「ゼイリブ」映画情報
製作年:1988年
製作国:アメリカ
上映時間:94分
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あらすじ
仕事を求めて町に流れ着いたネイダは、ホームレスのためのキャンプで寝泊りするようになったのち、教会でサングラスを発見。そのサングラスを通して見えたものは、人間になりすまし、町を支配していた奇怪な侵略者の姿と、至るところに隠され、人間を操っていた洗脳標識だった。恐るべき真実を知ったネイダは侵略者と戦うことになるが…。
予告
映画データ
原題 | They Live |
---|---|
監督 | ジョン・カーペンター |
製作 | ラリー・J・フランコ |
主なキャスト | ロディ・パイパー キース・デビッド |
受賞歴 | - |
「ゼイリブ」感想レビュー

今回は、1980年代を代表するSF映画を紹介します。社会風刺をきかせた面白い作品です。

サングラスがキーになっている作品なんだニャ!
作品について
『ハロウィン』や『遊星からの物体X』で一躍有名になった、奇才ジョン・カーペンターによるSF映画です。1980年代のアメリカで蔓延した、人々の強欲や、金持ちであることを見せびらかすため、商品や情報を無駄に消費する行為に対する批判や特権階級の人々がメディアを悪用し洗脳し社会を専制的に支配していることに対する警告が織り込まれている作品といわれています。
タイトルは、邦題だと分かりにくいのですが、原題だと、THEY LIVEなので、「彼等は住んでいる(生きている)」という意味です。サングラスをかけると、街の景色が何やらいつもと違って見え「命令に従え」「消費しろ」「権力に従え」などの言葉が見えてしまい、さらには裕福そうな人々の大半は骸骨のような恐ろしい顔をしたエイリアンだったという斬新な映画となっています。
主演は80年代の全米人気プロレスラーのロディ・パイパーです。劇中でもこれでもかっていうくらいの物語い関係ないプロセスシーンが登場します。サングラスをかけさせたい主人公ネイダ。サングラスをかけたくない同僚のフランクの男の戦いですが、全くストーリーとしての重要性は無いのですが、両者の「かけろ」「かけない」の喧嘩が、ものすんごく長く激しく、ボッコボコに殴りい蹴りあい、しまいにはプロレス技まで飛び出す始末で、観ているこちらが冷汗が出てくるほどの無駄シーンでした。
感想
現実社会の問題をすべてエイリアンの陰謀説として映画いている面白い作品です。エイリアンに人間が洗脳されているという設定もそうですが、サングラスをかけることで真実が見えるという設定が、傑作といえますね。
映画での社会問題は、どんなに働こうがいつまでも這い上がることのできない貧困民。かたや自分達の富のため貧民を奴隷のごとく扱いさらなる富を得ては消費には走る金持ち達。縮まることが無い両者の差…。
その真の理由を知っている、警告を発しているのが自由教会という名の集団です。主人公ネイダは、不当な解雇や労働をさせられながら行き着いた先は、その不思議な協会との出会い。そして、ネイダが手にしたものは、かけることにより世の中がガラッと変わってしまうサングラス!でした。
サングラスを手に入れた瞬間から見える景色、文字全く異なり、挙句の果てには人間の中に奇妙な顔の生物となり、一気にコミカルかつエキサイティングな展開になり物語が面白くなります。人間に紛れ込んだエイリアン、富のためにエイリアンに従う洗脳された人間達。まさしく、反乱軍とエイリアン&味方する人間との戦いとなり、アクション映画さながらの銃撃戦も見所でしょう。
映画ではエイリアンの陰謀という設定を使っていますが、サングラスをかける=ものの見方を変えるにもつながり、社会に対して物の見方を変えて考えろ!というメッセージ性も感じます。そして、この映画は1980年代の映画ですが、このメッセージ性や社会風刺は、現代社会にも言えることじゃないかなとも思えるのです。
ラストは、自らの命をかけ真実を伝える選択したネイダですが、エイリアンに騙されてきた人々は、果たして気づいてくれるのか!?っという見どころがありますが、当時鑑賞した時は、ラスト結構衝撃でしたよ。
さて、日本ではどうでしょうか?毎日遅くまで残業して働き続ける人たち。コロナ禍の中でも満員電車に揺られ出勤しないといけないサラリーマンたち。家族と過ごす時間までもを犠牲にし一生懸命働くことが正しいことだと洗脳されているのかもしれない…。

あなたの上司はエイリアンじゃないかニャ???
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