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映画「ラ・ヨローナ ~泣く女~」のあらすじ・感想レビュー:死霊館シリーズのスピンオフ!

「ラ・ヨローナ ~泣く女~」映画情報

ラ・ヨローナ ~泣く女~ 製作年:2019年
 製作国:アメリカ
 上映時間:93分
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あらすじ

愛する夫に浮気をされ、嫉妬に狂った結果、夫が世界で一番愛する我が子を溺死させてしまった女、ヨローナ。そのことを後悔し、嘆き苦しんだ彼女は自ら川に身を投げた。呪いとなってこの世をさまようヨローナは、子どもたちをさらっていく。1970年代のロサンゼルス。ソーシャルワーカーのアンナは子どもたちが危険にさらされているという、ある母親からの助けを無視してしまうが、それは泣き声を聞いた子どもが必ず連れ去られてしまうヨローナの呪いだった。そして、ヨローナが次のターゲットとして狙いを定めたのは、アンナの2人の子どもたちだった。

予告

映画データ
原題 The Curse of La Llorona
監督 マイケル・チャベス
製作 ジェームズ・ワン
ゲイリー・ドーベルマン
キャスト リンダ・カーデリニ
レイモンド・クルツ
パトリシア・ベラスケス
ショーン・パトリック・トーマス
ジェイニー=リン・キンチェン
受賞歴 -

「ラ・ヨローナ ~泣く女~」感想レビュー

作品について

本作は死霊館シリーズに属する作品となっており、時系列上では『アナベル 死霊博物館』と『死霊館 エンフィールド事件』の間に位置しているそうです。『アナベル 死霊館の人形』に登場したペレス神父が登場し、劇中にもアナベル人形が出てきますが、映画のストーリにアナベルは直接は関係しません。なんだか結構無理やりに登場させた感が満載ではありますね…。

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古典的な幽霊ホラーであり、古典ホラー王道の屋敷物&悪魔祓いという組み合わせです。幽霊はヨローナ。実際に中南米に伝わる怪談みたいですが、愛する夫が若い女と浮気し、その嫉妬に夫が世界で一番愛する我が子を溺死させ自らも川に身を投げた過去がある、割と身勝手な幽霊でございます。しかも、浮気された側の子孫ならまだしも、後世の全く関係ない人々を恨むという、ほんとお門違いな幽霊だことです。

ホラーとしての怖さは、死霊館シリーズの中で比較してみても、そこまで怖くはありません。ただし、水に関わる幽霊でもありますので、しっとりじんわりとした、いや~な雰囲気はしっかり出ています。神出鬼没なところや子供一人の時を狙ってくるためたちが悪い幽霊ですね。

だいふく

あまりにも自分勝手すぎる幽霊だニャ!

感想

なんだか可もなく不可もなく、そして怖さもどっちつかずな感じで、普通だったな~っが率直な感想です。死霊館シリーズの位置づけでみたら、かなり物足りなく感じる方が強いですね。シリーズの他の作品が面白く怖すぎるので、正直どうして死霊館シリーズとして本作を作ったのかが、分かりません。

物足りなさがどこかと言いますと、ほとんどありきたりな展開なのです。特段目新しさも感じられず、屋敷物&悪魔祓いという設定の枠の中で、本作ならではと言えるアッと驚かされるような展開も無いです。メキシコ出身のヨローナが、なぜロサンゼルスで大活躍中(大呪い中)なんだろうか、恨むならメキシコでやってくれよ~って言いたくなるのも理解ができませんでした。

その中でも、CGをほぼ?使わずにヨローナの怖さを出しているのは良かったと思います。やっぱり霊的な存在はCGよりは生身の人間で演じた方が怖いです。メイクには毎回4時間もかかっていたそうですよ。

この映画では、母親の愛と子供がキーポイントになるのは間違いないです。嫉妬心で我が子を殺してしまったヨローナに対して、自分の命をかけてでも必死で我が子を守るアンナの子供達への愛の対局さが見どころであり良く描かれていました。子供達がヨローナに怯えながらも立ち向かう姿も健気で良かったと思います。子役としての演技もフレッシュさが出ていたので、展開が普通な分救いになったのではないでしょうか。

結局のところ、ジェームズ・ワンが、短編映画しか作ったことないマイケル・チャベス監督の力を試すのに、「死霊館本編いきなりだと心配なので、スピンオフ的にちょっと長編チャレンジしてみなよ~」みたいなノリって作らせたような気がするのです。結果、死霊館ブランド傷つけてしまった気がしますがね…。

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映画「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」のあらすじ・感想レビュー:ルーザーズ再集結!

「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」映画情報

IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 製作年:2019年
 製作国:アメリカ
 上映時間:169分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

小さな田舎町で再び連続児童失踪事件が起こり、「COME HOME COME HOME(帰っておいで……)」という、「それ」からの不穏なメッセージが届く。幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った約束を果たすため、町に戻ることを決意するが…。

予告

映画データ
原題 It: Chapter Two
監督 アンディ・ムスキエティ
製作 バルバラ・ムスキエティ
ダン・リン ロイ・リー
キャスト ビル・スカルスガルド
ジェームズ・マカボイ
ジェシカ・チャステイン
ビル・ヘイダー
イザイア・ムスタファ
ジェイ・ライアン
ジェームズ・ランソン
受賞歴 -

「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」感想レビュー

作品について

だいふく

オリジナルは子供の頃トラウマになった映画にゃ

スティーブン・キングの小説「IT」の映画化となります。オリジナルとしては劇場の公開は無いのですが、1990年にテレビミニシリーズ版として放映され、日本でもテレビで放映されました。オリジナルの感想レビューも書いていますのでよろしければ見てください。

その後、2017年に新鋭アンドレス・ムシェッティにより、前編を映画化リメイク。邦題は「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のタイトルで上映し、なぜか学生たち若い層からも支持され、当時の映画館は若い人たちであふれかえっておりました。全世界でも伸びて、たちまちホラー興行収入歴代No.1に輝くという快挙を築きあげています。

