「チェンジリング」映画情報
あらすじ
午後5時59分、あの不思議な声が聞こえてくる…交通事故で妻と娘を亡くした作曲家は別荘に移り住むが、そこで彼は子供の幽霊と出合う。70年前に起きた惨劇が引き起こす怪異現象を、ミステリー・タッチで淡々と描く。
予告編
作品データ
原題 | The Changeling |
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製作年 | 1980年 |
製作国 | カナダ |
上映時間 | 107分 |
監督 | ピーター・メダック |
製作 | ジョエル・B・マイケルズ ガース・H・ドラビンスキー |
脚本 | ウィリアム・グレイ ダイアナ・マドックス |
メインキャスト | ジョージ・C・スコット トリッシュ・ヴァン・ディーヴァー ルヴィン・ダグラス |
受賞歴 | - |
「チェンジリング」映画解説
ミステリー色強い古典的ホラー映画だニャ!
作品解説
7~80年代ホラーを代表する傑作といえますが、案外知名度が低い作品でも有ります。
しかしながら屋敷物ホラーの中では群を抜いて面白く、怖いだけではなく、もの悲しく静かに流れていく物語が、単なるホラーと一言では言えない名作です。また、ホラーなのに特殊メイクや血糊などを全く使用せず、音響と雰囲気だけで勝負した、正当派の作品でもあります。
監督は「スピーシーズ2」のピーター・メダック監督が担当しています。同タイトルのクリント・イーストウッド監督による映画もありますが、全く別作品ですのでお間違いなく。
恐怖の技術
本作は、なんといっても当時盛んだった特殊メーキャップや大量の流血などを演出に使用しないで、唐突な関連小道具の出現や音響効果を使って恐怖を作り出したことが見事にはまった映画でしょう。
レコーダーの音声のボリュームを上げていくと幽霊の声が聞こえたり、勝手に動く車いすなどのポルターガイスト現象。そして捨てたはずの亡くした子供のボールが家でまた見つかる。など古典的ですが、その分ミステリー作品としても評価される理由があるでしょう。
「チェンジリング」感想・レビュー
ストーリーが分かる程度のネタバレ度
冒頭でいきなり、主人公の作曲家ジョン・ラッセルの妻子が交通事故で亡くなるシーンから始まるのですが、いきなりすぎてショックやら悲しいやらの複雑な感情からのスタートです。悲しみにふけるジョンが悲しみを紛らわすために巨大な古屋敷に引っ越してから、幽霊との不思議で面白い関係が始まるのです。
毎朝6時に鳴り響く異音、突如流れる水、次第に何かを訴える霊、それは妻子を失ったジョンだから選ばれたのでしょうか?映画の中で霊が頻繁にメッセージを送るのですが、ジョンの悲しい心境のまま、霊と接していくので、怖さは感じられず不思議な感覚を受けます。ホラー映画では珍しく、主人公ジョンが霊にあっても怖がらず冷静なのです。
本作は、まず霊と言う存在は示しても、霊を映像化を全くしていないのです。声やモノが動くなど古典的に怖がらせる手法です。そのおかげか、ホラーというイメージよりもミステリー作品を観ている感覚にもなります。そして音響や視覚効果が見事に使われています。おそらく、この作品に影響受けたホラー映画はたくさんあるのでしょう。
隠された屋根裏部屋を見つけてからは、一気にそのミステリー展開が加速します。レコーダーに録音された子供の幽霊の声をヒントに、どんどんジョンが謎を解いていくのですが、物語が進むにつれ、次第に幽霊の存在と悲しき過去が明らかになる様子は、良質な推理映画を観ているような感覚さえ覚えます。
明らかになった過去、しかし幽霊の訴え(うらみ)を、達成させることができず、ジョンが思わず幽霊に対し「うるさい!やることはやったんだ!」と叫ぶシーンがとても印象的でした。しかし、ジョンは諦めず必死に事件を追い続けるんです!思わずがんばれって応援したくなります。
20年以上ぶりに観賞したのですが(謎の部分はすっかり忘れてました)、今観ても見ごたえ十分で面白いと思いました。怖さもほとんど無いのでホラー嫌いでも問題なく鑑賞できる作品ですね。
直接的な映像なくても音響と特殊効果で良質のホラーはつくれるんだニャ!
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