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映画「サスペリア(2018)」のあらすじ・感想レビュー:オリジナルを大胆に別物に変えたリメイク!

「サスペリア(2018)」の映画情報

サスペリア上映日:2019年01月25日
製作国:イタリア・アメリカ合作
上映時間:152分
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STORY

1977年、ベルリンの世界的舞踊団に入団するため、米ボストンからやってきたスージー・バニヨンは、オーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大きな役を得る。しかし、マダム直々のレッスンを受ける彼女の周囲では不可解な出来事が続発し、ダンサーたちが次々と謎の失踪を遂げていく。一方、患者だった若きダンサーが姿をくらまし、その行方を捜していた心理療法士のクレンペラー博士が、舞踊団の闇に近づいていくが…。

TRAILER

REVIEW

オリジナルは最も美しいホラー映画と言われた、ダリオ・アルジェント監督の傑作ですが、本作は完全に別物な作品に仕上げられています。オリジナルの原色の色彩や興奮を書き立たせる音楽は全く引き継がずです。魔女というキーワードは同じですが、本作では不気味な"儀式"がテーマとなっています。広告動画でサスペリアと読み上げる前に、うっすらとマザーと聞こえますが、キーワードということが映画を観ることで明確になります。

世間の評価は賛否両論で真っ二つに分かれるのですが、個人的な感想を先に述べますと、私は"否定派"です。だって、あのホラー映画の傑作のサスペリアですよ!?芸術性や独特な雰囲気あってこそのサスペリアです。それを無くしてしまい、さらに物語のテーマですら捻じ曲げてしまっては、全く別物の映画で、単に名前を借りたかっただけの気がしてしまうのです。リメイクではなく単なるカルト映画にしか見えなかった。

監督も『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノですから、う~んここにきて、なぜホラーでサスペリア?となってしまうんです。できれば、サスペリアのリメイクはホラー映画監督で名をはせている方に作ってもらいたかったです。

映画自体ですが、オリジナル以上に意味が分かりません。まず心理療法士のクレンペラー博士の存在ですが、重要なキーマンかと思いましたが、結局何をしたかった(何をしてあげた)かが分からない。スージーの母親の病気も意味深のようで意味不明、劇団スタッフ?のか弱そうな女性の急な自殺も意味不明、ラストの儀式も意味不明。なんだかちんぷんかんぷんです。ちょーっと細かい部分も言うと、途中のシーンでスージーが机から何かを盗むシーンがありますが、あれも最後まで何も影響せずで意味不明…。なんか散らかすだけ散らかして掃除をせずに終わった気がして、何とも消化不良です。

では、ホラーとしてはと言いますと、怖いよりグロいです。冒頭のスージーがダンスによりダンサーが人体破壊されていきますが、いきなりグロさ全開です。最後の儀式もかなりグロさを表に出しています。ただし視覚的な恐怖はあるのですが、オリジナルに見られた精神的に来るドキドキ感は感じられないのです。

ということで、色々がっかりすることが多かったですが、良かった部分もありますよ。

まずオリジナルでは取り入れられていない、ダンスシーンがふんだんにあります。スージーを演じるダコタ・ジョンソンの魅力もふんだんに表現されています。儀式としてのダンスとなるため、その異様さや迫力もしっかり表現しつつもセクシーさもあります。監督自身ダンスを重要視したと言ってますので、その通りな仕上がりでした。

も一つ、嬉しい部分は、オリジナルのヒロインである、ジェシカ・ハーパーの出演です。正直出演のさせ方は無理やり感があるのは否めないですが、お年を取られても表情や演技は変わりないですね。またサスペリアでお会いできるとは感動であります。

新旧ヒロインに注目すると、ジェシカ・ハーパーは静的なかわいさ、ダコタ・ジョンソンは動的な美しさ、といったところでしょうか。お二人おきれいですが、全く質が違う美しさですね。

この映画、俳優さんもかなり豪華なんですよね。主役級の女優ティルダ・スウィントンとクロエ・グレース・モレッツが脇を固めます。といっても、ん?クロエちゃん出てた?って思う方もいるかもですね。というか・・・クロエちゃん何やっているんですか!立派な女優になられたんですから、少しは仕事選んだ方がいいです。冒頭では精神的におかしい姿で、後半では見るも無残なグログロなお姿で…。クロエちゃんファンとしては、彼女がヒロインでも良かった位なのに…。(キャリーでホラーの実力もあることは証明してますし)

ということで以上が感想ですが、あんまり否定的なレビューは書くことはなのですが、余りにもオリジナル愛が強すぎるので今回はしょうがないレビューと思っていただければ。映画としてはグロさ満載で、ホラー好きには楽しめると思います。何度もいいますが、サスペリアリメイクとして見てしまうと、がっかりな内容でした。

INFORMATION

英題 Suspiria
製作年 2018
監督 ルカ・グァダニーノ
製作 マルコ・モラビート
ブラッドリー・J・フィッシャー
出演者 ダコタ・ジョンソン
ティルダ・スウィントン
ミア・ゴス
クロエ・グレース・モレッツ
ルッツ・エバースドルフ
ジェシカ・ハーパー
配給 ギャガ
受賞歴 -
リンク 公式サイト

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映画「サスペリア(1977)」のあらすじ・感想レビュー:ダリオ・アルジェント傑作にして最も美しいホラー!

「サスペリア(1977)」の映画情報

サスペリア上映日:2019年06月29日
製作国:イタリア
上映時間:99分
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STORY

バレリーナを目指すスージーはアメリカからドイツのバレエ学校に留学するが、到着早々、奇妙な出来事が次々と起こる。さらに、天井から大量のうじ虫が落ちてきたり、盲目のピアニストが盲導犬に噛み殺されたりと不可解な事件が続発。やがて、この学校に隠された恐ろしい秘密が明らかになり…。

TRAILER

REVIEW

ホラー映画が大好きなのですが、これまで数あるホラー映画を観てきた中でも、最も美しいホラーといえるでしょう。ちなみに、好きな映画なので何度も何度も観ておりBlu-Rayで見事なまでに修復された綺麗な映像を今見れるのは本当にありがたいことです。映画自体は1977年公開されたのですが、4Kで生まれ変わり再度上映されましたので、上映情報が今年になっています。本作はリメイク版も出ていますあちゃ~な感じの仕上がり。

後に製作された『インフェルノ』、『サスペリア・テルザ 最後の魔女』とあわせて「魔女3部作」といわれる第1作目にあたります。イタリアを代表するホラー映画監督、ダリオ・アルジェントの地位を確固たるものにした映画でもあります。

この映画は芸術なのです!

視覚と聴覚を見事なまでに圧倒させてくれ、芸術度で見ると今だに本作を越える映画は出てきていないと思っても過言ではありません。血の赤をベースに青色・黄色・緑色と原色の光と建物の原色の色彩、そしてアルジェント監督作品ではつきものの、"ゴブリン"の人間の感覚に直接襲い掛かるような音楽とのコラボレーションは、すばらし過ぎます。

「決して一人では観ないで下さい」というキャッチフレーズで当時は宣伝をしていたのですが、残酷描写はこの時代としてはかなりショッキングなものだったでしょう。冒頭での首吊り&顔にガラスの破片が刺さっているシーンはいきなり最高潮で、緊迫感をさらに掻き立て追い討ちをかける見事なカメラワークも醍醐味です。この時代ならではの恐怖を表現する技法ですね。

歴史あるバレエ学校を舞台にして繰り広げられる、"魔女"がテーマのストーリーですが、よーくよく真剣に考えると、かなり辻褄が合わないし強引すぎな展開と結局何が言いたかったのだろうか???と分からなくなるような作品なんですが(まぁ、アルジェント監督作品は大体そうなんですが)、映画を観ていると不思議と辻褄合わないことなんて感じさせられることなく虜になりのめり込んでしまします。そして、ラストシーンで明かされる衝撃の真相では、一気にテンション上がり最後の最後まで結末がどうなるかも読めないのです。

さらに本作なんといっても、花を添えるジェシカ・ハーパーの存在です。非常にかわいらしいですね。彼女をずっと見ていても飽きません。(といっても、今はおばさんになってしまいましたが…)芸術的なホラー作品にぴったりの配役だったと思います。

芸術ホラーとして名をとどろかせる名作。すばらしいの一言に尽きます。

だいふく

大好きなホラー映画の1つ!お勧めニャ!

