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映画「ドッグヴィル」あらすじ・感想レビュー:異質な舞台で人間の本質を描く!

「ドッグヴィル」の映画情報

ドッグヴィル

上映日:2004年02月21日
製作国:デンマーク
上映時間:177分
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STORY

アメリカ・ロッキー山脈の村に、ひとりの女グレースがギャングに追われて逃げ込んでくる。初めは彼女をいぶかしむ村人たちだが、2週間で村人全員に気に入られることを条件に村に留まることを承認。献身的な肉体労働をこなすグレースだが、警察に手配されていることが発覚し、事態は急転する。

TRAILER

REVIEW

あの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で救いようの無いラストを見せ付けた、ラース・フォン・トリアー監督の奇才と呼ばれるのには、ふさわしい代表作。床に白い枠線と説明の文字を描いて建物の一部をセットに配しただけの倉庫のような舞台のみで撮影され、ナレーションにより登場人物の心理を説明していくという実験的な作品。

「機会の土地-アメリカ」三部作と称し、本作→『マンダレイ』(公開)→『ワシントン』(未発表)と続きます。

はい、物語の舞台は、たったこれだけ!

ドッグヴィルの舞台

最初は、この白線のみの舞台に違和感を感じずには居られません。「舞台じゃないよね、映画だよね!?」という場違いな感覚が漂います。この異常な環境と約3時間と言う長丁場に観ていられなくて挫折する人も多いでしょう。でも、私は観ていくにつれ、この舞台が自然となじみ、いつの間にか物語りに引き込まれていました。余計な物がない分、登場人物の心理や様子がはっきりと分かることが出来るのです。

しかし、物語に引き込まれるにつれ、苦しい気持ちが徐々に大きくなってしまいます。観終わった後、ドシーンとくる嫌な気持ち・・・。人間と言う生き物の嫌な部分をはっきりと見せ付けられることへの不快感を耐えるだけの気持ちがないと、この映画はラストまでたどり着くこともないでしょう。ラース・フォン・トリアー監督やっぱり、やりやがったと…。

部外者に対する村人の気持ちの変わりようが怖くて非常に憎たらしい!村になじむために一生懸命人々に尽くす部外者のグレースを、徐々に受け入れて感謝までする村人を見て、なんていい村なんだろうと、ほほえましさが前半。しかし、平和は一瞬でしかないのです。慣れからくる苛立ち、従順な者への制圧欲、弱いものへのいじめ、という人間の間違った心理は村人をすぐに支配していきます。グレースは、村にとって都合の良い奴隷(ペット?)となってしまうのです。

グレースは美しすぎました。この小さな閉ざされた村には、彼女はやっぱり部外者でしかなかったんですね。そして、グレースの綺麗な心が余りにも痛々しい。決して村人を悪者扱いしない純粋な心が逆に罪だったのかもしれません。また、綺麗過ぎた心が故に、最後の彼女の決断が下ってしまったのでしょう。

グレース役のニコール・キッドマンですが、めちゃくちゃ綺麗で美しいです。長丁場を耐えられた理由として、彼女の美貌という理由も少なからずあるかもしれません。だからこそ彼女の美貌が村への違和感に感じられるし、村=田舎に対し、グレース=都会を象徴するにはもってこいでした。

賛否両論の映画ですが、私はものすごい作品だったと思います。

ですが、もう一度観るか?と言われたら、間違いなく遠慮しますと答えます。

INFORMATION

英題 Dogville
製作年 2003
監督 ラース・フォン・トリアー
製作 ヴィベク・ウィンドレフ
出演者 ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
クロエ・セビニー
ローレン・バコール
パトリシア・クラークソン
ステラン・スカルスガルド
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
受賞歴 ボディル賞 デンマーク映画賞
ヨーロッパ映画賞 撮影賞
ヨーロッパ映画賞 監督賞
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