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映画「青くて痛くて脆い」感想・レビュー:その時もう一度、ちゃんと傷つけ。

 

青くて痛くて脆い

青くて痛くて脆い

「青くて痛くて脆い」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

コミュニケーションが苦手で他人と距離を置いてしまう田端楓と、理想を目指すあまり空気の読めない発言を連発して周囲から浮いている秋好寿乃。ひとりぼっち同士の大学生2人は「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル「モアイ」を立ち上げるが、秋好は「この世界」からいなくなってしまった。その後のモアイは、当初の理想とはかけ離れた、コネ作りや企業への媚売りを目的とした意識高い系の就活サークルへ成り下がってしまう。そして、取り残されてしまった田端の怒りや憎しみが暴走する。どんな手段を使ってもモアイを破壊し、秋好がかなえたかった夢を取り戻すため、田端は親友や後輩と手を組んで「モアイ奪還計画」を企てる。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 青くて痛くて脆い   
製作年 2020年
製作国 日本
上映時間 118分
監督 狩山俊輔
原作 住野よる
製作 沢桂一
菊川雄士
脚本 杉原憲明
メインキャスト 吉沢亮
杉咲花
岡山天音
松本穂香
受賞歴 -


 

「青くて痛くて脆い」映画解説

だいふく

青年煌めきと残酷さを描いた作品だニャ!

作品解説

「君の膵臓をたべたい」の住野よるの同名青春小説の映画化となり、作者は「君の膵臓をたべたい」で感動したすべての人たちの心を、この小説で塗り替えたいと思い作られたようです。

 

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた田端楓と周囲から浮いていているけれど誰よりもまっすぐだった秋好寿乃が出会った、そこから始まり青春時代を共に過ごし、傷つけられ傷つき壊れていく様子を描いています。

 

本作は、若い役者の演技力も目立った作品です。田端楓役には吉沢亮、秋好寿乃役には杉咲花でW主演です。二人のすさまじい演技を見るだけでも価値がある映画かもしれません。脇を固めるは、松本穂香、森七菜、岡山天音といった、今後映画やドラマを騒がせるであろう若い俳優陣がそろいます。

主人公2人の性格

田端楓

大学入学時はサークルには入らず、そこそこの静かな学生生活を望んでいた。コミュニケーションが苦手で内気の性格でこれまでも傷つかないような生き方をしてきた。正直に意見が言えない。

大学入学時の人生のテーマは「人に不用意に近づきすぎないこと」

秋好寿乃

大学の講義中に空気の読めない発言を連発し、自らの理想を語り質問を繰り返し、周囲から浮いていた。性格は明るくて前向きで誰とでも仲良くなり、気づいたら輪の中心にいるような存在でもある。

大学入学時に掲げた信念は「四年間で、なりたい自分になること」

青くて痛くて脆い

出典:映画.com

「青くて痛くて脆い」感想・レビュー

結末が予測できるネタバレ度

この映画を観て感じたことは、納得する部分と納得がいかない部分が入り乱れたようでした。きっと、鑑賞者がこれまでの人生で、田端楓のような人生だったのか、秋好寿乃のような人生だったのかによっても、感想は変わってくると思います。私が学生自体は、どちらかというと田端楓側の人生でした。余り人付き合いがうまくなく、なるべく傷つかないように生きてきました。

 

田端楓側のような人を避けてきた人間は、その分ふと声を掛けられ、優しくされた瞬間に勝手に好意を抱いてしまい思い込んでしまいがち。でも、その一方的な好意が、崩れた瞬間、今までが自分の勝手な思い込みなのに傷つけられたと思いこみ恨みに変わる。そして相手を陥れ傷つけようとしてしまう。そういった若い時を過ごした人もいるのではないでしょうか?

 

歳を取った今でも、未だに忘れることができない、傷つけられたことそして傷つけたこと…。今でも、思い出すたびに心苦しくなります。そういう経験は皆様にもありますよね。

ただ、大人になって今ある強さはその傷つけ合いがあったからの成長だと思えるのです。本作では、そういった若いころの苦い感情を思い出させ、自信の経験を思い出し心が揺さぶられる自分が居ました。

 

後半の田端楓の秋好寿乃と二人の傷つけ合いが一番の見どころではありますが、観ていて本当に辛かったです。あれだけ仲良かった二人なのに…。どちらの気持ちもわかるんです。そして、単なるすれ違いの結果でもあるのです。

青くて痛くて脆い

出典:映画.com

 

が、しかし、秋好寿乃からの田端楓の勝手な思い込みに対しての「気持ち悪い」の言葉、この言葉で完全に田端楓側ノックアウトでしょう。好きな人から言われる言葉の中では一番強烈で傷つく言葉なのかもしれません。その言葉の後に田端楓が出来ることと言えば、心にもない言葉の相乗攻撃をし、相手をさらに傷つけることしかできなかったのです。

 

そして、後悔の念…。

なんだかなー、って苦笑いするしかないシーンでした。

 

この映画、納得いかない部分もあるのです。さすがに秋好寿乃が当初描いていた理想と行動が、かけ離れて過ぎていませんかね?「世界を変える」から始まった事が、単なる就活サークルそして男女の出会い場の巣窟のような団体。挙句の果てには、個人情報流出…、これはなるべくしてなったんだなと思えます。

ここまで秋好寿乃との理想と行動がかけ離れてしまうと、田端楓のような性格でなくても、逆恨みな行動が必然なのかもと思えてしまいます。故に、田端楓がラストで自分が犯人だということをSNSで流したり、秋好寿乃が過去に付き合っていた男の前で泣いた姿が、私には理解できない感情でした。

 

あとは、ラストの終わり方。傷ついたのか傷ついて無いかは、鑑賞者が想像してねの終わり方も、なんだか消化不良~~。答えを示さないそれがいいんだっていう人もいるでしょうが、私にはもやっと残るラストでした。

 

と言うように、本作は賛否両論になること間違いなしの映画だと思います。がしかし、誰でも持っている、苦い経験を思い出させてくれることも間違いありません。原作も含め、若い世代に人気だということも、映画を観て納得でした。

だいふく

人間って難しい生き物だニャ!

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