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映画「湯を沸かすほどの熱い愛」のあらすじ・感想レビュー:死にゆく母が家族を繋ぐ!

「湯を沸かすほどの熱い愛」の映画情報

湯を沸かすほどの熱い愛上映日:2016年10月29日
製作国:日本
上映時間:125分
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STORY

持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。

TRAILER

REVIEW

まずは観終わってすぐに感じたことは、日本アカデミー賞主演女優賞の宮沢りえ、助演女優賞の杉咲花の迫真の演技に、ただただ拍手を送りたいと思いました。喜怒哀楽すべてを演技きったお二人のすさまじい演技力あってこその作品ではないでしょうか。これぞプロ!と思わせられます。特に、杉咲花が見事過ぎました。20歳そこそこの彼女の演技には驚かされるばかりでした。

余命2カ月宣言を受けたおかあちゃんがやっておくべきことを命がけでやり通していきます。この映画全体に言えますが1つ1つが非常に重い課題です。通常の映画であればどんよりと凹むようなテーマばかりなのですが、宮沢りえ演じるおかあちゃんのたくましさと明るさで、映画の中だけでなく観ているこちら側も何だか救われている気持ちになります。

いじめられている娘を立ち向かわせた母、女にだらしがない頼りにならない旦那を連れ戻し銭湯を再開させる母、旦那が浮気した相手の子供を引き取り育てる母、自分の余命が少ないのに周りにいつも元気づける母。全ての人を思い不幸も幸せに変えていくおかあちゃんは偉大でした。強さそして優しさを感じます。

2時間ちょっとという時間で、これだけたくさんの話を混ぜ込んでいますが、全くだらけることもなく中途半端にすることもなく、1つ1つにしっかり意味を持たせた物語になっています。通常ならドラマにできるくらいの濃い内容をよくぞこれだけ詰め込んだと感じます。

さらに見事と思わされたのは、細かい伏線のようなシーンが後にすべてつながっていき、何一つ無駄なシーンがなかったです。もう、ずっとこの作品にのめり込み時間を忘れて見入ってしまいました。例えば、娘の安澄が手話を読み解くシーン、ヒッチハイカーが子供達におかあちゃんから産まれてきてうらやましいと話したシーン、蟹のお礼の手紙を安澄に書かせていたシーンも全てが意味があり繋がるのです。

脚本・監督は、本作が商業映画デビュー作の中野量太監督ですが、俳優陣の演技力がかなり助けていることを抜きにしても、素晴らしい長編デビュー作品を産み出してくれました。「家族とは」をテーマに描いたようですが、今後も監督の家族テーマに描いた作品を観たいものです。

さて、本作評価が非常に高い映画ではありますが、ラストだけ結構賛否両論となってしまっているようですね。急に恐ろしいカルト映画のような終わり方をしてしまっています。正直私もラストはびっくりしましたし、なんだか今まで語ってきたことを無かったことにするくらいの衝撃度でした。しかしながら、終わってみて改めて考えると、あのおかあちゃんだもん、普通な終わり方させたらそれはそれでラストでがっかり映画の評価なります。そう思うとラストああするしかなかったんではと思えてくるほどです。(未見の方は是非ネタバレ見ないでその目で確かめてください!)

「湯を沸かすほどの熱い愛」ラストでこれだけタイトルが意味を成してくるとは。。。

素晴らしい映画でした。

INFORMATION

題名 湯を沸かすほどの熱い愛
製作年 2016
監督 中野量太
脚本 中野量太
出演者 宮沢りえ
杉咲花
オダギリジョー
伊東蒼
松坂桃李
篠原ゆき子
配給 クロックワークス
受賞歴 日本アカデミー賞優秀主演女優賞
日本アカデミー賞優秀助演女優賞
新藤兼人賞/金賞
他多数受賞
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