「ザ・フライ」映画情報
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あらすじ
科学者のセスは記者のベロニカに開発中の物質転送装置を公開する。生物の転送実験で失敗が続くが、やがてセスは自らの体を転送することに成功。しかもその後、彼の体には驚異的な活力が備わる。セスは、転送装置に一匹のハエが紛れ込んでいたこと、そしてそれが転送後にセスの体と遺伝子レベルで融合したことを知る。彼の肉体はみるみる変化し、ついには惨たらしい姿に…
出典:映画.com
予告編
作品データ
原題 | THE FLY |
---|---|
製作年 | 1986年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 96分 |
監督 | デビッド・クローネンバーグ |
製作 | スチュアート・コーンフェルド |
脚本 | ジョルジュ・ランジュラン |
メインキャスト | ジェフ・ゴールドブラム ジーナ・デイビス ジョン・ゲッツ |
受賞歴 | ・アカデミー賞メイクアップ賞 |
「ザ・フライ」映画解説
人間と蠅が遺伝子レベルで融合してしまう映画だニャ!
作品解説
1958年に公開されたホラー映画『ハエ男の恐怖』のリメイク作品で公開時のコピーは「Be afraid. Be very afraid.(怖がってください・・・とても、とても怖がってください・・・)」でした。
オリジナルは、蝿男&人間蝿と2つの生命体に分かれたのですが、本作は遺伝子レベルで融合した1生命体が誕生するという違いがあります。また、物質転送の研究者が、実験中のアクシデントにより悲劇に見舞われるというストーリーはオリジナルと同じですが、本作では、徐々に変化してゆく主人公と周囲を取り巻く人の苦悩を時系列に沿って追っていく仕上がりにもなっています。
監督は、数多くの個性的な作品を世に送り出してきた、デビッド・クローネンバーグですが、本作は監督作品の中で最大のヒットとなり、その独特なハエ男になっていく男の異形描写にてしアカデミー賞特殊効果賞を受賞した。ちなみに本人も産婦人科医役でカメオ出演しています。
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【オリジナル】
【続編】
用意された2つのエンディング
本作は、劇場版のほかにもう一つエンディングが用意されていたようです。
まず、本作はベロニカがウジ虫を出産するシーンがありますが、代わりに蝶の羽が生えた赤ちゃんを生む展開になっていたそうです。
そのラストに異なる2つのエンディング用意されており、一つはウジ虫を出産する悪夢を見た彼女が、まだ赤ちゃんがお腹にいると知って安心するバージョン、そしてもう一つは彼女の出産について曖昧に描かれています。
2つのエンディングパターンとも科学雑誌の編集長が、「それは僕との赤ちゃんだから安心して」と悪夢を見たベロニカをなだめるシーンで終わっていたとのことです。
劇場版のラストとは全く違うのには驚きですが、やはり劇場版を選んで正解と思わされるばかりです。
「ザ・フライ」感想・レビュー
結末が予測できるネタバレ度
デビッド・クローネンバーグ監督作品は大好きで、ほとんどの作品鑑賞していますが、その中でも本作が一番好きです。ホラー映画ではありますが、ヒューマンドラマでもあります。蠅化していく科学者の苦悩とその周りの人間達の苦悩が単純にホラーと言い表せないくらい悲しいストーリーなのです。いや~この映画本当に名作だと思いますよ。
自分の体が、どんどん退化し蝿に変化していく姿に苦悩する科学者セス。そもそも蝿男になってしまうきっかけは、単なる嫉妬心だけから来たもの。どんなに醜い姿になっても彼を案じ続ける恋人ヴェロニカ。彼女はセスの子供を身ごもってしまったと分かった時、恐怖に怯えるのです。
ブランドルフライの新生命体が誕生!しかし、どんなに醜い姿になろうとも、最後まで心は蝿ではなく人間のままなのが辛い。見るも無残な姿になったセスは、ヴェロニカが持つ銃を自らの頭に当てて殺してくれと要望する姿は、自分の犯してしまった過ちに許しをこう姿にも見えます。なんだか、切ないシーンでもあります。
が、しかし、感動映画と思ったら大間違いで痛い目にあってしまうのです。
アカデミー賞メイクアップ賞を受賞した、そのSFX(特撮)技術はものすごいものでした。いや、もうねグチャドロと言う表現がぴったしで、ある意味芸術の域に達していると思えますが、遺伝子レベルで蠅と融合してしまったわけですから、容姿、雰囲気は抜群に特異な存在となり、蝿に変貌していく過程での、皮膚がとろけ、耳がもぎ取れ、爪が剥がれ落ちる映像は、まさに見事な演出にして技術。吐き気を覚えるほどです。その強烈なグロテスク姿はトラウマ必死です。
その強烈なグロテスク姿が大丈夫な方は、本当に観てほしい名作映画です。
人間って、弱いね・・・
と感じさせてくれる、秀作でした。
グチャドロなのに泣けるラストシーンなんだニャ~
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