「アリー スター誕生」の映画情報
上映日:2018年12月21日
製作国:アメリカ
上映時間:136分
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STORY
音楽業界でスターになることを夢見ながらも、自分に自信がなく、周囲からは容姿も否定されるアリーは、小さなバーで細々と歌いながら日々を過ごしていた。そんな彼女はある日、世界的ロックスターのジャクソンに見いだされ、等身大の自分のままでショービジネスの世界に飛び込んでいくが…。
TRAILER
REVIEW
1937年の『スタア誕生』の4度目リメイク作品なのですが、今回は実際にヒロインがレディー・ガガですから、彼女の生い立ちを見ても映画と重なるものがあります。
レディー・ガガは本作で初の主演女優としてのデビューでした。恐らく全世界が彼女の演技はいかがなものか?と鑑賞するまでは不安に思っていたのでしょうが、全く問題なかったですね。むしろ堂々とした演技で、初の主演ということは全く感じさせられない姿で女優の道まで開きましたね。そして皆さん驚いたであろう、ガガ様の美貌です。いつもは着飾ったり独特のお化粧の姿ばかりですが、彼女の素の美しさには驚きでした。
監督&主演男優は、ブラッドリー・クーパーです。本来、クリント・イーストウッドが映画化する予定であったところを、交代したということです。しかしびっくりはその音楽の才能。俳優さんでこのギターと歌の実力はすごいですね。ミュージシャンとしても売れるんじゃないかと思うくらいです。(イーストウッド監督版も観てみたいですがね)
ガガもクーパーもお互いが新境地を開いた本作は、あまりの二人の仲に映画終わった後も噂になっているくらいの状況。二人とも当時お付き合いしていた恋人と別れてしまっていますから、無理もないですね。(実際は、二人の関係は何もないということですが)
さて、映画の中身ですが、スターに上り詰めていく女性アリーと逆にスターから堕落していく男性ジャクソンの二人を愛を描きます。二人の心情の変化がまさにこの映画の重要な部分です。
特にジャクソンの心理変化が痛々しく悲しい。アルコール依存症の彼が、ふと寄ったバーで原石アリーを見つけ恋をし、彼女にスターの窓を開けた。自身が才能を見出したアリーの活躍への喜び反面、遠い存在となり音楽性が異なっていくアリーへの嫉妬が入り乱れる姿は、男性としてよくある心理でもあるのですよね。なんでしょうね、男性は独占欲や変な嫉妬やこだわりが強いですから、難しい生き物ですね。女性からの愛は変わっていないのに、なぜか不安になり傷つけてしまう。実際にジャクソンがアリーを傷つけたシーンはとても理解できてしまうのです。
最終的に、アリーの邪魔になっていると判断してしまったジャクソンが選んだ結末は…それは子供の頃の再現となる悲しい結末となりました…。彼の心情は絶望であったか、それとも愛を貫いた結果であったか、それは鑑賞者の判断にゆだねられます。
そしてアリーの心理も激動でした。バーのダンサーからジャクソンに見つけられスターまで駆け上っていく姿は、まさに彼女自身もその変化についていけずに、悩みつつも周りに影響されて天狗になってしまったのでしょう。彼女自身が少しでもジャクソンの気持ちに気づいていれば、結末は変わったのでしょう。後悔しても後悔しきれない思いにさいなまれているでしょう。
映画の全体的な感想としては、途中ちょっと主演二人の事ばかりを主体に描きすぎて、だらけた感も感じでした。もう少し二人だけでなく周りの人たちとのドラマも入れ込んでみても良かった気がします。
でも、だらけてきたなってタイミングで、まさにガガ様の素晴らしい歌声や音楽がガツンと入ってくるので、うまく音楽をおり交ぜた作品にもなっていたでしょう。後悔したのは、この映画は、映画館で観るべきだったなと思いました。(ちなみに、国際線飛行機でしょぼいヘッドホンとちっちゃ画面で観ましたが…笑)
ラスト、ジャクソンが昔の二人を思いアリーへの愛を語った曲とアリーの素晴らしい歌声は、ジャクソンがずっと求めた姿に戻った瞬間でした。
そう、アリーが本当のスターになった瞬間です…。
INFOMATION
英題 | A Star Is Born |
製作年 | 2018 |
監督 | ブラッドリー・クーパー |
製作 | ビル・ガーバー ジョン・ピータース ブラッドリー・クーパー |
出演者 | レディー・ガガ ブラッドリー・クーパー アンドリュー・ダイス・クレイ デイブ・チャペル サム・エリオット アンソニー・ラモス |
配給 | ワーナー・ブラザース |
受賞歴 | 第91回 アカデミー賞主題歌賞 第76回 ゴールデングローブ賞主題歌賞 放送映画批評家協会賞 主演女優賞 |
リンク | 公式サイト |