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「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」映画情報
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:169分
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あらすじ
小さな田舎町で再び連続児童失踪事件が起こり、「COME HOME COME HOME(帰っておいで……)」という、「それ」からの不穏なメッセージが届く。幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った約束を果たすため、町に戻ることを決意するが…。
予告
映画データ
原題 | It: Chapter Two |
監督 | アンディ・ムスキエティ |
製作 | バルバラ・ムスキエティ ダン・リン ロイ・リー |
キャスト | ビル・スカルスガルド ジェームズ・マカボイ ジェシカ・チャステイン ビル・ヘイダー イザイア・ムスタファ ジェイ・ライアン ジェームズ・ランソン |
受賞歴 | - |
「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」感想レビュー
作品について
オリジナルは子供の頃トラウマになった映画にゃ
スティーブン・キングの小説「IT」の映画化となります。オリジナルとしては劇場の公開は無いのですが、1990年にテレビミニシリーズ版として放映され、日本でもテレビで放映されました。オリジナルの感想レビューも書いていますのでよろしければ見てください。
その後、2017年に新鋭アンドレス・ムシェッティにより、前編を映画化リメイク。邦題は「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のタイトルで上映し、なぜか学生たち若い層からも支持され、当時の映画館は若い人たちであふれかえっておりました。全世界でも伸びて、たちまちホラー興行収入歴代No.1に輝くという快挙を築きあげています。
本作はその続編にあたります。
人間の弱さに付け込む不気味なピエロのペニーワイズに悩まされる人たちを描き、前編は幼少時代、本作の後編が大人になった現代を描き、前編ではいじめっ子に立ち向かいながら、ペニーワイズの恐怖に立ち向かう、ルーザーズクラブを結成した7人の友情、後編ではもし。「IT」が生きていたら、再集結するという約束の元27年の歳月の末、ペニーワイズが復活したというシーンから始まります。
キャストについて
ピエロのペニーワイズを演じるのは、スウェーデン出身のビル・スカルスガルドです。いや~この顔は怖すぎる!もちろんCGを駆使していたりしますが、もう顔面狂気としか言いようがありません。すっぴんの彼は結構イケメンなんですが、この映画でペニーワイズのピエロの顔が染みついてしまいました。この後の出演映画は大丈夫かしらと心配になりますが、顔の恐怖で一躍世界的に有名になったことは間違いありません。
ルーザーズクラブの面々もホラー映画とは思えないほど豪勢な顔ぶれでした。特にジェームズ・マカボイとジェシカ・チャステインの「X-MEN」出演コンビの出演には驚きです。メジャー俳優といってよい二人が、正直ホラー出演するとは思っていなかったですし、劇中での血まみれ、水まみれ、もちろんの体当たりな汚れ演技だけでも、見る価値があります。
余談となりますが、個人的にジェームズ・マカボイが涙ぐむ姿が好きなんです。涙はこぼれてはいけないです、こぼれずくらいの瞬間。本作でも何度か出てくきますので注目です!!!
感想(オリジナルとの比較)
率直な感想は、怖くはなかった!良い意味でも悪い意味でも、楽しかった!でした。
前作の超絶ヒットでの儲けがあったせいでしょうか!?ものすごくお金をかけた豪華なホラー映画という印象で、いまだかつてここまでお金をかけたホラー映画ってあったのかと思えるくらいの満腹感。
ピエロだけに、まるでサーカスや遊園地を体験しているのかと錯覚するほど、様々なホラーシーンがせわしなく繰り広げられるため、ホラーアトラクションに乗っているような気分になります。
精神的恐怖ではなく、視覚と聴覚での恐怖でもあるため、へんてこなモンスターやCG、要所要所の爆音やらが目白押しで、ドキッっと驚くことはあっても、心底震えるような怖さは余りないのです。
ドキッなシーンも音には驚くのですが、ホラーお約束の来るぞ来るぞ~!なんでそこ開ける!なんでそこに行く!なシーンが沢山あるのですが、ちゃんとお約束通り来ます!なので途中からそういったシーンでは、ドキドキせずもうお約束通り来る!と思って鑑賞すれば、なんだか楽しく感じれるのでした(笑)
ラストのペニーワイズとの闘いは、ものすごく忙しい。次から次へとルーザーズクラブのメンバーに襲い掛かる恐怖体験は、アトラクションそのものでした。(顔に脚がはえたモンスターは「遊星からの物体X」を意識したの???)
