達だなんて。ひどい、ひどすぎる…。転々と転がるゴルフボール。そこには、希望はなく絶望しかなかった。

「ゲーム再開!!!」

・・・もう、書くのも嫌になる光景がラストまで続きます。

そして、なに?あのビデオテープ巻き戻し???ありえなさ過ぎる・・・

だいふく

観終わった後、嫌な気分しか残らない映画ニャ…

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