【おまけ】

サスペリアと言えばもう一つ話題になっていることがあります。今だに心霊番組で取り上げられることもありますが、雷光に照らされた瞬間に、タクシー運転手の首元に叫ぶような男の顔が映る瞬間があり心霊だっと言われていますが、実はこれはアルジェント監督のの茶目っ気あるいたずらで、監督本人ですので、騙されないように(爆)

問題のシーン、YouTubeにありました。3:20くらいのタクシードライバーの首当たりです。いたずらと分かっていても、結構怖い!

INFORMATION

英題 Suspiria
製作年 1977
監督 ダリオ・アルジェント
製作 クラウディオ・アルジェント
出演者 ジェシカ・ハーパー
ステファニア・カッシーニ
ジョーン・ベネット
アリダ・バリ
フラビオ・ブッチ
ウド・キア
配給 ハピネット
受賞歴 インディペンデント・スピリット賞 撮影賞
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アベンジャーズは終わらない、トニーが託したもの!映画「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」のあらすじ・感想レビュー

「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」の映画情報

スパイダーマン ファー・フロム・ホーム上映日:2019年06月28日
製作国:アメリカ
上映時間:135分
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STORY

夏休みに学校の友人たちとヨーロッパ旅行に出かけたピーターの前に、元「S.H.I.E.L.D.」長官でアベンジャーズを影から支えてきたニック・フューリーが現れる。一方、ヨーロッパの各都市をはじめ世界各国には、炎や水など自然の力を操るクリーチャーが出現。世界に危機が迫るなか、ニックは「別の世界」からやってきたという男ベックをピーターに引き合わせる。

TRAILER

REVIEW

本作ネタバレは無いけど、エンドゲームのネタバレになってるニャ!

『アベンジャーズ エンドゲーム』の衝撃からまだ抜けきれない中、正式な続編として大抜擢されたのはスパイダーマンです。完全にこの映画自体が、エンドゲームのネタバレになってしまっていますが、観終わった率直な感想は、楽しい!の一言!ちょっと最近のMCU作品は重めな暗めなストーリ展開が多かったのですが、軽いノリの本作が不安感も覚えず純粋に楽しめました。登場人物が全員個性的で愛らしいキャラなのも魅力的です!何度笑ったことか。

ヒーローとしてエンドゲームのショックを引きずっている、スパイダーマンことピーター・パーカー。しかし彼はまだ未成年で楽しい学生生活を送っている最中なのです。遊びたい、恋したい盛り。そんな中で、トニーから託されたアベンジャーズとしてヒーローとしての自覚は彼に重くのしかかり、すぐに持つことはできないのです。本作ではスパイダーマンが、ヒーローとしていやアイアンマンの後継者として覚醒する姿を見た気がしました。

Newヒーロー?として登場するは、ミステリオの名で人類を助けるベック。彼自身予想もしていなかったでしょう、スパイダーマンとここまで絡むことになろうとは。ネタバレになるので書かないですが、ミステリオの存在こそがスパイダーマンを真のヒーローへ変えた存在でした。

今回の悪は何なのかも全く分からないまま鑑賞しましたが、かなり予想外な悪役であります。今までのヒーロー映画とは違った展開であること間違いなしです。いったいスパイダーマンは、何と戦っているんだろうと途中で混乱してくる始末です。なかなか画期的で面白い展開ではありましたが、結構無理があったのは否めないですね。無理やりアイアンマンとスパイダーマンをひきつないだ感覚を受けてしまいました。本当は相容れない存在のヒーロー同士ですからねぇ。

ただ、そんな無理やりな展開に反して、スパイダーマンの成長を感じるのが本当に面白いです。優しくそしてヒーローとして自信が無い彼が、どうやって絶対的なヒーローとして強くなっていくかが本作の見どころ。最後の戦いでは、スパイダーマン強すぎじゃない!?っと思えること間違いなし。この強さアイアンマンも超えるんじゃ!?っと思えるほどです。

プラスして、恋に奥手なピーター・パーカーの人間としての成長も見ることができます。ちょっとした、アメリカならではの心温まるコミカルな青春恋愛映画も一緒に観ているようで、恋の行方もかなり面白く和みます。

全体的に見て、アベンジャーズを継いだ後の作品としては、もちろん1人のヒーローをテーマに描いているので、展開も迫力もかなり落ちてしまうのですが、スパイダーマンだったからこそ、マーベルファンのアベンジャーズショックから立ちなおさせてくれたと思えるのです。久しぶりのコミカルなノリこそが、我々が望んでいたのかもしれません!スッキリ、ショックから解放してもらえました。

映画自体は今後の展開のつなぎ的な役割になってしまいましたが、MCUの次回作以降を期待させてくれる作品でもあり、いい映画だったと思います。エンドロール後にも、笑わせてくれるシーンもありますので、是非観に行った方は最後の最後まで席を立たずにお楽しみください。(エンドロール途中と終わりにあります)

INFORMATION

英題 Spider-Man: Far From Home
製作年 2019
監督 ケビン・ファイギ
エイミー・パスカル
製作 ルイス・デスポジート
ビクトリア・アロンソ
出演者 トム・ホランド
サミュエル・L・ジャクソン
ゼンデイヤ
ジェイク・ギレンホール
ジョン・ファブロー
ジェイコブ・バタロン
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
受賞歴 -
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映画「ドッグヴィル」あらすじ・感想レビュー:異質な舞台で人間の本質を描く!

「ドッグヴィル」の映画情報

ドッグヴィル

上映日:2004年02月21日
製作国:デンマーク
上映時間:177分
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STORY

アメリカ・ロッキー山脈の村に、ひとりの女グレースがギャングに追われて逃げ込んでくる。初めは彼女をいぶかしむ村人たちだが、2週間で村人全員に気に入られることを条件に村に留まることを承認。献身的な肉体労働をこなすグレースだが、警察に手配されていることが発覚し、事態は急転する。

TRAILER

REVIEW

あの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で救いようの無いラストを見せ付けた、ラース・フォン・トリアー監督の奇才と呼ばれるのには、ふさわしい代表作。床に白い枠線と説明の文字を描いて建物の一部をセットに配しただけの倉庫のような舞台のみで撮影され、ナレーションにより登場人物の心理を説明していくという実験的な作品。

「機会の土地-アメリカ」三部作と称し、本作→『マンダレイ』(公開)→『ワシントン』(未発表)と続きます。

はい、物語の舞台は、たったこれだけ!