ということで、ここからはリメイク版の本作(以降本作と書きます)と1990年オリジナル版(以降オリジナルと書きます)との比較をしてみましょう。
【ピエロ:ペニーワイズ】
どちらも怖かった!本作はCG頼りがあるので怖いのは当たり前ですがビル・スカルスガルドの顔面狂気が秀逸であります。一方、オリジナルは不気味さが断トツです。ピエロがトラウマとなってしまう社会現象が起こる程でしたから。
強さで比較すると、確実に本作のペニーワイズの方が強かったと思いますね。オリジナルのラストは、あらら…な展開弱っちかったですし、後編版は大人のルーザーズクラブを逆に怖がって退けようとしていましたし。
命を狙う対照が、オリジナルは子供に対して、本作は大人も対象(一番最初の犠牲者の事)なんですよね。そこは少し疑問に感じました。
【ルーザーズクラブの友情】
「ITイット」の良いところは、なんといってもルーザーズクラブのメンバーによる友情と甘酸っぱい恋愛でもあります。これに関しては、私はオリジナルの方が良かったです。幼少時代の関係をしっかり活かしながら、深い絆がしっかり描かれていたと思います。今現在の、彼らが社会生活で置かれた立場もちゃんと絡めて描いていました。
一方、本作では第一が恐怖体験がテーマです。もちろん友情や恋愛も描いているのですが、なんだかおまけのような感覚を受け、仲間たちの絆や友情、恋愛が薄っぺらく感じてしまいます。現在の社会生活の置かれた彼らの立場も冒頭でこそ出てきますが、以降は関係なかったと思える描き方。特に唯一の女性ベバリーが暴力旦那に怯えている事は、物語の恋愛心理のキーともなるはずなので、余り描ききれていないのは残念でした。
【物語の展開】
基本は両者同じ展開です。しかし、本作は儀式的な要素を入れ込んでしまったため、かなり違和感を覚えました。「IT/イット」の物語の展開からして、それは違うんじゃない!?なんだか安っぽく感じてしまうのです。
もう一つ残念だったのは、幼少時代いじめていたグループのリーダーのヘンリーが精神を病みつつもペニーワイズに操られ、復讐にくるシーンがありますが、オリジナル観ていない人意味わかったでしょうか???結構大事な悪役だと思うので、もう少ししっかり描いてほしかったのが正直なところです。
ただ、本作で良かったのは、唯一ルーザーズクラブで恐怖に負け戻ってこれなかった、スタンリーの存在です。オリジナルでは残念な結果になりましたが、本作も彼自身の運命は同じですが、物語の最後の最後までキーになる存在に仕上げています。やっぱり7人でルーザーズクラブという印象が残り、ほっこりさせてくれました。
【映画時間】
本作に関しては、ながーーーーい!長すぎるが印象です。後編だけで169分です(前編は135分)。要らないシーンもたくさんあったし、それだけ尺あるなら上記で述べてきたもっと描かないといけない事が描けたはず。オリジナルは前編+後編で187分なので、約1.5倍です。いかにリメイク版は恐怖体験に時間を割いたということが分かりますね。
【総合】
リメイク版もオリジナル版も面白かったし良かった!が率直な感想です。
どちらが好きかで言うとオリジナル版が断トツとはなりましたが、懐かしの映画をリメイクしてくれたことで比較ができて良かったですし、リメイク版は脚本を色々変えがちですが基本路線はほとんど変えてきていないところが好印象でした。そのおかげか、改めて、オリジナル版の良さも知ることもできたのも収穫であります!
ピエロが引き起こした、社会現象ホラー楽しませてもらったにゃ~!