本作はその続編にあたります。

人間の弱さに付け込む不気味なピエロのペニーワイズに悩まされる人たちを描き、前編は幼少時代、本作の後編が大人になった現代を描き、前編ではいじめっ子に立ち向かいながら、ペニーワイズの恐怖に立ち向かう、ルーザーズクラブを結成した7人の友情、後編ではもし。「IT」が生きていたら、再集結するという約束の元27年の歳月の末、ペニーワイズが復活したというシーンから始まります。

キャストについて

ピエロのペニーワイズを演じるのは、スウェーデン出身のビル・スカルスガルドです。いや~この顔は怖すぎる!もちろんCGを駆使していたりしますが、もう顔面狂気としか言いようがありません。すっぴんの彼は結構イケメンなんですが、この映画でペニーワイズのピエロの顔が染みついてしまいました。この後の出演映画は大丈夫かしらと心配になりますが、顔の恐怖で一躍世界的に有名になったことは間違いありません。

ルーザーズクラブの面々もホラー映画とは思えないほど豪勢な顔ぶれでした。特にジェームズ・マカボイとジェシカ・チャステインの「X-MEN」出演コンビの出演には驚きです。メジャー俳優といってよい二人が、正直ホラー出演するとは思っていなかったですし、劇中での血まみれ、水まみれ、もちろんの体当たりな汚れ演技だけでも、見る価値があります。

余談となりますが、個人的にジェームズ・マカボイが涙ぐむ姿が好きなんです。涙はこぼれてはいけないです、こぼれずくらいの瞬間。本作でも何度か出てくきますので注目です!!!

感想(オリジナルとの比較)

率直な感想は、怖くはなかった!良い意味でも悪い意味でも、楽しかった!でした。

前作の超絶ヒットでの儲けがあったせいでしょうか!?ものすごくお金をかけた豪華なホラー映画という印象で、いまだかつてここまでお金をかけたホラー映画ってあったのかと思えるくらいの満腹感。

ピエロだけに、まるでサーカスや遊園地を体験しているのかと錯覚するほど、様々なホラーシーンがせわしなく繰り広げられるため、ホラーアトラクションに乗っているような気分になります。

精神的恐怖ではなく、視覚と聴覚での恐怖でもあるため、へんてこなモンスターやCG、要所要所の爆音やらが目白押しで、ドキッっと驚くことはあっても、心底震えるような怖さは余りないのです。

ドキッなシーンも音には驚くのですが、ホラーお約束の来るぞ来るぞ~!なんでそこ開ける!なんでそこに行く!なシーンが沢山あるのですが、ちゃんとお約束通り来ます!なので途中からそういったシーンでは、ドキドキせずもうお約束通り来る!と思って鑑賞すれば、なんだか楽しく感じれるのでした(笑)

ラストのペニーワイズとの闘いは、ものすごく忙しい。次から次へとルーザーズクラブのメンバーに襲い掛かる恐怖体験は、アトラクションそのものでした。(顔に脚がはえたモンスターは「遊星からの物体X」を意識したの???)

ということで、ここからはリメイク版の本作(以降本作と書きます)と1990年オリジナル版(以降オリジナルと書きます)との比較をしてみましょう。

【ピエロ:ペニーワイズ】

どちらも怖かった!本作はCG頼りがあるので怖いのは当たり前ですがビル・スカルスガルドの顔面狂気が秀逸であります。一方、オリジナルは不気味さが断トツです。ピエロがトラウマとなってしまう社会現象が起こる程でしたから。

強さで比較すると、確実に本作のペニーワイズの方が強かったと思いますね。オリジナルのラストは、あらら…な展開弱っちかったですし、後編版は大人のルーザーズクラブを逆に怖がって退けようとしていましたし。

命を狙う対照が、オリジナルは子供に対して、本作は大人も対象(一番最初の犠牲者の事)なんですよね。そこは少し疑問に感じました。

【ルーザーズクラブの友情】

「ITイット」の良いところは、なんといってもルーザーズクラブのメンバーによる友情と甘酸っぱい恋愛でもあります。これに関しては、私はオリジナルの方が良かったです。幼少時代の関係をしっかり活かしながら、深い絆がしっかり描かれていたと思います。今現在の、彼らが社会生活で置かれた立場もちゃんと絡めて描いていました。

一方、本作では第一が恐怖体験がテーマです。もちろん友情や恋愛も描いているのですが、なんだかおまけのような感覚を受け、仲間たちの絆や友情、恋愛が薄っぺらく感じてしまいます。現在の社会生活の置かれた彼らの立場も冒頭でこそ出てきますが、以降は関係なかったと思える描き方。特に唯一の女性ベバリーが暴力旦那に怯えている事は、物語の恋愛心理のキーともなるはずなので、余り描ききれていないのは残念でした。

【物語の展開】

基本は両者同じ展開です。しかし、本作は儀式的な要素を入れ込んでしまったため、かなり違和感を覚えました。「IT/イット」の物語の展開からして、それは違うんじゃない!?なんだか安っぽく感じてしまうのです。

もう一つ残念だったのは、幼少時代いじめていたグループのリーダーのヘンリーが精神を病みつつもペニーワイズに操られ、復讐にくるシーンがありますが、オリジナル観ていない人意味わかったでしょうか???結構大事な悪役だと思うので、もう少ししっかり描いてほしかったのが正直なところです。

ただ、本作で良かったのは、唯一ルーザーズクラブで恐怖に負け戻ってこれなかった、スタンリーの存在です。オリジナルでは残念な結果になりましたが、本作も彼自身の運命は同じですが、物語の最後の最後までキーになる存在に仕上げています。やっぱり7人でルーザーズクラブという印象が残り、ほっこりさせてくれました。

【映画時間】

本作に関しては、ながーーーーい!長すぎるが印象です。後編だけで169分です(前編は135分)。要らないシーンもたくさんあったし、それだけ尺あるなら上記で述べてきたもっと描かないといけない事が描けたはず。オリジナルは前編+後編で187分なので、約1.5倍です。いかにリメイク版は恐怖体験に時間を割いたということが分かりますね。

【総合】

リメイク版もオリジナル版も面白かったし良かった!が率直な感想です。

どちらが好きかで言うとオリジナル版が断トツとはなりましたが、懐かしの映画をリメイクしてくれたことで比較ができて良かったですし、リメイク版は脚本を色々変えがちですが基本路線はほとんど変えてきていないところが好印象でした。そのおかげか、改めて、オリジナル版の良さも知ることもできたのも収穫であります!