ドッグヴィルの舞台

最初は、この白線のみの舞台に違和感を感じずには居られません。「舞台じゃないよね、映画だよね!?」という場違いな感覚が漂います。この異常な環境と約3時間と言う長丁場に観ていられなくて挫折する人も多いでしょう。でも、私は観ていくにつれ、この舞台が自然となじみ、いつの間にか物語りに引き込まれていました。余計な物がない分、登場人物の心理や様子がはっきりと分かることが出来るのです。

しかし、物語に引き込まれるにつれ、苦しい気持ちが徐々に大きくなってしまいます。観終わった後、ドシーンとくる嫌な気持ち・・・。人間と言う生き物の嫌な部分をはっきりと見せ付けられることへの不快感を耐えるだけの気持ちがないと、この映画はラストまでたどり着くこともないでしょう。ラース・フォン・トリアー監督やっぱり、やりやがったと…。

部外者に対する村人の気持ちの変わりようが怖くて非常に憎たらしい!村になじむために一生懸命人々に尽くす部外者のグレースを、徐々に受け入れて感謝までする村人を見て、なんていい村なんだろうと、ほほえましさが前半。しかし、平和は一瞬でしかないのです。慣れからくる苛立ち、従順な者への制圧欲、弱いものへのいじめ、という人間の間違った心理は村人をすぐに支配していきます。グレースは、村にとって都合の良い奴隷(ペット?)となってしまうのです。

グレースは美しすぎました。この小さな閉ざされた村には、彼女はやっぱり部外者でしかなかったんですね。そして、グレースの綺麗な心が余りにも痛々しい。決して村人を悪者扱いしない純粋な心が逆に罪だったのかもしれません。また、綺麗過ぎた心が故に、最後の彼女の決断が下ってしまったのでしょう。

グレース役のニコール・キッドマンですが、めちゃくちゃ綺麗で美しいです。長丁場を耐えられた理由として、彼女の美貌という理由も少なからずあるかもしれません。だからこそ彼女の美貌が村への違和感に感じられるし、村=田舎に対し、グレース=都会を象徴するにはもってこいでした。

賛否両論の映画ですが、私はものすごい作品だったと思います。

ですが、もう一度観るか?と言われたら、間違いなく遠慮しますと答えます。

INFORMATION

英題 Dogville
製作年 2003
監督 ラース・フォン・トリアー
製作 ヴィベク・ウィンドレフ
出演者 ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
クロエ・セビニー
ローレン・バコール
パトリシア・クラークソン
ステラン・スカルスガルド
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
受賞歴 ボディル賞 デンマーク映画賞
ヨーロッパ映画賞 撮影賞
ヨーロッパ映画賞 監督賞
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ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD]

ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD]

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映画「人魚の眠る家」あらすじ・感想レビュー:脳死は人間の死か、衝撃の愛のカタチを描く!

「人魚の眠る家」の映画情報

人魚の眠る家

上映日:2018年11月16日
製作国:日本
上映時間:120分
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STORY

2人の子どもを持つ播磨薫子と夫・和昌は現在別居中で、娘の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。そんなある日、娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明の状態に陥ってしまう。回復の見込みがないと診断され、深く眠り続ける娘を前に、薫子と和昌はある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく。

TRAILER

REVIEW

だいふく

ネタバレしているので未見の方は気を付けてニャ!!!

東野圭吾の同名ベストセラー小説の映画化ですが、とにかく深いそして重いテーマでした。脳死は死なのか、愛する我が子が脳死判定されたら家族はその人を"死"と受け止めれるでしょうか…。なんとも難しいテーマです。

しかし、脳死したらいきなり臓器提供の意思を聞かれるんですね。そこには、家族の思いはまるで関係なく。脳死したまま延命をするか、臓器提供して生きれる命を救うのか、いきなり判断なんてできやしないのに。

娘の瑞穂が脳死と判断された、薫子と和昌が選んだのは、禁断の延命でした。科学の力で人形…いやロボットのように動かされ体だけ成長していく瑞穂は生きているといえるのでしょうか。

娘は生きているそしていつか目を覚ますと思い続ける薫子、笑顔まで作らされて生き続ける愛する娘の臓器提供を考え本当の死と認めようとする和昌、研究により脳死した人間の体を動かし父の代わりに成長を見守り第二の父といわれる星野。死んでいるか生きているかで翻弄される周りの人たち。いったい誰が正解で誰が間違っているのか。その答えがないから、悲しみ苦しんでしまう。そうなんです、誰も間違ってはいないのですから。

ただ、母は娘の生にこだわり続けた。娘が操り人形となっても希望を持ち続けた。「この娘が死んだいうなら、心臓を刺したら殺人なのか!?」と迫る母は、狂気と覚悟が見えました。娘を刺そうとする母と、すでに死を認めている周りの人たちの場が逆転した瞬間なのです。強烈に鑑賞者の気持ちも逆転させるほど、感情をえぐる瞬間だったのではないでしょうか?

みんな辛かった、母も父は当然です。弟が脳死の姉のことで学校で辛い思いをしないために姉が死んだと判断したことも辛かった。自分のせいで瑞穂が事故にあったとずっと罪の意識で過ごしてきた祖母も辛かった。薫子の妹晴美は支えながらも姉の変貌していく姿を見て辛かった。そして…瑞穂の従妹若葉は自分のせいで事故に遭ったと言えずに抱え込んできた歳月は何と辛かったでしょうか。

母が娘を殺そうとした瞬間、みんな心の中で耐えきれない思いがすべて爆発した、すごいシーンでした。心が締め付けられ、涙が止まりませんでした。

この映画は俳優陣全員が見事に演じた作品だったと思います。拍手を送りたいほど感情を揺さぶられました。

母は、娘の死を受け入れました。父は、心臓が止まる瞬間が死と最後に言いました。

医者は言いました、「では娘さんはまだこの世界のどこかで生きていますね」と…

INFORMATION

英題 -          
製作年 2018
監督 堤幸彦
原作 東野圭吾
出演者 篠原涼子
西島秀俊
坂口健太郎
稲垣来泉
斎藤汰鷹
松坂慶子
配給 松竹
受賞歴 第42回日本アカデミー賞優秀主演女優賞
第43回報知映画賞主演女優賞
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えなこも来た!ファン・スクリーニングで映画「X-MEN:ダーク・フェニックス」試写会!

 

だいふく

ファン・スクリーニングとても良かったニャ!

ということで、先日映画レビューで「X-MEN:ダーク・フェニックス」を記事にしましたが、実はFilmarksで試写会当選で、X-MEN最後のファン・スクリーニングに行ってまいりましたので紹介したいと思います。(FilmarksのIDは、daifuku_chanでブログと同じ猫のだいふくのプロフィール画像なのでやられている方は探してみてください!)

映画レビュー記事は、こちら参照ください。

TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

今回、すごく楽しみだったのが、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで鑑賞できることです。ま、こんなことないと、六本木なんていかないですし、映画も観ないですね。

田舎者のように、どでかい高層ビルをみながら進んでいると、ジーン達がお出迎えしてくれました♪

TOHOシネマズのX-MENの看板

TOHOシネマズのX-MENの看板

さらにさらに、進んでいくと入口には、ミニオンズがお出迎え!かわいらしいぃ~!!!

TOHOシネマズ入口のミニオンズ

TOHOシネマズ入口のミニオンズ

ちょっとイベント開始まで時間があるので、最新!?の映画館ってもんをふらりふらりとお散歩ですが、なにこのシャレオツな映画館は!?どこかの高級ホテルの廊下のようですが、この廊下普通に出入り出来たのですが左右に映画部屋入口があります。どやってチケット確認するんだろう…???

TOHOシネマズ 六本木ヒルズのシャレオツ映画館

TOHOシネマズ 六本木ヒルズのシャレオツ映画館

そして、今回のイベントの映画館は、おそらくこの施設で一番大きく豪勢な設備の場所だったと思いますが、もう入り口から「これから体験することはすごいからちゃんと覚悟しておいてね」って言われた気分。DOLBY ATOMOSって書いているは、EXTRA LARGE SCREENと書いているはで、TCXに圧倒されますね(笑)

入口から凄そうな会場

入口から凄そうな会場

劇場内はこんな感じです。まず広い、スクリーン大きいです。ステージがあるのでイベント用という役割でも作ったんでしょうね。何人入るんだろうという規模です。

余りにも大きいスクリーン

余りにも大きいスクリーン

観終わった感想。「なにこれ、いまだかつてない体験なんだけど…」です。想像を超えた大迫力、大音量でした。座席も割と端寄りでしたが、スクリーン側に座席が向いているので、見やすいです。もう、映画館が一つのアトラクションですよ、これ。

ファン・スクリーニング コスプレイベント

今回の試写の前にはイベントがありました。X-MEN最後のファン・スクリーニングと称したコスプレイベントです。コスプレ参加可のイベントでしたが、一般の方も張り切っている方いましたね。そして、コスプレイヤーで有名な、えなこもイベント登場で、ジーン・グレイの漫画版のコスプレでした。ガリットチュウのお二人もビースト(ときどき船越英一郎)とプロセッサーXのコスプレ。

えなこ、ガリットチュウ&一般のコスプレイヤー達

えなこ、ガリットチュウ&一般のコスプレイヤー達

色々イベントが盛り上がりまして、結構楽しいひと時でした。えなこがダークフェニックスになり、パワーも使って周りを吹っ飛してるし!

