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「よこがお」のあらすじ・感想レビュー:ある女のささやかな復讐!

「よこがお」映画情報

よこがお 製作年:2019年
 製作国:日本・フランス
 上映時間:111分
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あらすじ

周囲からの信頼も厚い訪問看護師の市子は、1年ほど前から看護に通っている大石家の長女・基子に、介護福祉士になるための勉強を見てやっていた。ニートだった基子は気の許せる唯一無二の存在として市子を密かに慕っていたが、基子から市子への思いは憧れ以上の感情へと変化していった。ある日、基子の妹・サキが失踪する。1週間後にサキは無事に保護されるが、誘拐犯として逮捕されたのは意外な人物だった。この誘拐事件への関与を疑われたことを契機に市子の日常は一変。これまで築きあげてきた生活が崩壊した市子は、理不尽な状況へと追い込まれていく。

予告

映画データ
監督 深田晃司   
原案 Kaz
キャスト 筒井真理子
市川実日子
池松壮亮
受賞歴 -

「よこがお」感想レビュー

作品について

2016年にカンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞を受賞した、深田監督作品『淵に立つ』でも出演した筒井真理子が今回も監督とタッグを組み主演を務める映画です。製作国も同じく日本・フランス合作となります。

タイトルの“よこがお”とは、その半身は見えていても反対側の姿は見えない状態であること。「一度には見ることのできない人間の複雑な多様性を描きたかった」という監督の思いから付けらた邦題ということです。

主人公の市子がある事件をきっかけに、「無実の加害者」へと転落していく様子を描いた何とも言えないような映画であり、キャッチコピーは「ある女のささやかな復讐。」となります。その「ささやかな復讐」がまた考えさせられる要素ともなっていました。

感想

う~ん、この映画の感想難しいぞ!なかなか筆が進みません。なぜでしょうか?

序盤~中盤までは、なかなか難しい映画という印象。その理由は、ストーリーの時系列が2つあり同時(交互)に語られるのため、なかなか理解が追い付かず整理がつかないのです。

1つは過去の時系列です。主人公の市子が人生をどん底に突き落とされるまでの物語。もう1つは現在の時系列です。「ささやかな復讐」を実行している物語になります。途中まで理解が追い付かない理由は、途中まで、その復讐の理由が分からないからでしょう。そして市子の容姿が全く異なっている違和感の理由も分からないのです。

しかし2つの物語を描き、なかなか視聴者を理解をさせないのは監督の狙いでもあるのでしょう。そこが上述した、”よこがお”というタイトルを付けた理由なんでしょうから。

徐々に1つ結びついていく2つの物語と共に市子がおとしいられ変わっていく容姿や行動がこの作品見どころでもあり、180度人生を変えられた女性の生きていく強さや決意を感じる作品でありました。ラストで車のクラクションを鳴らし続ける市子のなにかを踏ん切りをつけた、強い姿が見えたのです。

本作の注目すべき点としては、社会問題にも切り込んだ作品というところもあります。まずマスコミのひどさがかなりダイレクトに描かれています。人権を無視した、その威圧的な態度の取材は観ていてホントに嫌気を覚えます。市子を「無実の加害者」に仕立てたのは完全にマスコミなのですから。現実のマスコミはそうなのでしょうか?きっと似たようなことは起きているんでしょう。単に視聴者は正確な情報を知りたいだけなのに視聴率や雑誌の売り上げのための取材も多いのではないでしょうか?

それをさらに受けるように日本社会の問題をも訴えた作品でもあります。被害者の家族を守られ、加害者の家族は一切守られないという現実。加害者の家族は耐え忍ぶしかないのでしょうか?こればかりは、その犯罪の性質にもよると思いますが、非常に難しいテーマだと感じましたね。

娯楽要素は特になく、あっと言わせるような盛り上がる展開もそこまでなく、観る方によっては退屈に思う映画かもしれませんが、なかなか考えさせられる「ささいな復讐」でありました。翻弄される市子を演じる筒井真理子の非常に体当たりな役柄も見どころの一つでしょう。

だいふく

難しい映画だったニャ!

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