だいふく

ピエロが引き起こした、社会現象ホラー楽しませてもらったにゃ~!

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映画「ハロウィン(2007)」のあらすじ・感想レビュー:リメイクで甦る恐怖!

「ハロウィン(2007)」映画情報

ハロウィン(2007) 製作年:2007年
 製作国:アメリカ
 上映時間:109分
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あらすじ

米イリノイ州の片田舎ハドンフィールド。10月31日ハロウィンの夜、可愛がっていた赤ん坊の妹を残し、母親の恋人と姉、そのボーイフレンドを惨殺した少年マイケル。その夜から彼は厳重警備の精神病院に収容され、著名な小児行動学者・ルーミス医師の治療を受ける。17年後、異様な巨人へと成長した彼は脱走し、呪われたマスクを再び被り、妹を捜しながら殺戮を開始する…。

予告

映画データ
原題 Halloween
監督 ロブ・ゾンビ
製作 マレク・アッカド
ンディ・グールド
キャスト タイラー・メイン
マルコム・マクダウェル
受賞歴

「ハロウィン(2007)」感想レビュー

はじめに

本作はリメイクとなりますが、オリジナルはジョン・カーペンター監督による1978年の名作ホラーとなります。70年代は、ホラーの殺人鬼「13日の金曜日」のジェイソンすら登場していませんでしたので、このハロウィンがまさに殺人鬼ものの原点ともいえるかもしれません。オリジナルのレビュー記事も参考にしてみてください。

作品について

1978年に公開されたジョン・カーペンターの大ヒットホラー『ハロウィン』を、ロックアーティストのロブ・ゾンビがリメイク。ロブ・ゾンビは、本作で監督としては3作目となります。

原作にはほとんど描かれていない、マイケル・マイヤーズの子供時代が描かれています。彼がなぜ殺人鬼になったのか、さらにマスクをかぶるきっかけもはっきりと描かれています。悲しい家庭環境に産まれ、動物を殺すことに快楽を得ていた幼少時代、母親を馬鹿にされた瞬間、彼の中に潜む殺人鬼が目覚めるのです。リメイクと言うか、ビギニング的な映画とも言えますね。

マイケル・マイヤーズが大人になってからの展開は、オリジナルと同じではあります。ただしかし、無駄に人殺しすぎなんです。次から次へと、無差別殺人を繰り広げます。ちょっとこれはやりすぎ感もありますが・・・。

脱走後の、ブギーマンの心のよりどころは、唯一の肉親の妹の存在。彼は、自分を傷つけなかった妹のことだけを頼りに生きてきたんでしょう。でも、もちろん妹からは今の彼は受け入れられるわけがなく…。なんだか、リメイク版は、マイケル・マイヤーズが可哀想と思える場面が見え隠れしましたね。

本作を心から楽しむには、色々比較もできるオリジナルを鑑賞後をお勧めします。オリジナルを観ないとリメイク版の良さが分からないですし、ロブ・ゾンビ監督のオリジナルに対する深いリスペクトを感じさせられること間違いないでしょう。

感想

ブギーマン再来!!!

原作を知っている身としては、無敵のブギーマンの復活と共に、妙に心に残る映画音楽が聴けるだけで大興奮でした。やっぱり、マイケル・マイヤーズ最恐ですし、ジョン・カーペンター監督が作曲した「ハロウィンのテーマ」曲は1度聞くだけで耳に残る不気味があり、今聴いてもやはり名曲ですなぁ。 

とにかく、無敵のブギーマンが弱かった子供時代から全く想像できないくらいの、怪力の大男で原作よりもパワフルさが増しています!ラストも絶対死んでいないでしょ!っと思ったら案の定、続編も作られてます。

ただ、ちょっとエロ場面が多すぎじゃないです?といいますか、アメリカ人の若者はエロのことしか考えていないのかってくらいの、エロ話ばかりでやりすぎ感には少し呆れました。ホラー映画とエロいシーンは付きものとも言いますが、やりすぎはいかんと思いますよ。もう少し趣向を凝らしてほしかったです。

世間の評判はあまりよくないようですが、原作を知っている私としては、結構満足できる内容ではありました。単にグロいだけのホラー作品とは違い、ストーリーは分かりやすく、古典的ホラーという感覚で観れましたし。ロブ・ゾンビ監督がオリジナルが大好きなんだということも理解できましたね。

あ~、しかし困りました。音楽が耳から離れない。

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映画「IT/イット」のあらすじ・感想レビュー:ピエロの恐怖に立ち向かう7人の友情!

「IT/イット(1990)」映画情報

IT(1990) 製作年:1990年
 製作国:アメリカ
 上映時間:187分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

メイン州デリーの町で起こった不可解な子供の連続殺人事件。それを知ったマイクの脳裏に、かつて6人の仲間と共に身も凍る異常な体験をした記憶が蘇る。 血のしたたるアルバム、鮮血を噴き出す蛇口、そして背後から忍び寄る邪悪な影……。この殺人事件とおぞましい体験のつながりを確認したマイクは、 恐怖に震えながら6人の幼友だちにに連絡した。「あいつ=〈イット〉が戻ってきた」と。

予告

映画データ
原題 STEPHEN KING'S IT
監督 トミー・リー・ウォーレス
脚本 トミー・リー・ウォーレス
ローレンス・D・コーエン
キャスト ティム・カリー
リチャード・トーマス
ジョン・リッター
アネット・オトゥール
リチャード・メイサー
ティム・リイド
ハリー・アンダーソン
デニス・クリストファー
受賞歴

「IT/イット(1990)」感想レビュー

だいふく

ネタバレ気味なので、未見の方は注意してニャ!