えなこダーク・フェニックスの最強パワー

えなこダーク・フェニックスの最強パワー

最後は、マスコミの皆さんが写真撮影。カメラを客席に向けたので、マスコミの方々を逆に写真に収めた珍しい一枚も撮りましたw

マスコミの皆さんを激写

マスコミの皆さんを激写

映画も良かったし、イベントも楽しかったし、六本木も行けたし、最高のイベントでした!Filmarksさん当選させてくれてありがとうございますー!!!

めちゃくちゃ嬉しい戦利品!

はい、この映画館でこの映画はもう戦いでしたが、イベントなので色々もらえてこれまた嬉しい!X-MENファンにはたまらないです。

どでかパンフレットのダーク・フェニックス

どでかパンフレットのダーク・フェニックス

パンフレット以外も色々ついていました。

色々グッズもらえた!

色々グッズもらえた!

以上が、X-MENファン・スクリーニングの様子でした。また、色々応募して試写会当たるといいなぁ~。

おまけ:イベント裏側

運営の方から、映画のネタバレさえしなければ、このイベントはSNS含め公開OKということで許可が出てますので、コスプレイベントの動画をちと載せておきます!

【えなこ ダーク・フェニックス念動パワー】

【ガリットチュウ ビーストときどき船越英一郎】

以上です!

映画「X-MEN:ダーク・フェニックス」のあらすじ・感想レビュー:愛する仲間がマーベル史上最大の脅威となる!

「X-MEN:ダーク・フェニックス」の映画情報

X-MEN:ダーク・フェニックス

上映日:2019年06月21日
製作国:アメリカ
上映時間:120分
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STORY

X-MENのリーダーであるプロフェッサーXの右腕として、メンバーからの信頼も厚い優等生のジーン・グレイだったが、ある宇宙ミッションでの事故をきっかけに、抑え込まれていたもうひとつの人格「ダーク・フェニックス」が解放されてしまう。ジーン自身にも制御不能なダーク・フェニックスは暴走をはじめ、地上の生命体が全滅しかねない、かつてない危機が訪れる。

TRAILER

REVIEW

だいふく

X-MENファン・スクリーニング当選して一足先に観てきたニャ!!!

幸運なことに映画館で絶対観るって決めていたのですが試写会が当選しました。しかもXMEN初のファン・スクリーニングイベントということで六本木ヒルズの一番大きい劇場所でイベントはでは、コスプレイヤーのえなこやガリットチュウが来てかなり盛り上がったので投稿OKという事なので、また後日ブログで後報告しますね!

【追記】記事にしました!

ということで、レビューの方にいってみたいのですが、なんていっても公開前なのでネタバレ禁止と言われていますので、レビューって感じにはならないので感想中心に書きたいと思います!(あ~、ネタバレしたいを抑えます笑)

今回の主役どころといえば、もちろんジーン・グレイです。彼女の能力はテレパシーとサイコキネシス(念動力)で、X-MENメンバーでおなじみの目から赤い光線を出すサイクロップスクロップスの恋人です。これまでの活躍によりX-MEN組織を作ったプロセッサーXはもちろんの事、仲間からも厚い信頼と尊敬をされるとっても優等生な存在でした。

これまでは…

なんだか今回のX-MENは冒頭からラストまで常に暗い雰囲気で進み、どっしりと重苦しい感覚を受ける展開。おもわず、これが本当にX-MENシリーズなのかと思わせるほど。壮絶なフィナーレに向けているかの如くです。

それもそのはず、すでに監督自身が公開されている情報なのでネタバレではないと思い書きますが(監督はそのミュータント名まで公開前に話している)、前半でいきなり重要なミュータントが命を落としてしまうのです。こんなにも早くに衝撃を見せられるのですから、そこからは不安という気持ちで鑑賞せざるおえないのです。

ジーン・グレイの幼少時代に抑え込まれた感情、それはプロセッサーXにより閉じ込めて抑制していたのだが、宇宙事故という形で一気に暴走し、だれにも止められない圧倒的なパワーとなってしまいました。

ダークフェニックス、ここに覚醒!

です。輝かしいフェニックスから、誰もが恐れるダークサイドに振れてしまうことにより、完全に他のミュータント達を凌駕した驚異の存在となってしまうのです。プロフェッサーXもマグニードも完全に子供の扱い。自分でも抑制できないパワーをいったい誰が止められようか…。信頼していた最強の仲間が、マーベル史上最大の最恐の脅威となり仲間にも人類にも襲い掛かるのです。その時、X-MEN達はどうするのか…。

"スペシャルな存在"として、これまでもミュータントの悲しい過去や苦しみをX-MENシリーズでは描いてきましたが、これまでも増してジーンの過去は悲しく重くあります。抑制が効かなくなった彼女は、見境もなく愛するものを不幸にしてしまうのですが、劇中でも語られる「ギフト(能力)は使い方によって便利にも凶器にもなる」という言葉のように、完全にジーン次第で天使にも悪魔にも変れるのです。

悪いことに彼女の覚醒と共に、X-MENファミリーもほころび始めてしまう。今まで支えてきたプロフェッサーXに対してメンバーからこれほどまで不信に思われることはなかったでしょう。監督自身も「本作はこれまでのシリーズとは大きく異なる」と言っていますが、まさに苦悩です。ジーンの苦悩、ミュータント達の苦悩など感情が生々しく描かれています。

今回の敵はいったい誰なんでしょうか?ダークサイドのジーンでしょうか?やっぱり人間達なんでしょうか?マグニードなんでしょうか?いやどれも違いました。一気に宇宙という存在まで広がり、想像を絶する強敵が存在したのです。

なんだ!?これは今までのX-MENをストーリーとしても遥かに超越しまってます。なんだか次元が別格というべきでしょうか。集大成であることは間違いありません。

本作、長きにわたり続いてきた、X-MEN最終章ともいわれています。20年の歴史の終焉になりますが、それにしても壮絶な結末やしませんかね。思わず涙が出てしまうほどです。本当に、終わってしまうんでしょうか、残念でたまりません。

せめて終わるなら、原作コミックでは実現している、「X-MEN VS アベンジャーズ」を実現して欲しいぃ!!!

いや~、良い映画を無料でみれて申し訳ない気分ですが、鑑賞した興奮が冷めないまま帰宅の道につくことができ幸せな時間でした。X-MENファンでなくても、是非この興奮を映画館で体験してほしいですね。(無料で観させてもらったのでせめて宣伝を!笑)

INFOMATION

英題 Dark Phoenix
製作年 2019
監督 サイモン・キンバーグ
製作 サイモン・キンバーグ
ハッチ・パーカー
ローレン・シュラー・ドナー
出演者 ソフィー・ターナー
ジェームズ・マカボイ
マイケル・ファスベンダー
ジェニファー・ローレンス
ニコラス・ホルト
タイ・シェリダン
配給 20世紀フォックス映画
受賞歴 -
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映画「アリー スター誕生」あらすじ・感想レビュー:レディー・ガガ圧巻の歌声で蘇る名作!

