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映画「ジョーカー」のあらすじ・感想レビュー:悪のカリスマ誕生の衝撃!

「ジョーカー」の映画情報

ジョーカー上映日:2019年10月04日
製作国:アメリカ
上映時間:122分
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STORY

ピエロメイクの大道芸人をしながら母を助けるアーサー。彼は、母の「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」との言葉を胸に、コメディアンを夢見る孤独だが優しい青年だった。彼は笑いのある人生は素晴らしいのだと信じ、ドン底から抜け出そうともがくが…。

TRAILER

REVIEW

なんて映画を作ってしまったんだ!これはすでにアメコミ映画ではなく、今まで見てきたバットマンシリーズのジョーカーとは異質であります。結末に衝撃を受けるか。完璧な悪役ジョーカーの誕生に陶酔してしまうのか。い、いやこれは非常に危険な結末とも言えますね。

悪のヒーローが誕生したのである。現実社会でも、ジョーカーは受け入れられ、誰にでもなれる可能性をも秘めている。社会から認められられず苦しみ、格差社会を恨む人たちにとってジョーカーはカリスマとなり教祖に成りえるかもしれない。正直、映画の後半は現実なのか空想の世界なのかが混乱して分からなくなりました。それほどまでに、この映画が訴えるメッセージが現実社会と重なってしまい衝撃的なのです。

これまでもジョーカーを描いてきた作品はたくさんありました。でもそこには正義のカリスマであるバットマンが存在して、均衡が取れていたのです。あの『ダークナイト』でヒース・レジャーが見事に演じたジョーカーですら、最後はバットマンに倒されるのです。でも、本作は、心優しい男が悪へと堕ちていき、悪のカリスマとなっていく過程のみ描かれています。そこに正義は全くなく正義を抹消してしまったようです。

映画は冒頭からラストまで、ずーーっとうす暗く、もの苦しく、何かどっしりとした重い感覚が付きまといます。アーサーへの仕打ちの数々が本当にひどすぎて目を背けてしまいたいくらい。重い感覚にプラスして、頻繁に発せられるアーサーの笑い声は、観終わった後も聞こえてくるほど印象的です。そしてアーサーのダンスも印象的でした。

そのアーサー&ジョーカーを演じるのは、ホアキン・フェニックスです。役作りのために約24キロの減量をしたその姿は、劇中で背中が写るシーンで見せる痩せ方は異常なほど。ヒース・レジャーもそうでしたが、何かジョーカーを演じるには命を懸ける宿命があるように思えてなりません。それほどジョーカーを演じるのは大変ですが、そこまで自身を追い込むべき魅力があるんでしょう。本作はまさに、度肝を抜くホアキン・フェニックスの狂気的な演技に尽きます。

本作を映画館で観たかったし、本当に観れて良かったですし、見事な映画だと思いました。今後数々の映画賞の受賞もされるでしょうね。ただし、個人的には、『ダーク・ナイト』のヒース・レジャーのジョーカーに軍配を上げたいと思います。その理由は、『ダーク・ナイト』は何度もジョーカーを観たくなりますが、本作はあまりにも重いストーリーに、二度は観れないと思ったのでした。

唯一この映画で救われたのは、バットマンの誕生を一瞬でも描いてくれていたことでしょう。あぁ、このままゴッサム・シティは悪の街になり果てるのか…。と思った瞬間に1つの光も誕生してくれたのです!

INFORMATION

英題 Joker
製作年 2019
監督 トッド・フィリップス
製作 トッド・フィリップス
ブラッドリー・クーパー
声優 ホアキン・フェニックス
ロバート・デ・ニーロ
ザジー・ビーツ
フランセス・コンロイ
ビル・キャンプ
シェー・ウィガム
配給 ワーナー・ブラザース
受賞歴 ベネチア国際映画祭金獅子賞
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