はじめに

リメイク版IT/イットの後編が11月に公開されますね。といったこともあり、今回は改めてオリジナル版をおさらいとしてレビューをしたいと思います。リメイク版前編のレビュー記事も書いていますので同時に参考にしてください。

オリジナル版は映画ではなく、テレビミニシリーズ版として2回に分けて放映されています。日本でもTV放映されました。物語は前編と後編に分かれており、前編が幼少時代の回想、後編が大人になった現代といったストーリー仕立ての作品となっています。スティーブン・キング原作としても代表的な作品です。

前編:幼少時代(回想)

まるでスティーブン・キング原作「スタンド・バイ・ミー」のホラー版のような物語です。 ピエロのペニーワイズの恐怖に怯えながら、いじめられっ子同士で結成されたルーザーズクラブ(弱虫クラブ)の7人が仲間となっていく青春の友情物語を描いてます。

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秀逸な展開は7人一人一人、いじめっ子グループのヘンリー達による、いじめシーン&ペニーワイズの恐怖シーンの回想があります。ヘンリー達に立ち向かいながらも共に仲間として集っていき、ちょっどした甘酸っぱい子供ながらの恋の要素も含みつつも、ペニーワイズの恐怖に耐え支えあっていく姿は、ホラージャンルを超える感動の物語と言えるでしょう。

前編幼少時代の方が後編よりもホラーとしての恐怖度も高いです。そもそもペニーワイズのピエロ姿が目血走っててとっても怖いのにつけて、子供達への殺戮や嫌がらせが残酷極まりない。本作の初見は私が子供の頃でしたが、ピエロ=恐怖というトラウマが出来たくらいです。

7人の勇気と友情で、ペニーワイズを退治した7人は、万が一"IT(それ)"が生きていたら、再集合することを誓ったのでした…。

後編:大人時代(現代)

前編から30年後のお話。大人となりそれぞれ成功を収めている7人。しかしある日、突然"IT(それ)"を知らせる電話が鳴るのです。恐怖の出来事は、すでに記憶からほぼ消えていた7人に、再び恐怖と不安が訪れてしまうのです。

後編に関しても前編と同じような展開であります。大人になった7人が再度ペニーワイズに恐怖する様子を1人1人描いていきます。甦る幼少時代の恐怖に怯える7人。あまりの恐怖に1名は自殺してしまうほど…。

ただ、後編のペニーワイズは明らかに幼少時代と違って、ルーザーズクラブを警戒しまくってます。もちろん7人に恐怖を植え付けるのですが、幼少時代と違って7人を遠ざけるように仕向けているだけになります。そういった意味では、後編は余り恐怖というものは感じない展開で有りました。

ペニーワイズ退治は、ギリギリまでルーザーズクラブの解散方向に進んでいましたが、やっぱり絆は強かった。幼少時代に勇気持ち戦った絆はかけがえのないものだったんです!嫌々集まったのですが、再びペニーワイズ退治に出るのでした!

感想

この度映画と同じく約30年くらいぶりに大人になって久々に再鑑賞しました。やっぱりITは面白いですし相変わらずピエロが怖かった。当時、幼少時代に観た印象があまりにも怖く強かったので、割と内容も記憶に残ってましたね。

話の展開は実に面白く、前編の幼少時代と後編の大人になってからの話が良い感じに絡んでいるのが見事な構成ですし、幼少時代の伏線もちゃんと回収してくれます。ベンがベバリーに幼少時代に書いた詩のラブレターもしかり、いじめっ子達リーダーのヘンリーに関しても大人になっても7人を苦しめる展開は、なんともスティーブン・キングらしい作りだなっと感じました。

大人となったばかりに純粋さを失いつつあり、退治しにいくまでの踏ん切りが、なかなかつかない展開が続くのですが、ようやく仲間の絆を思い出しペニーワイズ退治劇に向かう瞬間は、一番期待した場面ではありました。ここからどんな面白い展開が繰り広げられるか!?って期待に膨らんだものです!

そして、ついに、ついに、ついに!!!ペニーワイズの実態が!!!

えっ!ん?ん?

ど、ど、どうしたの!?

どれだけの方がペニーワイズの実態の姿を見て目が点になったことか。あれだけの恐怖で得体のしれないピエロの恐怖から、締めくくりがなんで化け蜘蛛になっちゃうんですか…。しかも蜘蛛が作り物感満載でちゃっちいです。何だかここまで盛り上げてきた恐怖が最後で一気に冷めてしまうような。しかもあれだけピエロが凄かったのに化け蜘蛛が弱いのなんのって。ストーリー展開が面白かっただけに、ほんとにほんとに残念でしょうがありません…。

そして、ラストシーンにも違和感が…。ルーザーズクラブのリーダーであるビルと何故か無駄に出しゃばってきてしまって、ペニーワイズの餌食になってしまった奥さんとの感動的なシーンで終わります。まさに感動のまた感動のシーンでございます。

・・・ん!?いや待って。またまた違うって!奥さんってほとんど物語に関係ないじゃない。そうじゃなくて、ラストはルーザーズクラブ達の感動で終わらせないの!?って思いながら何だか違和感ありまくりでエンドロールを見ることに…。

大好きなスティーブン・キング作品ですが、名作と駄作が極端に分かれます。本作は最後で、キング作品の良し悪し両方の感覚を味わえる、1作品で2度おいしい!?体験ができるのでした(笑)

だいふく

長丁場できた映画で、ラストのがっかりはだめだニャ!!!

