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「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」映画情報
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あらすじ
米国空軍のリッパー将軍の指示でソ連に向けて核攻撃が開始される。英国空軍のマンドレーク大佐が爆撃機の撤退を説得する一方、ソ連は核爆発によって誘発される地球破壊装置の存在を明らかにする。
出典:映画.com
予告編
作品データ
原題 | Dr.Strangelove: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb |
---|---|
製作年 | 1964年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 93分 |
監督 | スタンリー・キューブリック |
製作 | スタンリー・キューブリック |
原作 | ピーター・ジョージ |
メインキャスト | ピーター・セラーズ ジョージ・C・スコット スターリング・ヘイドン テイラー・ヒックソン |
受賞歴 | 英国アカデミー賞 作品賞 ヒューゴー賞 映像部門 ニューヨーク映画批評家協会賞 監督賞 |
「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」映画解説
冷戦中真っ只中に、戦争を皮肉った挑発的な映画を紹介だニャ!
作品解説
この映画が製作されたのはキューバ危機の2年後、米ソ冷戦真っ只中の時代となります。スタンリー・キューブリック監督が描くのは、戦争という現実をブラックユーモア満載で皮肉たっぷりに風刺を利かた作品です。偶発的な原因で核戦争が勃発し人類滅亡にいたる様子をコミカルに描くも、当時の時代感を考えると全く笑えない、恐ろしい作品ともいえます。
まさしく映画をもってして、戦争に対し痛烈に批判を伝えた勇気ある作品ともいえるでしょう。これだけ風刺を利かせ、戦争を動かそうとした映画は今後出てこないのではと思いますが、本作は映画でも世界を動かす力があることを証明した作品とも言えるでしょう。
邦題について
まず本作で一番ん驚くのは、邦題がありにも長いことでしょう。邦題最長の映画とまではいかないようですが、それに近しいものがあります。
ただ邦題に関して隠されたエピソードもあります。原題のDr Strangeloveは実際に映画で登場する博士の名前なのですが、邦題に訳すときにstrange love(異常な愛)と間違ったため邦題は誤訳と当時は言われていました。
しかしながら、実は意図的であったと言うことが分かっています。確かに、ストレンジラブ博士と訳すより、博士の異常な愛情と訳した方が、鑑賞者は興味を惹かれるでしょうから、案外適訳だったかもしれないですね。
一人三役の演技
なんといっても俳優ピーター・セラーズの一人三役の演技(大統領、マンドレイク大佐、ストレンジラヴ博士)が光ります。
実は水爆と一緒に落ちていくシーンのキングコング少佐も演じる予定だったとのことですが、足を怪我してできなくなったということです。しかし、怪我の功名といいますか、怪我のおかげでストレンジラブ博士の独特な動きとキャラ感が出来上がったのでした。
「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」感想・レビュー
司令官ジャック・リッパー将軍が精神に異常をきたし、ソ連への水爆攻撃を命令してしまい、ソ連側が保有している核の自爆装置は水爆攻撃を受けると全世界を破滅させてしまうという、とんでもない物語なのですが、両国首脳は、会議室で最悪の事態を防ぐために悪戦苦闘をするという、当時を思えば現実であり得る可能性もある怖い物語です。
たがしかし、本作完全にコメディタッチなのです。会議室の場面がホント皮肉たっぷりなコメディ具合です。水爆攻撃を機にソ連をつぶそうと考える将軍ですが、大事な時期に愛人から電話がかかってくるという緊張感の無さであったり、危機的状況であろうともいがみあう両国の代表者で、冷静と思われる大統領同士の電話でさえコミカルに描かれるというブラックコメディ具合です。
そうなんです、何十億人いや地球人類の全ての命は、この緊張感が無い人間達に握られているという驚愕のシーンなのです。ホント観ていてガックシな気持ちになります…。映画の冒頭では、アメリカ空軍が「映画はフィクションであり、現実には起こりえない」とコメントが入るのだが、映画のノリからするとそれさえも風刺と思えてしまう程です。
ストレンジラブ博士による、世界が破滅した後の人類の生き残り計画がこれまた突拍子もないのです。選抜された男性と性的魅力のある女性を1:10の割合で地下の坑道に避難させ核が消える100年後まで生き延びるというもの。妄想かも分からない計画に、権力者達は魅力高い女性が多いという事実に喜ぶ者まで出る始末です。いや~呆れてしまいますね。
出典:映画.com
その直後に淡い曲と水爆のきのこ雲の連続するシーンが映し出され、なんとも言えない気持ちで映画は終わってしまうのでした。これから核戦争がはじまってしまうんだと言わんばかりに…。
ちなみにラストシーンでは、ソ連の大使館が会議をカメラで隠し撮りしているのですが見つかってしまい、パイ投げが始まるというラストも撮られていたみたいなのです。水爆シーンの中、パイ投げ…。さすがにブラックユーモアの度を過ぎたと感じたのか、カットされたようですがね。
両国の権力者のドタバタをよそに、命令のために意地でも水爆を落とすため命を懸け水爆と一緒に落ちていくキングコング少佐の姿が妙に印象が残る映画でありました…。
コメディなのに凄い映画観た感覚だニャ!
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