「アリー スター誕生」の映画情報

アリー スター誕生

上映日:2018年12月21日
製作国:アメリカ
上映時間:136分
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STORY

音楽業界でスターになることを夢見ながらも、自分に自信がなく、周囲からは容姿も否定されるアリーは、小さなバーで細々と歌いながら日々を過ごしていた。そんな彼女はある日、世界的ロックスターのジャクソンに見いだされ、等身大の自分のままでショービジネスの世界に飛び込んでいくが…。

TRAILER

REVIEW

1937年の『スタア誕生』の4度目リメイク作品なのですが、今回は実際にヒロインがレディー・ガガですから、彼女の生い立ちを見ても映画と重なるものがあります。

レディー・ガガは本作で初の主演女優としてのデビューでした。恐らく全世界が彼女の演技はいかがなものか?と鑑賞するまでは不安に思っていたのでしょうが、全く問題なかったですね。むしろ堂々とした演技で、初の主演ということは全く感じさせられない姿で女優の道まで開きましたね。そして皆さん驚いたであろう、ガガ様の美貌です。いつもは着飾ったり独特のお化粧の姿ばかりですが、彼女の素の美しさには驚きでした。

監督&主演男優は、ブラッドリー・クーパーです。本来、クリント・イーストウッドが映画化する予定であったところを、交代したということです。しかしびっくりはその音楽の才能。俳優さんでこのギターと歌の実力はすごいですね。ミュージシャンとしても売れるんじゃないかと思うくらいです。(イーストウッド監督版も観てみたいですがね)

ガガもクーパーもお互いが新境地を開いた本作は、あまりの二人の仲に映画終わった後も噂になっているくらいの状況。二人とも当時お付き合いしていた恋人と別れてしまっていますから、無理もないですね。(実際は、二人の関係は何もないということですが)

さて、映画の中身ですが、スターに上り詰めていく女性アリーと逆にスターから堕落していく男性ジャクソンの二人を愛を描きます。二人の心情の変化がまさにこの映画の重要な部分です。

特にジャクソンの心理変化が痛々しく悲しい。アルコール依存症の彼が、ふと寄ったバーで原石アリーを見つけ恋をし、彼女にスターの窓を開けた。自身が才能を見出したアリーの活躍への喜び反面、遠い存在となり音楽性が異なっていくアリーへの嫉妬が入り乱れる姿は、男性としてよくある心理でもあるのですよね。なんでしょうね、男性は独占欲や変な嫉妬やこだわりが強いですから、難しい生き物ですね。女性からの愛は変わっていないのに、なぜか不安になり傷つけてしまう。実際にジャクソンがアリーを傷つけたシーンはとても理解できてしまうのです。

最終的に、アリーの邪魔になっていると判断してしまったジャクソンが選んだ結末は…それは子供の頃の再現となる悲しい結末となりました…。彼の心情は絶望であったか、それとも愛を貫いた結果であったか、それは鑑賞者の判断にゆだねられます。

そしてアリーの心理も激動でした。バーのダンサーからジャクソンに見つけられスターまで駆け上っていく姿は、まさに彼女自身もその変化についていけずに、悩みつつも周りに影響されて天狗になってしまったのでしょう。彼女自身が少しでもジャクソンの気持ちに気づいていれば、結末は変わったのでしょう。後悔しても後悔しきれない思いにさいなまれているでしょう。

映画の全体的な感想としては、途中ちょっと主演二人の事ばかりを主体に描きすぎて、だらけた感も感じでした。もう少し二人だけでなく周りの人たちとのドラマも入れ込んでみても良かった気がします。

でも、だらけてきたなってタイミングで、まさにガガ様の素晴らしい歌声や音楽がガツンと入ってくるので、うまく音楽をおり交ぜた作品にもなっていたでしょう。後悔したのは、この映画は、映画館で観るべきだったなと思いました。(ちなみに、国際線飛行機でしょぼいヘッドホンとちっちゃ画面で観ましたが…笑)

ラスト、ジャクソンが昔の二人を思いアリーへの愛を語った曲とアリーの素晴らしい歌声は、ジャクソンがずっと求めた姿に戻った瞬間でした。

そう、アリーが本当のスターになった瞬間です…。

INFOMATION

英題 A Star Is Born
製作年 2018
監督 ブラッドリー・クーパー
製作 ビル・ガーバー
ジョン・ピータース
ブラッドリー・クーパー
出演者 レディー・ガガ
ブラッドリー・クーパー
アンドリュー・ダイス・クレイ
デイブ・チャペル
サム・エリオット
アンソニー・ラモス
配給 ワーナー・ブラザース
受賞歴 第91回 アカデミー賞主題歌賞
第76回 ゴールデングローブ賞主題歌賞
放送映画批評家協会賞 主演女優賞
リンク 公式サイト

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映画「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」あらすじ・感想レビュー:ゾンビ誕生の歴史的作品にして原点!

「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」の映画情報

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド

製作年:1968年
製作国:アメリカ
上映時間:96分
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[楽天で見る]


 

STORY

墓参りにやってきた兄妹ジョージとバーバラ。そんなふたりに、甦った死体が襲いかかる。ジョージは格闘の末に死亡し、近くの家に逃げ込んだバーバラは他の避難者たちと合流する。しかし一行は死者の襲撃を前にしながら対立。ゾンビの群れは容赦なく押し寄せてくるが…。

TRAILER

※昔の映画なので怖くないですが、ホラー嫌いな方は閲覧お控えください!

REVIEW

だいふく

ロメロ御大のゾンビが観れない、なんてつまらないにゃ!

ということで、今回のレビューはゾンビ映画の原点を紹介したいと思います。

本作は、ジョン・A・ルッソの原作をジョージ・A・ロメロ監督により映画化されたのですが、まさにゾンビ映画の原点となった、歴史的作品となりました。1968年に作られた作品ですが、まさにこの時代に死体が歩く、そして人を食べるなんてことは、誰もが想像すらしていなかった時代ですから、タブーを打ち破った作品でもあります。

現在では、ゾンビ映画なんて当たり前で量産されている状況ですが、その生みの親がジョージ・A・ロメロ監督となります。歴史的作品は、マスターフィルムがニューヨーク近代美術館に永久保存されていることでも有名です。

しかし、ジョージ・A・ロメロ監督は2017年にお亡くなりになりました。ゾンビファンにとってロメロ御大のゾンビ映画が観れないことは、本当に悲しいことです。

さて本作ですが、いわゆるゾンビの原点となった作品なのですが、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』→『ゾンビ』→『死霊のえじき』で、のゾンビ3部作といわれています。(この後にもゾンビ映画作られてはいます)邦題では分からないのですが、原題だと『Night of the Living Dead』→『Dawn of the Dead』→『Day of the Dead』となっており、ゾンビ映画=of the Dead(オブ・ザ・デッド)も、ここから来ています。

今見ると、「ゾンビ怖くねぇ~」ってのが第一感想です。

それもそのはず、怖い映画なんてほとんど無かったこの時代、低予算で出した結論は、人間の顔に白塗りでゾンビの出来上がりです!でも、低予算でも特殊メイク使わなくても、"伝説"を残せるんです!

また、すばらしいところは、ゾンビ映画ではありますが、ゾンビそっちのけでいがみ合う人間描写です。人間が7名ゾンビに囲まれた家に取り残され、地下室で待機VS地上待機、外に出て逃げるVS家で助けを待つ、などの意見の対立ばかりで協力心全くなし。そして、バービー人形みたいな、おねーさんのやる気のなさったらありゃしない…。

ロメロ御大のゾンビ映画は、一貫してゾンビはおまけで醜い人間の姿を描いていますので、他のゾンビ映画とは一線を画しているのです。

本作で、もう一つ忘れてはならないのが音響効果です。低予算でも、音響効果を使って十分に怖さを出しており、最初の方は、無声映画かとも思えるくらいですが、要所要所で発生する音が恐怖を出してくれます。この時代ならではの技術ですね。

ラストもスッキリさせてくれない!地獄の夜を生き残った黒人男性。助けを求めて窓に近づいた瞬間に眉間に突き刺さる銃弾…。そう、ゾンビと間違われ射殺されてしまうのでした。

死者が蘇り生者の肉を喰うというゾンビの定義を作り、後世に、多くのゾンビ映画を産む作品でした。

ゾンビ伝説ここにあり!