「IT/イット(1990)」関連情報

ピエロのモデルはあのシリアルキラー

おまけ情報です。本作で出てくるピエロのモデルをご存知でしょうか?

世界中を恐怖に陥れた最凶ピエロと言われる、アメリカのジョン・ウェイン・ゲイシーがモデルとなっているといわれています。ゲイシーは、少年を含む33人もの男性を性的暴行後に殺害したシリアルキラーです。

ゲイシーは休日にはピエロに扮して入院中の子供たちの慰労訪問を行っていたのですが、自らの肖像画としてピエロをたくさん描いています。まさにそのピエロの絵も、本作のピエロとうり二つなんです…。

どんな絵画か知りたい方は、Googleの画像検索でジョン・ウェイン・ゲイシー(ジョン・ゲイシーの方がいいかも)で検索してみてください。ピエロの絵(本人の写真も出ますが)が出てきます。まさに「IT/イット」の世界観です…。

「IT/イット(1990)」関連商品

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映画「ハロウィン(2018)」のあらすじ・感想レビュー:40年の時を経てブギーマンよみがえる!

「ハロウィン(2018)」の映画情報

ハロウィン(2018)~上映日:2019年04月12日
製作国:アメリカ
上映時間:106分
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STORY

ジャーナリストのデイナとアーロンは、40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺人事件の真相を調べていた。犯人の「ブギーマン」ことマイケル・マイヤーズは事件後ひと言も話さず、動機や感情は一切不明。事件の唯一の生き残りであるローリー・ストロードに話を聞いても収穫はなかった。しかしローリーは再びマイケルが自分の前に現れることを予感し、その時のためにひとり備えていた。そしてハロウィン前夜、精神病棟から患者を輸送する車が横転し、マイケルが再び街に解き放たれる。

TRAILER

REVIEW

前回は、ジョン・カーペンター監督によるオリジナルを紹介しました。

今回は、その1978年のオリジナル名作ホラー『ハロウィン』の40年後を描いた作品となります。『ハロウィンⅡ』やロブ・ゾンビ版のリメイクも出ていますが、本作が正式な続編ということになります。

ハロウィンといえば、マイケル・マイヤーズ通称"ブギーマン"!不気味なマスクで、無口に黙々と淡々と人を殺していく恐怖はかなりのものですがさらには、その無敵さが人間離れしすぎており、いったい彼は本当に人間なのかという疑問さえも出てくる殺人鬼です。

本題の前にハロウィンといったら、不安に掻き立てられるような名曲がありますね。本作もオープニングからしっかり流れるので、ホラーファンであれば否が応でも心が踊らされるシーンですね。いや~、ホントこの曲は素晴らしいです。2018製作版の音楽はこちら!オリジナルより微妙にアレンジが加わってますね。

本作は、1作目で生き残った女性ローリー・ストロードとその子供と孫による三世代親子VSブギーマンといった構成となる形に。いや~、それにしてもローリーが強いのなんのって!ブギーマンへの恨みと共に過ごした40年間で彼女をここまで変えてしまったのかと。

映画自体は少し残念な作りに。全体的に何だかつながりが無いですし、無理やりな展開が多すぎるのです。特にマイケル・マイヤーズを調査するジャーナリストのデイナとアーロンは冒頭から多く登場し物語のカギを握る登場人物なのかっと思っていたら、あっさりと殺されてしまい、いったいこの二人何だったんでしょう…。(マイケルがマスクを手に入れるために用意されたキャラと言っても過言ではない。)

そしてあり得ないのが、ハロウィン当日に急にマイケルを輸送して輸送車が事故ってしまい見事、マイケル解放!ってちょっと間抜けな展開過ぎて、余りにも幼稚な発想じゃないですかね…。他にもかなり突っ込みたい展開が満載過ぎて、ジョン・カーペンター監督版の正式な続編と言うには、ちょっとお粗末すぎやしませんかね。

その中でも見どころはやはり、マイケル・マイヤーズの無言の無差別殺人でしょう。1作目はグロいシーンはなかったですが、本作では要所要所にグロさを出してます。殺されるターゲットは、完全に思い付きのように選んでいくのですが、ストロード一家の周りの人間(友人等)は、マイケルと偶然過ぎる出会いでしっかり殺されてしまうという…。

最後は、ストロード三世代親子VSブギーマンとなってきましたよー!どんな戦いになるのかって、ちょっとホラー映画でなくなってきました!どっちが殺人鬼なの!?思うくらいにこの親子が恐れもなく前のめりで攻撃するので、強いのなんのって。あれれ、急にブギーマン弱くない???って感覚です。

う~~~ん、もう少ししっかり作ってほしかったなぁってのが観終わった感想。なんたって怖さが無い!これは少し肩透かしでした。

ラストはホラー映画で定番のラスト実は殺人鬼生きてました!系ではありませんでしたが。ブギーマンの無敵さがパワーアップしているので、やっぱり続編はすでに決まっているようで、あと2作作られるようです。是非に次作で盛り返してもらいたいものです。

INFORMATION

英題 Halloween
製作年 2018
監督 デビッド・ゴードン・グリーン
製作 マレク・アッカド
ジェイソン・ブラム
出演者 ジェイミー・リー・カーティス
ジュディ・グリア
アンディ・マティチャック
ウィル・パットン
バージニア・ガードナー
ニック・キャッスル
配給 パルコ
受賞歴 -
リンク 公式サイト

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映画「ハロウィン(1978)」のあらすじ・感想レビュー:ここに無敵のブギーマン誕生!

「ハロウィン(1978)」の映画情報

ハロウィン(1978)上映日:1979年08月
製作国:アメリカ
上映時間:89分
[Amazonで見る]


 

STORY

15年前、包丁で自らの姉を殺害したマイケルが精神病院を脱走し、ハロウィンの夜に故郷に戻る。担当医ルーミスの追跡をよそに、白いマスクをつけ、包丁を手にしたマイケルは殺戮を繰り返すことに。ベビーシッターのアルバイトをしていた女子高生ローリーも命を狙われるが…。

TRAILER

REVIEW

まず最初は、ジョン・カーペンター監督による1978年の名作ホラーです。あの『13日の金曜日』のジェイソンや『エルム街の悪夢』のフレディーの前に登場していた殺人鬼となります。ハロウィン夜に殺害が繰り広げる人間離れした不死身のマイケル・マイヤーズ、通称“ブギーマン”です!

