「チョコレートドーナツ」映画情報
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あらすじ
カリフォルニアで歌手になることを夢見ながら、ショウダンサーとして日銭を稼いでいるルディと、正義を信じ、世の中を変えようと弁護士になったポール、そして母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコは、家族のように寄り添って暮らしていた。しかし、ルディとポールはゲイであるということで好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう。
出典:映画.com
予告編
作品データ
原題 | Any Day Now |
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製作年 | 2012年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 92分 |
監督 | トラビス・ファイン |
製作 | トラビス・ファイン クリスティン・ホステッター・ファイン |
脚本 | トラビス・ファイン ジョージ・アーサー・ブルーム |
メインキャスト | アラン・カミング ギャレット・ディラハント アイザック・レイバ |
受賞歴 | ・トライベッカ映画祭観客賞 ・シアトル映画祭観客賞 ・シカゴ国際映画祭観客賞 他多数 |
「チョコレートドーナツ」映画解説
数多くの映画賞を受賞した真実の家族愛を描いた作品なんだニャ!
作品解説
家族とは何か、愛とは何かを訴えた映画ですが、血のつながりのないダウン症候群の子供への無償の愛、そして男女でなく男性同士の同性愛を描いた映画です。
障がい者や同性愛者への差別や偏見を描いた作品ですが、今の時代でこそ少しその偏見は取り除かれつつあるんでしょうが、まだまだです。それが、本作が描くのは70年代なので、その時代の人たちからすると理解が出来ず変人扱いされる、それが真実の世界なのです。そういった中で、他人同士だった3人が、真実の家族の愛を守るために戦う映画であります。
そして、本作は全米中の映画祭で観客賞を総ナメにするという快挙を達成した映画でありますが、実話から生まれたと紹介しているのを見かけますが、似たような実話を参考にしてはいるらしいですが、実話から生まれたということまではいかないようです。
邦題の「チョコレートドーナツ」は良くできたタイトルなのですが、原題は、Any Day Now(いつの日か)です。主人公のディランがラストに歌う歌詞「Any day now, any day now, I shall be released.(いつの日か、いつの日にか解き放たれるだろう)」から引用されており、原題も素晴らしいと感じます。
出典:(C)2012 FAMLEEFILM, LLC
素晴らしい演技
とにもかくにも本作は俳優の方々の演技力が素晴らしいのです。
中でも、ルディ役のアラン・カミングの魂を揺さぶる演技力は見事としかいいようがありません。アランあってこそのこの映画だったともいえるでしょう。1998年のミュージカル「キャバレー」ではトニー賞主演男優賞を受賞した実力は、本作で演技と歌両方でも魅せてくれました。アラン・カミング自体もバイセクシャルということも公表してからの本作ということも意味があるのかもしれません。
時には母親となり、時には恋する乙女となり、歌手にもなりと色々な役割を果たしたルディですが、強くもあり優しくもある、本当に素晴らし人だと思います。ラストで熱唱する「I Shall Be Released」には、感動を覚えます。
マルコを演じるのは、実際にダウン症候群であるアイザック・レイバです。いや、素晴らしい演技でした。演技に興味を持ち始めたようですが、本作では同じ障がいを持つ人たちにも勇気も与えるのではないでしょうか。それほど凄い演技力だったと思います。
彼の演技で一番印象的なシーンは、自分の部屋を持つことができうれし泣きをしたシーンでした。もう、あの涙だけで今までの人生がどれほど辛かったのかが表現されていました。
「チョコレートドーナツ」感想・レビュー
"人生のベスト10"に入る映画でございます。お勧めの映画は何?と聞かれた時には、必ずこの映画をお勧めする程ですが、お勧めして観てもらった方全員が、良かったと感想を言うほどの映画です。観る人によっては人生をも変えてしまうような映画であるかもしれません。学校の差別に対する教育映画としても流すべきと思える程ですね。
初めて鑑賞し観終わった時は、しばらく動けずに感傷に浸るしかなかったことを覚えています。本当の家族とは本当の愛とは何なんだろう。ラストの結末には、胸が締め付けられる思い出いっぱいになりました。なぜ、こんなにも優しいく温かい人たちが幸せになれないのだろう…、なぜ幸せな家族になれないのだろう…。悔しさすら覚えてしまいます。
マルコの事なんかどうでもいい大人たちの、偏見と差別はいったい何なのだろうか。本当の親でない同性愛者ということだけで、なぜ裁判でそこまでする必要があるのだろうか。特にポールの上司の行動の意味が分からなかったです。
出典:(C)2012 FAMLEEFILM, LLC
ルディが言いました。
「一人の人生の話だぞ、あんたらが気にも留めない人生だ!」
ポールも言いました。
「この世界中で誰も彼を求めていない、私たち以外は。私たちは彼が欲しいんです。彼を愛しているんです。」
言葉が深く響きます。ほんとです、なんでマルコの幸せを第一に考えてあげ無いのだろうか…。本当の母親の元に戻されるマルコは何度も言うんですよ!
「ここは、おうちでない。」
と。。。なのに、なぜ…。
本作は、このように胸に刺さる名言が本当に多かったと思います。1つ1つの言葉が深く全てに意味があります。ルディが歌う歌詞ですらも。
本当に心に残る映画でした。何度みても涙がこぼれます。ただ、本作を観て思ったのは、現代社会でも問題となっている子供への虐待から守ってあげれないのと一緒ですよね。結局、昔も今も変わっていないのかもしれないと、思わせてくれる映画でもありました。
悲しくて放心状態になるけど心に残る良い映画だったニャ!
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