INFOMATION

英題 Night of the Living Dead
製作年 1968
監督 ジョージ・A・ロメロ
製作 カール・ハードマン
ラッセル・ストライナー
出演者 デュアン・ジョーンズ
ジュディス・オディア
カール・ハードマン
マリリン・イーストマン
キース・ウェイン
配給 ウォルター・リード・オーガニゼーション
受賞歴 -
リンク -

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映画「スマホを落としただけなのに」感想・レビュー:私のすべてが壊されていく…

 

スマホを落としただけなのに

スマホを落としただけなのに

「スマホを落としただけなのに」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

いつものように彼氏に電話をかけた麻美は、スマホから聞こえるまったく聞き覚えのない男の声に言葉を失うが、声の主はたまたま落ちていた彼氏のスマホを拾った人物だった。彼氏が落としたスマホが無事に戻ってきたことに一安心する麻美だったが、その日から麻美の日常は一変する。まったく身に覚えのないクレジットカードの請求、それほど親しくない友だちからの執拗な連絡……それらは麻美のさまざまな個人情報が彼氏のスマホからの流出を疑う事象の数々だった。一方その頃、ある山中で若い女性の遺体が次々と発見される事件が起こる。すべての遺体には、いずれも長い黒髪が切り取られているという共通点があり……。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 スマホを落としただけなのに
製作年 2019年
製作国 日本
上映時間 116分
監督 中田秀夫
脚本 大石哲也
メインキャスト 北川景子
千葉雄大
成田凌
田中圭
受賞歴 ・日本アカデミー賞新人俳優賞


 

「スマホを落としただけなのに」映画解説

だいふく

現実でもあり得そうなスマホを落とすことによる恐怖を描いた作品ニャ!

作品解説

原作は、志駕晃の同名ミステリー小説になります。その後、マンガとして連載しており、記事を書いている2020年11月時点でも続刊されています。映画は、マンガかスタートの同年に公開され、公開から3週間で累計動員107万人、興行収入14億円を記録しました。

映画の監督は、『リング』の中田秀夫監督がメガホンを取り、北川景子をヒロインとして迎えた作品ですが、成田凌の怪演が目立ち評価され、第42回 日本アカデミー賞にて新人俳優賞を受賞し、一躍俳優として有名となりました。

関連作品

【続編】

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

「スマホを落としただけなのに」感想・レビュー

このご時世スマホ頼りとなり何でもできる世の中になり、スマホが傍にない時の不安感は半端ない気持ちに皆さんもなるかと思います。もしスマホを無くしてしまったら…と言う心理も含めうまく映画にした作品でした。

彼氏がスマホを落としてしまったばかりに、結果振り回されてしまう稲葉麻美(北川景子)が何とも可哀そうになります。SNS乗っ取りられた挙句のパスワードロックからの写真バラマキなんかは、自分に置き換えてみるとぞっとしますよね。

さらに他人なりすましやクレカ情報抜き取りの手段も現実でもあり得ると思うので、身近な犯罪としての恐怖を覚えました。改めてネットでの個人情報やカード情報の扱いは気を付けなきゃと引き締まる思いでしたが、そういった意味では、良い教訓にもなる映画でもあります。

 

ただ、テーマは良かったのですが映画としては何とも普通ってのが正直な感想です。監督は、あの日本最恐ホラー「リング」の中田秀夫ですから鑑賞前は非常に期待しましたが、年齢制限なんかも気にしたのでしょうか?恐ろしさの要素が全くないのです。もちろんホラー映画ではないですが、もう少し犯罪映画としては犯人の異常性を引き立たせてくれる恐怖を出してくれたら面白かったと思いましたが。

しまいには、中盤からの急展開となりますが、犯人がすぐわかってしまうんです。登場人物的にはこの人しかいないでしょ!っとなってしまい、ホラー要素でもサスペンス要素でも、少し中途半端な展開であった気がします。

 

そんな中で、特筆すべきはやはり若手男性俳優陣の千葉雄大と成田凌の二人の存在でした。二人の作品は本作を観るまでは、ほとんど観たことなかったんですが、本作では強烈なインパクトを残した演技ではなかったでしょうか。特に成田凌の怪演は見事でした。今後、色々な映画で二人の活躍は期待できますね。

スマホを落としただけなのに

出典:映画.com

 

スマホを落としただけなのに

出典:映画.com

それに対して、いつもながら北川景子の演技がイケてない…。彼女の演技はどこか白々しさが無いですか?特に、本作では男性俳優陣の演技力の影響もあり目立ってしまいましたね。まぁ、彼女は演技力よりはその美貌が武器なわけですから、美しさでヒロイン役をとれるのですから、美貌という才能ともいえましょうか。

スマホを落としただけなのに

出典:映画.com

 

原作と同じく映画でも続編も作られますが、千葉雄大と成田凌の若手2人が中心となっていくので期待はしたいと思います。が、しかし「スマホと落としただけなのに」のタイトル自体が続編で意味を持つのかは気になりますね…。

 

だいふく

千葉雄大さんと成田凌さんに、虜になってしまうニャ~。

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映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のあらすじ・感想レビュー:世界にゴジラが怪獣界のキングと知らしめた!

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の映画情報

ゴジラ キングオブモンスターズ上映日:2019年05月31日
製作国:アメリカ
上映時間:132分
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STORY

前作から5年後の世界を舞台に、モスラ、ラドン、キングギドラなど続々と復活する神話時代の怪獣たちとゴジラが、世界の覇権をかけて戦いを繰り広げる。また、それによって引き起こされる世界の破滅を阻止しようと、未確認生物特務機関「モナーク」に属する人々が奮闘する姿を描く。

TRAILER

REVIEW

だいふく

興奮しっぱなしです!最高だったニャ!!!

初日、朝一会社休んで観に行きました!笑
いやね、年齢バレてしまいますが、ゴジラは幼少時代に大好きだった映画で亡き父と映画館で鑑賞してました。それも「ゴジラVSキングギドラ」が大好きでした。「ゴジラVSモスラ」も好きでしたねー。

約30年の歳月がたち、またこの子供の頃の興奮を大画面大迫力で楽しめるなんて、なんて幸せで素晴らしいことしょう!四大怪獣、ゴジラ、キングギドラ、モスラ、ラドンが大暴れですよ!

さらにうれしいことは、アレンジは加わってますが、ちゃんと音楽も昔の映画音楽をベースにしてくれており、再び「モスラ~ヤ、モスラ~」って口ずさむことができるとは!知らない方は、YouTubeにありました!

流石ハリウッドのゴジラでした。怪獣同士の戦いは大迫力。これほど映画館で観ることの感動を覚えた映画は余りないです。大迫力過ぎますよ、これ。予告の動画にもありますが、キングギドラが仁王立ちで羽を広げ稲妻がほとばしる姿は圧巻です!対してゴジラも負けてなく、放射能たっぷり満タン状態(さらに暴発気味)になったゴジラの姿と吠える力の凄まじさは、ただただ観ていて迫力に圧倒されました。2大怪獣の迫力に対して、モスラは綺麗な輝きと美しさに圧倒させられるという。

怪獣だけでなく、本作は人間ドラマもちゃんと描かれており(ママは許せないけどちゃっかり最後持って行っちゃうのが納得いかなかったけど)、家族愛やゴジラ愛!?なんかも良く描かれて入れ、渡辺謙が結構渋い役で名脇役な感じでしたね。

ハリウッドがゴジラ作ったらこんなになるんだって、実力をまざまざと見せつけられた感じです。でも、ちゃんと日本のゴジラへのリスペクトも要所要所に感じられ、ちゃんとオリジナルも観て、ゴジラ好きの人たちが作ったんだなと思える作品でしたよ!たぶん古きゴジラ世代のオジサン達はワクワクが止まらい童心に戻った感覚を覚えるにい違いません。

過去のゴジラ知っている人も知らない人も、是非観て頂きたい映画です。ストーリ性もあるにはありますが、正直ド迫力の怪獣達の戦いを中心に観るといいですよ!あとエンドロール後に少し続きがありますのでご注意を!