この映画70年代に低予算で作られましたが大ヒットとなり、ジョン・カーペンター監督の才能を世に示した作品ともいえます。しかも、脚本、音楽までも作っているというびっくり監督です。

音楽に関しては、これまた名曲。名作ホラー映画には名曲ありとよく言ったもので、一度耳にしたら絶対忘れられず聴いたものを不安に掻き立てられるような音楽は、映画ハロウィンの代名詞にもなりました。是非きいてみてください。一度は耳にしたことあるなっと思う人も多いのでは?

冒頭ではいきなりの殺害シーン。これが一番ショッキングなのかもしれません。マスクからの視点で覗いた映像では淡々と殺害していく。いったい犯人は誰なんだ!?っと思ったら小さな子供なんです…。まさか、幼い子供がこんなにも残酷な殺し方するとは思わずギャップに衝撃を受けます。

その後の話の展開は、なかなか展開が進まないので少し退屈な感覚になります。殺害シーンも、血吹雪やグロ場面など全く無いので、現代のホラー映画の感覚で観てしまうと少しつまらなく感じてしまうかもです。

ただですよ!先述したとおり、まだジェーソンなんかも登場していない時代に、残酷描写が全くなく、たたずむだけで不気味な存在の怪力殺人鬼に世界は恐怖したんです。それだけでも、やはり名作と言えるでしょう。

では、本作で残酷描写もなく恐怖してしまう理由はなぜなんでしょう?まずはブギーマンこととマイケル・マイヤーズの殺人の動機の不明さです。よくあるのは幼少時代に虐待されてその反動とかですがそういうことは全くなし。劇中では「生まれながらの邪悪」とまで言われています。どんなに刺しても拳銃で撃っても死なない不死身な人間離れした部分も恐怖を感じさせられるのです。

さらにこの映画を後世に語られる伝説的にした要素は2つ。1つ目は不気味なマスクです。単に遠くでたたずんでいる姿が出てきますが、立っているだけなのにその冷酷なマスク姿が強烈なインパクトを残します。もう一つの要素はやはり音楽です。名曲が要所要所に挿入される、視覚だけではなく聴覚でも不気味さが体験されるため、観客はスリリングな体験を味わうのです。

そういった理由もあってでしょうか、本作は「文化的、歴史的、美学的に重要」としてアメリカ議会図書館の国立フィルム登録簿に登録までされている映画でもあり、世のスプラッターホラーの先駆けともいえる作品でしょう。

シリーズとしては8作も作られ、さらにはリメイクも多く行われ、最も稼いだインディペンデント映画ともいわれており、後世の他の映画にも影響を与えたとなった映画です。ホラーファンなら押さえておく作品でしょう!

INFORMATION

英題 Halloween
製作年 1978
監督 ジョン・カーペンター
製作 デブラ・ヒル
出演者 ドナルド・プレザンス
ジェイミー・リー・カーティス
P・J・ソールズ
ナンシー・キーズ
チャールズ・サイファーズ
トニー・モラン
配給 -
受賞歴 -
リンク -
ハロウィン オリジナル劇場公開版 [DVD]

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関連映画

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映画「ローズマリーの赤ちゃん」のあらすじ・感想レビュー:カルトホラーの先駆者的作品!

「ローズマリーの赤ちゃん」の映画情報

マッドマックス 怒りのデス・ロード上映日:2013年06月01日
製作国:アメリカ
上映時間:136分
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STORY

マンハッタンの古いアパートに引っ越して来た俳優のガイとその妻ローズマリー。親切ではあれ、どこか不気味な隣人たちに囲まれながら、やがてローズマリーは妊娠。しかし、そのころから彼女は悪夢を見るようになっていく…。

TRAILER

古い作品のため予告は見つかりませんでした。

REVIEW

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のレビューを先日記事にしましたが、関連映画としてロマン・ポランスキー監督が当時作った作品を紹介してみましょう。

もぅかれこれ、40年以上の作品になるのですね。カルトホラーの先駆的作品といわれる本品は、全く怖い映像は出てこないのですが心理的な恐怖があります。

悪魔に犯された夢を見た日に妊娠したローズマリー。幸せのはずの妊娠、周りは祝ってくれるはずなのに信じることが出来ない。妊娠中の情緒不安定とされ続け、疑っては誤解していたの繰り返しです。どんどん追い詰められていく様子は、観ている者も彼女の妄想なのかそれとも陰謀なのかが分からず最後まで不安にさせられます。

そして隣人の老夫婦の親切がとても嫌みなのが鼻につく。最初からローズマリーは怪しんでいたんだよね。なのに、バカちんの旦那が・・・。カルト集団による様々な陰謀は、現実の詐欺的な宗教勧誘の手口にも思えるのが怖い。ばあさん役のルース・ゴードンは本作でアカデミー助演女優賞をとるほどの演技ですので、リアルに思えたのは当たり前だったかもしれません。

産まれた我が子が悪魔だった瞬間、母親はどう感じたのだろう…。

苦しみ耐えた数ヶ月という妊娠期間、出会ったのは悪魔の子であったローズマリーの心の痛みは計り知れないものです。しかし、母親強は強かった!悪魔である我が子を受け入れる決心をしたのだと私は理解しました。

映画では、悪魔の子を見せてくれないもどかしさがあります。ただ観客の想像に任せたところは作品としては正解でしょう。悪魔悪魔した子供を映像で見せられても、現実味を感じられないため感情は入りませんからね。

