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映画「サンゲリア」のあらすじ・感想レビュー:ルチオ・フルチによる亜流ゾンビの傑作!

 

サンゲリア

サンゲリア

「サンゲリア」映画情報

あらすじ

ニューヨーク湾を漂流するヨットの船底から、全身腐乱の奇怪な男が現れ警官を噛み殺す。事件の謎を追い、新聞記者のウエストとヨットのオーナーの娘アンは、アメリカ人カップル、ブライアンとスーザンのクルーザーに同乗しカリブ海のマツール島へ向かう。しかし目的地の島では、死後に甦り人を襲うという奇病が蔓延し、メナード医師が1人原因究明の研究を続けていた。やがて、島へたどり着いた一行を墓地から甦った死者たちが襲い、スーザンが殺される。ウエストら3人は、メナード医師の診療所に立てこもり、火炎瓶を作って襲い来る死者の群れを迎え撃つ。

予告編

作品データ

原題 ZOMBIE
製作年 1979年
製作国 アメリカ・イタリア
上映時間 91分
監督 ルチオ・フルチ
製作 ウーゴ・トゥッチ
ファブリツィオ・デ・アンジェリス
脚本 エリザ・ブリガンティ
メインキャスト イアン・マカロック
ティサ・ファロー
リチャード・ジョンソン
受賞歴 -


 

「サンゲリア」映画解説

だいふく

亜流ゾンビ映画の名作だニャ!

作品解説

「ゾンビ」は数ありますが、本作は亜流ゾンビ映画と言って間違いないでしょう。亜流ゾンビも数多くありますあが、その中では傑作ともいえる出来栄えでした。これまでのゾンビ映画ではなかった、特殊メイクでリアルに醜く腐乱させたことでも注目され、フルチ監督と特殊メイクを担当したデ・ロッシの名を高めるきっかけにもなりました。

 

本作は、ルチオ・フルチ監督(以降、フルチおやじと明記)をグロ映画の人生に走らせた映画でも有名です!本作以前は、正当な映画を撮っていたフルチおやじですが、「サンゲリア」のヒットで気を良くして、死ぬまでグロ一直線を突っ走るということに。皮肉なことに、以降本作を超える作品は産まれなかった…。

 

原題は、「ZOMBIE」なのですが、邦題は「サンゲリア」と付けられました。流血を意味するイタリア語Sangueをもとに、配給の東宝東和が同社の大ヒット作「サスペリア」風に語尾変化させて作った造語となります。

サンゲリアの楽しみ方

真面目に観たもの負けの本作は、ゾンビ映画のハチャメチャっぷりを楽しむべき!ということで、楽しむべきツッコミどころを5つばかり紹介してみましょう!紹介した以外にもたくさんの楽しめる要素があります。

①ゾンビVS鮫

なんでやー!って声が聞こえてくる伝説シーン。す、水中にゾンビですって!?しかもゾンビVS鮫って…。それにいい勝負じゃぁないか! ゾンビファン唖然の名場面です。そして決着も分からずにストーリーは気にせずに続くという…。

②お目目ぐっさり

ゾンビに襲われ、頭つかまれなぜか木片に目がぐっさりシーンです。普通のゾンビなら自分が食いに行くところしっかりお手手で髪をつかんで引き寄せるという高等テクニック!

ただですよ、木片がペラッペラなんですよ。なのでね、手を使ってこんなペラペラな木片どけんしゃい!って思うのですが、がっつりとしっかりと刺さりにいくところ見れます。お姉さん、絶対目閉じないしね。刺さる気満々!

③要所要所のおっぱいどこ

ダイビングに行くのになぜトップレス?しかも見知らぬ人の前で淡々とおっぱい丸出し。シャワーシーンもありで、無駄におっぱいどころがあります。男性諸君の心もわしづかみ!

④地中からばっちぃゾンビ

休憩場所に選んだところは、400年昔からある墓地だった。って、なんでね400年間眠っていたゾンビが今になって這い出すのよ・・・。そればかりか、ゾンビの顔は蛆だらけ。これでもか~って、バッチイです。お下劣ゾンビ、No.1です!

⑤なんて無駄なゾンビ退治

ラストは、ゾンビと火炎瓶で戦いますが、無駄に火炎瓶投げる投げる。しかも同じゾンビばっかり被害受けてる気がする。投げても投げても大爆発の割にはあんまし燃えていない映像だし。しかも、がんばって戦った割りには、いとも簡単に囲まれた家から逃げ出す主人公達です!

「サンゲリア」感想・レビュー

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ひたすら残酷グロ映像に命を描け、内容が薄い映画をとり続けたフルチおやじ。でも、なぜ日本のホラーマニアファンからこんなに愛されているのでしょうか?

それは、上述したように憎めないほどのツッコミどころ満載な映画を作ってくれるんです。確実に他の監督が作ったら批判の嵐なところを、フルチおやじだから許せてしまう!といった感覚ですね。

 

サンゲリアは特にツッコミどころ満載で、もう観ていてその飛びぬけっぷりには、怖いではなく面白いという言葉しか思いつきません。でも、しっかりグロいんで気軽に観れる映画ではないことは確かです。ということで、フルチおやじの作品は、内容は二の次。ハチャメチャ展開と、グロ映像を楽しむべしです!

 

と、そのハチャメチャぷりに呆れるくらいですが、ゾンビがノロマ、愛する人がゾンビにそして噛まれる、家の中で囲まれる、内臓ムシャムシャ、そして絶望のラスト。ちゃんとゾンビ映画の基本は抑えているのは感心します。

個人的には、墓場のシーンで土の中からゾンビがゆーっくりと出てくるシーンがお気に入りです。まず、上半身からゆーっくり起き上がってくるのがすごく不気味で、砂にまみれたところから、蛆いっぱいの気持ち悪いゾンビの姿が見えてくるのが楽しめるシーンでした。

 

ラストシーンも秀逸でした。ニューヨークのブルックリン橋をゾンビが歩いていく姿はこの街がこれからの地獄へ向かっている様子が印象深く残ります。なお、撮影はゲリラ撮影したようでにブルックリン橋の下は一般車両が沢山走っています。が、それがまた日常に対比するゾンビという絵が良かったです。

サンゲリア

ジョージ・A.ロメロの正当なゾンビに対して、亜流であり下品なゾンビ映画でした。でも、ゾンビ好きで未見の方は、押さえる必要がある作品だと思いますよ!
だいふく

フルチおやじ渾身の映画なんだニャ!

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