さてさて、続編作ってくれるのでしょうか?

個人的には、ハリウッド版「ゴジラVSビオランテ」なんかも観たいですが、日米対決「ゴジラVSキングコング」も面白いかもです。次はメカゴジラなのかなぁ~。是非VSシリーズ復刻してほしい!あぁワクワクが止まらない♪

【追記】2019年6月3日

続編は、「ゴジラ vs キングコング」で決定しているようです。2020年3月13日に米国公開予定とのこと!楽しみですねぇ!

INFOMATION

英題 Godzilla: King of the Monsters
製作年 2019
監督 マイケル・ドハティ
製作 メアリー・ペアレント
アレックス・ガルシア
トーマス・タル
出演者 カイル・チャンドラー
ベラ・ファーミガ
ミリー・ボビー・ブラウン
渡辺謙
チャン・ツィイー
ブラッドリー・ウィットフォード
配給 東宝
受賞歴 -
リンク 公式サイト

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映画「スティーブン・キングのランゴリアーズ」感想・レビュー:10人は生き残れるか

 

ランゴリアーズ

ランゴリアーズ

「スティーブン・キングのランゴリアーズ」映画情報

あらすじ

ロサンゼルスからボストンへの夜間フライト。眠っていた数名の乗客たちが目を覚ますと、周りから人間が消えていた。衝撃の事実を前に絶望と恐怖でパニックに陥りながらも、元の世界に戻る方法を必死で探す彼ら。そんな中、想像を絶する悪の手が忍び寄ってくる…。

予告編

作品データ

原題 The Langoliers
製作年 1995年
製作国 アメリカ
上映時間 180分
監督 トム・ホランド
製作 デビッド・カッペス
原作 スティーブン・キング
メインキャスト デヴィッド・モース
マーク・リンゼイ・チャップマン
パトリシア・ウェティグ
ケイト・メイバリー
ブロンソン・ピンチョット
受賞歴 -


 

「スティーブン・キングのランゴリアーズ」映画解説

だいふく

スティーブン・キング原作の名作映画だニャ!古いけど怖い人間ドラマも観れる大好きな映画ニャ~。

作品解説

スティーブン・キングが1990年に発表した中篇小説Four Past Midnightに含まれる1篇の映画化ですが、時間は180分と長丁場となっています。監督は、『チャイルド・プレイ』で有名な、トム・ホランドです。

 

タイトルにもなっている"ランゴリアーズ"とは、夜間飛行の同じ飛行機に乗り合わせた人たちが過去の時間に取り残され、迷い込んだ土地で登場する人喰いモンスターのことです。口だけモンスターといった姿をして、何でも食い尽くす怪物とされてます。チープなCGゆえに、滑稽さがあふれるユニークな姿です。

ランゴリアーズ

ランゴリアーズ

残された10人

本作では、旅客機の中、眠っていた10人以外は忽然と姿を消し、消えた人間の身につけているものは機内に残ったままという不思議な状況となり、残された10人を中心に描いた映画ですが、残った10人が個性豊かで絶妙な設定でした。

10人の紹介

・元妻の死を知りかけつけようとしている機長
・極秘任務についている工作員
・謎を解き明かそうと努力する推理小説化
・目の手術をするために向かう盲目の少女
・父親の愛情を得られず精神異常の重役銀行員
・変わり映えの無い日常に嫌気がさしペンフレンドに会いに行く女教師
・酒、ドラックの矯正施設に入れられるため向かう女性
・おとなしいが勇敢な学生
・孫に会いに行くために乗り合わせた黒人男性
・最後まで眠って、常にお腹を空かせているのんびりやの中年男性

彼等はそれぞれの目的を持ってボストン行きの旅客機に偶然に乗り合わせたはずであったのに、最終的には、選ばれるべきして残された10名としか言いようが無いほど物語に重要で1人として欠ける事が出来ない10名でした。 

「スティーブン・キングのランゴリアーズ」感想・レビュー

古い時代を知っている方であれば、スティーブン・キングといえば、本作か『IT/イット』と言う方が多いのではないでしょうか?『IT/イット』はリメイクされたため若い人にも知られましたが、本作も負けてないくらい面白い作品で好きな映画です。

 

冒頭30分で虜になる面白さ。この先何が起こるのか、どんな展開になるのかと、出だしからすぐにのめりこみます。夜間飛行の同じ飛行機に乗り合わせた人たちが過去の時間に取り残され、他人同士であった個性的な10名がおりなす展開が実に興味深く面白いです。リーダーシップをとるもの、不信感を示すもの、嘆くだけのもの、徐々に恋愛が芽生えるもの、今までの人生に後悔を示すものと様々な人間模様が描かれます。

 

特記すべきは、盲目少女とダイナと精神異常者のトゥーミーとの関係でした。トゥーミーを救いたいと声をかける彼女は、トゥーミーに胸をナイフで刺されてしまうのです。それでもダイナはトゥーミーのことを常に思い気にかけ、彼のトラウマである父親という苦しみから解放させようとします。観ていて、ダイナの心の優しさや清さに感動すら覚えるのです。

が…。そこはスティーブン・キング原作ということを失念してました・・・。最終的な結末は。ダイナみんなを救うため、トゥーミーを人喰いモンスターランゴリアーズの餌食にしただけだったのです。おぉ~何たることだと少しでもダイナの姿に感動した自分を悔やむのです。

 

そうです、この作品は人喰いモンスターのランゴリアーズはおまけの存在であって、同じ危機に置かれた時の人間の生き様を描き、人間の本質が見え隠れします。人間のすばらしさと共に、人間の残酷さも表現されているのです。

最終的に生き残った者の喜び方は異常なほどで違和感も覚えました。だってね、数分前には生き残れた者のために犠牲になった人がいるんです。そんなことは一瞬で忘れてしまったような強烈な歓喜です。特に女教師は、死んだ工作員と直前まで愛の約束までしてたのに。

協力し合ってきたのに、最後の最後に所詮は偶然に出会った10人、自分が助かることが一番と言いたげなラストであります。

 

さてさて、もう一つの見所(といっていいのか!?)は、人喰いモンスターランゴリアーズの姿です。足音は聞こえども姿は見えず。もぅ、とことん引っ張って、引っ張って、引っ張り続けて期待させた挙句、登場したのはチープなCGで違和感有りまくりの、口だけモンスター!

えっ!ちゃっちぃ~~~!!!

ランゴリアーズ登場シーン

ランゴリアーズ登場シーン
だいふく

ちゃちなCGは、面白すぎて吹き出しそうになったニャ~。

「スティーブン・キングのランゴリアーズ」関連商品

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映画「累 かさね」のあらすじ・感想レビュー:女優の執念を二人二役で描く!