怖いのは作品だけでは有りません。撮影中、妊娠していたロマン・ポランスキー監督の妻であるシャロン・テートがチャールズ・マンソン率いるカルト教団に惨殺されるという事件がおきています。妊娠、カルト教団というキーワードが作品と因縁があるのが驚きです。

さらに監督は、子役モデルに性的行為をした罪として懲役50年以上という判決が出ているが逃亡したあげく、逃亡中に多くの名作を生み出しアカデミー賞まで受賞しているという、とっても波乱万丈な監督なのでした。

そして、ローズマリー演ずる当時のミア・ファローの可愛さ&ファッションにも注目な映画でもあります。今観てもあせない彼女の魅力には驚かされます。

INFORMATION

英題 Rosemary's Baby
製作年 1968
監督 ロマン・ポランスキー
原作 アイラ・レビン
出演者 ミア・ファロー
ジョン・カサベテス
ジョン・カサベテス
シドニー・ブラックマー
モーリス・エバンス
ラルフ・ベラミー
配給 マーメイドフィルム
受賞歴 アカデミー賞助演女優賞
ゴールデングローブ賞最優秀助演女優賞
リンク -

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映画「来る」のあらすじ・感想レビュー:豪華キャストで描く最恐エンターテインメント!

「来る」の映画情報

来る上映日:2018年12月07日
製作国:日本
上映時間:134分
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STORY

オカルトライター・野崎のもとに相談者・田原が訪れた。最近身の回りで怪異な出来事が相次いで起きていると言う。野崎は、霊媒師の血をひくキャバ嬢・真琴とともに調査を始めるのだが、田原家に憑いている「何か」は想像をはるかに超えて強力なモノだった。エスカレートする霊的攻撃に、死傷者が続出。真琴の姉で日本最強の霊媒師・琴子の呼びかけで、日本中の霊媒師が田原家に集結し、「祓いの儀式」が始まろうとしていた…。

TRAILER

REVIEW

「嫌われ松子の一生」「告白」「渇き。」の中島哲也監督作品で澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を映画化した作品です。中嶋監督映画にしては、興行的には振るわなかったみたいですね。実は私も、中島監督映画は好きなんですが、本作はレンタルして観るまではあんまり意識していなかった映画となります。

が、久々に見ごたえがあるジャパニーズホラーなんじゃないですか!ってのが印象です。中島作品の今までの作品からするとインパクトは弱いかもしれませんが、昨今の日本のホラー作品は、パロディー的ホラーや面白くないホラーしか出せなくなってきた中で、見ごたえある幽霊もの映画を出してくれました。(ただし、全然怖くはないです)

映画は、前半、後半と別れているような展開となります。ちょうど分かれ目としては、主役となる男優が、妻夫木聡→岡田准一に変わるのでわかりやすいです。

まず、妻夫木演じる田原秀樹の章ですが序章的な位置づけです。イクメン気取りで周りから良く見られたい最低なブロガー旦那ですが、かなりひどい有様です。でも、今のご時世こういうタイプの父親て居そうで的を得ています。

それに振り回される、妻の田原香菜です。秀樹の仕打ちにホント可哀そうだなと序盤は思うのですが、すぐにその気持ちは裏切られ彼女もまた何かオカシイのでる…。最終的な、香菜の狂気の沙汰といいますか堕落した人間は凄すぎます。真面目な人間の反動を起こした時の怖さと言いましょうか。演じる黒木華の演技力が、これまた見事に演じ切っているので余計に変化のギャップが怖いです。

そんな中、産まれた子供の知紗は、不幸になる運命なのは必然。

知紗を救うのは、中盤から後半に登場する、岡田准一演じる野崎と小松菜奈演じる比嘉真琴です。登場した時は二人もまたオカシイ部類なのか!?と思わせられるキャラなのですが、過去や自分の境遇に苦悩しつつも、登場人物の中では至極まっとうな人間でした。二人だけ知紗の事をどんなことがあっても守りとおすのです。

そして本作の見どころは、ラストの団体祈祷シーンでしょう。かつてここまで大掛かりな祈祷シーンの映画はあったでしょうか?団地周辺お祭りのごとく霊媒師たちが自らの命を懸けます。

何を除霊するか!?それが最後の最後まで正体不明。

ただただ

「来る」

のです。

この大スぺクタルな祈祷で目立ったのは、柴田理恵演じる逢坂セツ子です。なんでしょう、命を懸け恐れず祈祷し続ける姿は、凄みを感じました。脇役の中ではとても印象に残るキャラです。柴田理恵の新たな演技というものを見た気がします。

そして、松たかこ演じる比嘉琴子の存在も大きな存在ですね。超大物霊媒師といいましょうか、冷静でかつ大胆そして冷酷に淡々と祈祷して除霊していく姿は、人間を凌駕しています。彼女の何事にも恐れない姿には凄みを感じました。

何が「来る」のかというテーマと共に、人間側の真の悪は誰なのかが見ごたえある、映画でした。いやー、映画館でみたかったなぁと後悔です。きっと見ごたえあったでしょう。

INFORMATION

題名 来る         
製作年 2018
監督 中島哲也
製作 澤村伊智
出演者 岡田准一
小松菜奈
妻夫木聡
黒木華
松たか子
青木崇高
配給 東宝
受賞歴 -
リンク 公式サイト

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映画「悪魔のいけにえ」感想・レビュー:ホラー映画の金字塔

 

悪魔のいけにえ

悪魔のいけにえ

「悪魔のいけにえ」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

サリー、ジュリー、フランクリン、カーク、パムの5人組は、夏休みを利用してドライブ旅行に出かけ、その途中でヒッチハイクをしていた男を車に乗せる。しかし、男はナイフで自らを傷つけるといった行動を繰り返し、異常を感じた5人は男を車から追い出す。やがて一軒の洋館を見つけた5人は、その家に立ち寄るが……。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 The Texas Chain Saw Massacre
製作年 1974年
製作国 アメリカ
上映時間 83分
監督 トビー・フーパー
製作 トビー・フーパー
脚本 キム・ヘンケル
トビー・フーパー
メインキャスト マリリン・バーンズ
ガンナー・ハンセン
アレン・ダンジガー
ポール・A・パーテイン
ウイリアム・べイル
受賞歴 ・ロンドン映画祭最優秀賞


 

「悪魔のいけにえ」映画解説

だいふく

後世の数々の映画に影響を残した、不快ホラーの原点にして芸術的作品だニャ!

