「ぼくのエリ 200歳の少女」映画情報
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あらすじ
内気で友達のいない12歳のオスカーは、隣の家に引っ越してきた不気味な少女エリに恋をする。しかしエリの正体は、人間の血を吸いながら町から町へと移り住み、200年間も生きながらえてきたバンパイアだった。
出典:映画.com
予告編
作品データ
原題 | Let the Light One in |
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製作年 | 2010年 |
製作国 | スウェーデン |
上映時間 | 115分 |
監督 | トーマス・アルフレッドソン |
製作 | ヨン・ノードリング カール・モリンデル |
脚本 | ヨン・アイビデ・リンドクビスト |
メインキャスト | カーレ・ヘーデブラント リーナ・レアンデション |
受賞歴 | ・エンパイア賞最優秀ホラー作品賞 ・英国インディペンデント映画賞外国映画賞 ・ボディル賞非アメリカ映画賞 他多数 |
「ぼくのエリ 200歳の少女」映画解説

禁断の名作ラブストーリーだニャ!
作品解説
北欧の夜を背景に、孤独な少年の心の動きを丹念に描いた本作は、その叙情的な映像と普遍的な物語が世界中で評価され、ゴールデングローブ賞外国語映画賞にノミネート、ワシントンDC映画批評家協会賞外国語映画賞はじめ世界各国で60以上の賞を受賞した映画です。
ホラージャンルとして位置づけはされていますが、少年とバンパイアが、周囲に受け入れられない存在であるという共通点から互いに接近し、冷たい夜の中でほのかなぬくもりを求め合うラブストーリーでもあります。
金髪の無垢な少年と、黒髪の叡智溢れる少女バンパイアという対照的な存在を、映画登場人物と同い年だった、無名の子役たちであるカーレ・ヘーデブラントとリーナ・レアンデションが演じ切った素晴らしい作品です。
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【リメイク】
・モールス
問題のモザイクシーン

ネタバレ度注意!
本作ではストーリーに重要な意味を持つシーンにモザイクをかけてしまったことで、映画ファンからの批判が出たという事象がありました。私もそのシーンには違和感しか覚えず、配給会社&映倫にクレームを出したいと思ったほど。
問題のシーンは、バンパイアであるエリの着替えをオスカーが隠れて見てしまうシーンでした。エリの股間に大きなボカシが入ってしまいます。実は、これに関しては、本来は男性器を去勢した傷跡になっているのです。そうなんです、少女と思っていたエリは男性だったのです!それを知ることは、このシーンのみですのでボカシを入れられると、鑑賞者はエリは少女と思ったままになるのです。
そうなのです。少年オスカーはエリが男であることを分かっていても愛を貫いたんです。ただ、ボカシのため物語の重要なシーンでの意味が全く伝わりません。
フリーセックスで有名(性犯罪でも…)なスウェーデンに対し、まったく卑猥ではない映画の重要要素ににまでモザイクをかけてしまう、古い考えの日本のスタイルは呆れますね。
「ぼくのエリ 200歳の少女」感想・レビュー
人間とバンパイアの切ない恋。といえば、これまでにも似たような作品はありましたが、圧倒的に美しくそして考えさせる衝撃的名作でした。
スウェーデンの非常に綺麗な雪化粧風景の中で静かに淡々と進む幼い恋と残酷な殺戮…。相反する2つが見事に融合し美しさすら感じます。12歳の子供が主役だからといって映画の質も一切落としておらず、幼い2人の名演技に完全に心を奪われてしまいます。
いじめられっこの少年オスカーに勇気をくれるバンパイアのエリ。エリのおかげでオスカーはいじめられっこに仕返しをすることができました。暗い過去を持ったエリに好意を抱くオスカー。オスカーのおかげでエリの心に温かさがともりました。徐々に距離が近づいていく二人、しかし決して幸せとは呼べない禁断の恋なのです。
物語ではエリの父親として描かれていた男性が居ます、はっきりとした説明無いですが、彼もまたオスカーと同じくエリを愛してしまった一人なのでしょう。年齢が止まってしまったバンパイアに対し、刻々と年齢を重ねていく人間にとって一人だけ老いていくことは辛いことでしょう。次第に年齢が近いオスカーに惹かれていくエリに父親のような存在だった男は「今夜は会わないでくれ」と発した言葉が非常に切なさを秘め印象的でした。命を懸けてまでエリを守る、彼もまた魅せられてしまった人間。
オスカーも必ず同じ運命をたどるんだよね...
一度は離れた決断をしたオスカーとエリだが、ラストのプールシーンでは無音でいじめっ子達の頭や腕が引きちぎられていく残酷な展開の中、エリの美しく可愛らしい顔とオスカーの微笑みは、残酷シーンすら美しいシーンに変えてしまう二人の愛情と魅力が伝わりました。さて、モールス信号を送りながら愛を語らう二人の未来はどうなっていくのでしょうか…。
いや~。見事な作品でしたが、エリは本気の愛であったのか、生きていくために利用しようとしたのか、それは鑑賞者に判断はゆだねられます。私は、一度離れ戻ってきたことは本気の愛だったと信じたいです。(そうじゃないと、オスカーの未来が悲しすぎる)

オスカー君の未来が心配だニャ…。
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