「累 かさね」の映画情報

累 かさね

上映日:2018年09月07日
製作国:日本
上映時間:112分
[Amazonで見る]
[楽天で見る]


 

STORY

伝説の女優の娘・淵累は卓越した演技力を持ちながら、自分の醜い外見にコンプレックスを抱いて生きてきた。彼女の母親は、キスした相手と顔を取り替えることが可能な謎めいた口紅を娘にのこす。一方、舞台女優の丹沢ニナは、容姿に恵まれながら芽が出ずにいた。やがて二人は出会い反発し合いながらも、互いの短所を補うために口紅の力を使うことにする。

TRAILER

REVIEW

当時映画館で鑑賞し先日レンタルでさらに鑑賞。初見の時は、予備知識なくみましたが、衝撃な物語と展開にのめり込んで観ました。土屋太鳳と芳根京子のダブル主演ですが、"二人二役"の難しい内容でも見事に演じ切っていましたね。キスをして入れ替わった時の表情の変化は、なかなか見ごたえありました。入れ替われるのは12時間という制限というルールがうまく映画のキーポイントとして使われているのがまた面白さのスパイスになっています。

この映画の見どころを簡単に表すと、淵累の心情変化でしょう。醜い外見でコンプレックスの塊であった淵累が、容姿端麗の丹沢ニナと度々入れ替わることにより、内気で遠慮がちだった淵累が、脚光を浴びることへの快感(居場所)を覚えついには、狂喜へと変貌していく。そう、母親のように。前半では丹沢ニナが支配していた関係が、後半では完全に逆転してしまうのですから、その変化が非常に面白くもあり、怖さを感じるのです。

二人の心情だけでなく、物語の展開自体もラスト行くに連れ2転3転となりますので、先が読めないハラハラな感覚がこの映画の醍醐味でもありました。

そして、ラストのサロメの土屋太鳳の演技は目を見張るものがありました。サロメの演劇内容と女性(女優)の執念が見事に重なり、まさに狂喜の演技です

でも、少し残念だったのは、烏合零太を演じる横山裕です…。ご本人演技力という意味ではないのですが、今回の役柄と合って無いと思いませんか?小難しい天才の演出家を演じさせるには、横山裕自体が実際がそういったキャラではないため、観ていて完全にミスキャストだよなぁって。キスシーンもなんか不器用な感じがアチャチャでした。淵累とニナが対立していくきっかけにもなる重要な人物でもありますからシリアスで気難しそうな俳優さんを選んであげた方が良かったかもしれません。(念のためですが、横山裕自体は嫌いでも何でもないですから!むしろジャーニーズの中では好きな方です)

とはいっても、メインは女優お二人ですから、美しい容姿と大きな傷がキスをすることで入れ代わり立ち代わりするってだけでも、非常に観る価値はあるかと思います。

土屋太鳳VS芳根京子、さて軍配はどちらに…!?

INFORMATION

英題 -          
製作年 2018
監督 佐藤祐市
原作 松浦だるま
出演者 土屋太鳳
芳根京子
浅野忠信
檀れい
横山裕
筒井真理子
配給 東宝
受賞歴 -
リンク 公式サイト

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映画「ぼくのエリ 200歳の少女」感想・レビュー:恐ろしくも悲しい残酷なラブストーリー!

 

ぼくのエリ 200歳の少女

ぼくのエリ 200歳の少女

「ぼくのエリ 200歳の少女」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

内気で友達のいない12歳のオスカーは、隣の家に引っ越してきた不気味な少女エリに恋をする。しかしエリの正体は、人間の血を吸いながら町から町へと移り住み、200年間も生きながらえてきたバンパイアだった。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Let the Light One in
製作年 2010年
製作国 スウェーデン
上映時間 115分
監督 トーマス・アルフレッドソン
製作 ヨン・ノードリング
カール・モリンデル
脚本 ヨン・アイビデ・リンドクビスト
メインキャスト カーレ・ヘーデブラント
リーナ・レアンデション
受賞歴 ・エンパイア賞最優秀ホラー作品賞
・英国インディペンデント映画賞外国映画賞
・ボディル賞非アメリカ映画賞
他多数


 

「ぼくのエリ 200歳の少女」映画解説

だいふく

禁断の名作ラブストーリーだニャ!

作品解説

北欧の夜を背景に、孤独な少年の心の動きを丹念に描いた本作は、その叙情的な映像と普遍的な物語が世界中で評価され、ゴールデングローブ賞外国語映画賞にノミネート、ワシントンDC映画批評家協会賞外国語映画賞はじめ世界各国で60以上の賞を受賞した映画です。

ホラージャンルとして位置づけはされていますが、少年とバンパイアが、周囲に受け入れられない存在であるという共通点から互いに接近し、冷たい夜の中でほのかなぬくもりを求め合うラブストーリーでもあります。

金髪の無垢な少年と、黒髪の叡智溢れる少女バンパイアという対照的な存在を、映画登場人物と同い年だった、無名の子役たちであるカーレ・ヘーデブラントとリーナ・レアンデションが演じ切った素晴らしい作品です。

関連作品

※タイトル後に外部リンクアイコンがあるものはAmazonに飛びます。

【リメイク】

モールス

問題のモザイクシーン

ネタバレ度注意!

本作ではストーリーに重要な意味を持つシーンにモザイクをかけてしまったことで、映画ファンからの批判が出たという事象がありました。私もそのシーンには違和感しか覚えず、配給会社&映倫にクレームを出したいと思ったほど。

 

問題のシーンは、バンパイアであるエリの着替えをオスカーが隠れて見てしまうシーンでした。エリの股間に大きなボカシが入ってしまいます。実は、これに関しては、本来は男性器を去勢した傷跡になっているのです。そうなんです、少女と思っていたエリは男性だったのです!それを知ることは、このシーンのみですのでボカシを入れられると、鑑賞者はエリは少女と思ったままになるのです。

そうなのです。少年オスカーはエリが男であることを分かっていても愛を貫いたんです。ただ、ボカシのため物語の重要なシーンでの意味が全く伝わりません。

 

フリーセックスで有名(性犯罪でも…)なスウェーデンに対し、まったく卑猥ではない映画の重要要素ににまでモザイクをかけてしまう、古い考えの日本のスタイルは呆れますね。

「ぼくのエリ 200歳の少女」感想・レビュー

人間とバンパイアの切ない恋。といえば、これまでにも似たような作品はありましたが、圧倒的に美しくそして考えさせる衝撃的名作でした。

スウェーデンの非常に綺麗な雪化粧風景の中で静かに淡々と進む幼い恋と残酷な殺戮…。相反する2つが見事に融合し美しさすら感じます。12歳の子供が主役だからといって映画の質も一切落としておらず、幼い2人の名演技に完全に心を奪われてしまいます。

 

いじめられっこの少年オスカーに勇気をくれるバンパイアのエリ。エリのおかげでオスカーはいじめられっこに仕返しをすることができました。暗い過去を持ったエリに好意を抱くオスカー。オスカーのおかげでエリの心に温かさがともりました。徐々に距離が近づいていく二人、しかし決して幸せとは呼べない禁断の恋なのです。

ぼくのエリ 200歳の少女

 

物語ではエリの父親として描かれていた男性が居ます、はっきりとした説明無いですが、彼もまたオスカーと同じくエリを愛してしまった一人なのでしょう。年齢が止まってしまったバンパイアに対し、刻々と年齢を重ねていく人間にとって一人だけ老いていくことは辛いことでしょう。次第に年齢が近いオスカーに惹かれていくエリに父親のような存在だった男は「今夜は会わないでくれ」と発した言葉が非常に切なさを秘め印象的でした。命を懸けてまでエリを守る、彼もまた魅せられてしまった人間。

 

オスカーも必ず同じ運命をたどるんだよね...

 

一度は離れた決断をしたオスカーとエリだが、ラストのプールシーンでは無音でいじめっ子達の頭や腕が引きちぎられていく残酷な展開の中、エリの美しく可愛らしい顔とオスカーの微笑みは、残酷シーンすら美しいシーンに変えてしまう二人の愛情と魅力が伝わりました。さて、モールス信号を送りながら愛を語らう二人の未来はどうなっていくのでしょうか…。

ぼくのエリ 200歳の少女

 

いや~。見事な作品でしたが、エリは本気の愛であったのか、生きていくために利用しようとしたのか、それは鑑賞者に判断はゆだねられます。私は、一度離れ戻ってきたことは本気の愛だったと信じたいです。(そうじゃないと、オスカーの未来が悲しすぎる)

だいふく

オスカー君の未来が心配だニャ…。

「ぼくのエリ 200歳の少女」関連商品

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