金亀山極楽寺三学院の文化財展に訪問したので紹介しますます。
地獄変相図怖かったニャ!
埼玉県蕨市立歴史民俗資料館で2021年10月30日~12月19日まで行われている、三学院指定文化財展に行ってきました。展示している、地獄変相図見たさが目的です。
金亀山極楽寺三学院とは
蕨市にある、金亀山極楽寺三学院は、京都の新義真言宗智山派総本山智積院の末寺で、平安時代の創建と伝えられてます。
立ち寄って写真撮ってきましたが、非常に立派な寺院でした。
三学院には、多くの文化財が残されており、現在16点が市の文化財に指定されているようです。蕨市公式ウェブサイトの三学院のページに紹介されていますので、興味ある方は見てください!
その文化財の中から、令和2年に新たに指定された、「紙本著色釈迦涅槃図」「紙本著色地獄変相図」「宋版大般若波羅蜜多教」に加えて、徳川歴代将軍が発給した「徳川将軍家朱印状」が併せて、埼玉県蕨市立歴史民俗資料館に展示されました。
この文化財は普段は見学ができないものになりますので、今だけ公開という貴重なものであります。
紙本著色地獄変相図の紹介
ここからは、一番のお目当てであった、「紙本著色地獄変相図」を紹介します。文化財と言っても、さすがは地獄絵図です、かなり衝撃的でした。
2幅(右幅と左幅)で構成されており、右幅上部から始まり左幅上部で終わっています。右幅:縦130cm×横115cmで左幅が縦130cm×横114cmの大きさ。江戸時代後期で作者不明です。
地獄図は、兵愛時代の中期の天台宗の学僧・恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が記した「往生要集」を基に、生前に悪行を重ねた者が死後に堕ちる地獄の様子を描いています。
地獄変相図右幅
写真OKでしたので撮影してきました。
右上に見えるは、死天山。予想するに死後に閻魔の裁きを受けるために並んでいるように見えます。
その死天山の下に見えるのが閻魔庁です。死後に来るところで生前の罪を裁かれ、罪の重さによって、堕ちる地獄が決まります。
左上は、火車で悪行を積み重ねた末に死んだ者の亡骸を奪うといわれてますね。
火車の下が、刀葉林です。葉がすべて刃物でできており樹を上り続ける責めの苦で、樹上にいる美女を求めて登ると、今度は美女が樹下に降り、永遠にたどり着けず、亡者は体を切り刻まれ続けます。
刀葉林の下は、血の池地獄です。女性が出産などに伴う出血のために堕ちるとされた地獄です。阿弥陀如来が現れ、慈悲を受ける女性が描かれてます。
血の池地獄の下は、暗闇の地獄でしょうか?その右が亡者が蛇に巻かれてますね。さらに右は、餓鬼でしょう。餓鬼は、常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうので、決して満たされることがないと言われています。
地獄変相図左幅
左幅はかなり残酷な描写が…
右下に描かれるは、賽の河原で子供の亡者が苦を受けるとされています。父母の供養のために石を積んで塔を作ろうとすると、鬼が石の塔を崩してしまい、また初めからになります。
賽の河原左に描かれるのは詳しくは分からないのですが、鳥と血がでた亡者がいますね。
その上に描かれているのが衆合地獄でしょう。一番悲惨な様子が見えます。それもそのはず、殺生・邪淫を犯した者の落ちる所です。鬼に女性が股裂の様子が見えますね。臼に入れられ擦りつぶされます。亡者は蘇り、責め苦が繰り返されるという地獄です。
右隣には、焦熱地獄があります。亡者が煮えたぎる釜で煮られます。釜の下にくべられるのは、薪ではなく亡者なのです。
衆合地獄の上に描かれるは、修羅です。阿修羅が住み、終始戦い争うために苦しみと怒りが絶えない地獄です。絵では戦をしている様子が描かれていますね。
修羅の右は、畜生です。鳥・獣・虫・魚などの全ての人間以外の動物のことを言いますが、悪業の報いとして死後に生まれ変わります。
最後に一番上に描かれるは、阿弥陀三尊の来迎が描かれてます。亡者が極楽浄土へと救済される場面が描かれています。
以上が、紙本著色地獄変相図の紹介となります。
なかなか衝撃的ではありますが、仏教で生前に罪を犯すと地獄に落ちるという教えがはっきりと分かる図でしたね。(子供の教育にも使えそうです)
場所の紹介
金亀山極楽寺三学院
住所:埼玉県蕨市北町3丁目2番4号
最寄り駅:JR京浜東北蕨駅からバス16分
埼玉県蕨市立歴史民俗資料館
住所:埼玉県蕨市中央5丁目19番3号
最寄り駅:JR京浜東北蕨駅からバス16分
最後に
当ブログでは、「こわいものみたさ」で行く博物館や美術館紹介をしています。目黒寄生虫館やシリアルキラー展(展示は終了)やミイラ展(展示は終了)の記事もありますので、興味ある方は是非一緒に読んでみてください!
今後も、面白い博物館や美術館などありましたら、訪問して紹介記事にしていきたいと思います!