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映画「ミッドサマー」感想・レビュー:明るいことが恐ろしい…不快な恋愛映画⁉

 

ミッドサマー

ミッドサマー

「ミッドサマー」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Midsommar
製作年 2019年
製作国 アメリカ
上映時間 147分
監督 アリ・アスター
製作 パトリック・アンデション
ラース・クヌードセン
脚本 アリ・アスター
メインキャスト フローレンス・ピュー
ジャック・レイナー
受賞歴 -


 

「ミッドサマー」映画解説

だいふく

非常に鬱で不快な映画を紹介だニャ!

作品解説

長編デビュー作『ヘレディタリー継承』にて注目されたアリ・アスター監督の第2作となる映画です。正直、完全に『ウィッカーマン』のリメイクともいっても過言でない内容ですが、監督自身も自覚があったようで「逆に意識しすぎないように見返すことはなかった」と言っているようです。

が、鑑賞後感じたのは内容はやっぱりうり二つでした。閉じた文化の村に訪問し悲惨な目に合う、村人たちのおかしな陽気さやラストの惨劇シーン。そしてなんといっても、『ウィッカーマン』の主人公はクリスチャン(キリスト教徒)で、『ミッドサマー』の男性の名前がクリスチャンなのですよね。

映画の宣伝としては、決してホラーという言葉を使わないようにしたそうです。それよりか恋愛映画なんだといっていますが、恐怖度やグロ度を考えると、カルトホラーでしょう。

 

そして、原題はmidsommarです。てっきり、夏至という意味でスペルはsummerと思いますが、スウェーデン語に標記だと「midsommar」になります。本作はスウェーデンが舞台ということもあり、スペルミスではないのです。

関連作品

※タイトル後に外部リンクアイコンがあるものはAmazonに飛びます。

【類似作】

ウィッカーマン 

ウィッカーマン(リメイク版)

ネタバレになる伏線

※未見の方はネタバレになりますので注意してください!

本作は色々な伏線があり、監督自身伏線をはることが好きといっています。では、数点の伏線を紹介してみましょう。

伏線1
映画冒頭のタペストリーがネタバレしています。完全に映画の展開そのままが描かれています。そして村に飾られた絵も小屋の壁画も、これから起こる事のネタバレな絵になっています。

伏線2
北欧神話で「自分で自分の世話をできなくなった老人が崖から飛び降りる」という話があります。まさに飛び降りの儀式そのもの。そして石碑の数だけ投身したということになるでしょう。

伏線3
友人ペレのセリフ「僕も両親が死んだから、君の気持ちが分かる。」「僕の両親は、2人とも焼け死んだんだ。」です。もうわかりますよね、ペレの両親はラストの儀式に選ばれたのでした。

伏線4
伏線4は予想となるのですが、ダニーの家族の殺害は友人のペレということです。その理由としてダニーは妹からのメッセージで、こんなのは今まで来たことがなかったと不審に感じています。家族が死亡した結果ダニーは旅行に参加することになり、そしてペレが唯一喜んでいましたよね…。

 

といったように、伏線がいたるところにちりばめられています。他にも伏線はあるようで色々紹介されているようなので調べてみると面白いかと思います。伏線を知って再鑑賞するとまた違った面白さが出るでしょう。

「ミッドサマー」感想・レビュー

この映画、アメリカでも日本でも話題となりヒットしたようですね。そして評論家の評価も高いです。が、しかしそういう評価にのっかって気軽に鑑賞してしまうと、かなり痛い目にあう映画です。系統は、胸糞系といいますか後味が思いっきり悪くなります。映画にピッタリの言葉を選ぶと「不快感」でしょう。

 

私は、凹む映画が大好物(理由は、鑑賞後もしばらく心に残ってモヤモヤしてしまう映画が好きなので)という変り者なので耐性がありますし、『ウィッカーマン』を観ていたので内容はなんとなく理解してましたので、全く問題なかったのですが、評判だけで観た耐性が無い方は、気分を害されながら鑑賞したのでしょうね…。特にカップルとかお友達とかと一緒に鑑賞した後の帰り道はどれほど気まずかったでしょうか…(ひぃぃーー汗)

 

本作も『ウィッカーマン』もそうなのですが、両者の映画で一貫して言えることは、村人たちがどんなにおかしくても、残酷でも、その村では昔からの文化なんです。いわゆるしきたり。ある意味、それを外部の人間がどうこう言おうが、村人にとっては普通の事。ただ、それが外部の人間では想像がつかないような意味不明で、イカレタしきたりとしても…。

ミッドサマー

出典:映画.com

 

映画を観て、個人的に一番ヤバいと思ったのはラストシーンでも投身自殺で顔ぐちゃシーンでもなく、畸形児ルビンの存在でした。登場シーンが少なく詳細な説明はないのですが、近親相姦によって意図的に障害もつ子どもを生ませていたという事実は分かります。畸形児だけが、聖書「ルビ・ラダー」を書くことができるというしきたり。ルビンが死んだら、また近親相姦で畸形児を産み出すという、なんともぞ~っとしたルールなのでした…。

 

他にも、この映画のイカレっぷりをあげるとキリがないのですが、不思議なことになぜか村の文化に引き込まれる自分が居るのです。次はどんな突拍子なことがおこるのか、そしてどれほどイカレタしきたりがあるんだっていう妙な感覚です。何か村の魔術に観賞者も引き込まれるような。しかも、想像の斜め上を行ってくれるというご丁寧っぷりですから。

 

村が白夜ということもあり、終始明るいのです。村人も非常に明るい。でもやっていることが残酷で気持ち悪いという。これほどまでに明るく純白さが怖いものだとは、今まで想像もつかなかったのです。

ミッドサマー

出典:映画.com

 

最後にこの映画の注意事項!ホラー映画もしくは胸糞映画に耐性が無い方は見ない方が良いでしょう。耐性が無い方が見てしまうと、しばらくは頭からこの映画の事が離れなくなりますよ!そして夜も寝れなくなるかも!?そして、耐性があって観る人も一人きりの鑑賞をお勧めします。一人じゃないと鑑賞後かなり気まずい雰囲気になると予想します…。

だいふく

どこが恋愛映画だニャ!騙されたニャ~

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