作品解説

監督・脚本・製作は、ホラー映画の巨匠トビー・フーパーです。監督自身、本作が商業映画初作品となり、全米及び英国への進出を果たしています。

マスターフィルムは描写方法の芸術性ゆえにニューヨーク近代美術館にに永久保存されており、以降のホラー映画に多大な影響を与えた作品という歴史的なホラー映画となりました。まさにホラー映画の金字塔といえましょう。

 

作風は”不快ホラーの原点”と言っても過言ではなく、人間の顔の皮のマスクをかぶりチェーンソウで襲ってくる殺人鬼レザーフェイスのみならず、一家全員が狂っているという設定です。その一家の晩餐シーンは後の映画にも影響を与えた名シーンともいえましょう。

 

日本では1975年に初公開され、2015年には日本公開から40年を記念した「40周年記念版」が劇場公開。同バージョンは4Kスキャニングによる最新マスターを使用し、字幕や吹き替えも新規収録されました。

関連作品

【続編】

悪魔のいけにえ2

悪魔のいけにえ3 レザーフェイス逆襲

・悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス

・飛び出す 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲

・レザ―フェイス-悪魔のいけにえ

【リメイク】

テキサス・チェーンソー

テキサス・チェーンソービギニング

エド・ゲイン事件との共通性

本作は、20世紀を代表するアメリカの殺人鬼エド・ゲインによる猟奇殺人事件をモデルにしたという説が流れています。監督自体は認めてはいないが、エド・ゲインの犯行の手口と本作が非常に似ていたため、通説が定着しました。

 

エド・ゲインの犯行の手口としては、地元の墓場から女性の死体を掘り返し、「戦利品」や「記念品」を作り出すというものですが、連続殺人者と呼ばれている割には殺害は2人でした。しかしながら死体は、首が切断され、手首はロープに足関節はかんぬきに吊るされた首なし死体となり、さらに胴体は、胸部が引き裂かれて空っぽの状態であったと言われています。

まさしく、本作の殺人鬼であるレザー・フェイスが行った犯行の手口とエド・ゲインの犯行の手口は恐ろしいまでに残虐で類似している結果となりました。

「悪魔のいけにえ」感想・レビュー

結末が予測できるネタバレ度

映画の一番の主役は、なんといってもチェーンソウを振り回す殺人鬼"レザーフェーイス"です。そもそもチェーンソウって最恐の殺人武器じゃないでしょうか⁉歯が激しく回る嫌な機械音だけでもゾッとしますが、さらに大男が軽々と振り回して襲ってくるんです。そして殺人鬼の顔は殺した人間の顔の皮を被っているという…。

悪魔のいけにえ

出典:映画.com

 

知能が低く少し間抜けキャラではありますが、その分チェーンソウ持ってどこまでもどこまでも、これでもかと言うくらいしつこく追いかけてくる怪物です。トラウマ必死の伝説的なホラーのキャラが誕生した瞬間でしょう。のちに、ジェーソンやブギーマンといった様々な有名な殺人鬼が映画で誕生していますが、本作のレザーフェイスがダントツで狂っていて怖いです。

そして狂っているのがレザーフェイスだけでなく、一家全員が狂っているのだからたちが悪いです。まさに映画の見所の一つでもある、一家の"人肉晩餐シーン"の狂いようは衝撃としか言いようがないくらい異様な光景が繰り広げられます。後に多くの映画に多大に影響を与えた問題シーンですが、まさに圧倒的な不快なシーンでした。

悪魔のいけにえ

出典:映画.com

 

ただし本作は単なる不快なホラー映画ではないところが見どころでした。人間や動物の骨が散乱する異様な家の雰囲気、機械的で耳障りな音楽、そして恐怖を倍にするような見事なカメラワークは非常に見事でした。実はこの映画、直接的なグロシーンなんてほとんどないんですよね。でも、嫌な映画から感じられる緊張感と不快感により精神的ダメージが来る映画です。低予算でそしてCGもない時代に小物や効果音さらにはカメラワークだけ怖がらせた技術は本当に素晴らしいの一言です。

 

突っ込みどころもしっかりあります。それはラストシーンでしょう。捕えられていた若者のサリーが逃げ惑い、突然登場したトラックの運転手に救われるのです。しかも運転手は完全に殺されキャラと思えるのにしっかり一緒に逃げ切ります。そこから追い討ちをかけるようなレザーフェースの朝日を浴びて狂喜乱舞シーンまったく意味不明でした…。

が、意味不明が故のすっきりしないエンディングが妙に、印象たっぷりに残ってしまう効果により、観終わった後は疲労感ばかりが残ります。

悪魔のいけにえ

出典:映画.com

だいふく

まさしくホラーの芸術作品と言える映画なんだニャ。

「悪魔のいけにえ」関連商品

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映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のあらすじ・感想レビュー:ピエロの恐怖がトラウマとなる!

「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の映画情報

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。上映日:2017年11月03日
製作国:アメリカ
上映時間:135分
[Amazonで見る]
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STORY

静かな田舎町で児童失踪事件が相次いで起きていた。内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが…。

TRAILER

REVIEW

スティーブン・キング原作の代表作で、1990年にテレビドラマ化された『IT』を、新鋭アンドレス・ムシェッティにより映画化リメイクした作品。オリジナルは子供のころ観てしまい、ピエロがトラウマになってしまった作品で(そのおかげでマクドナルドのドナルドも怖かった)非常に懐かしい思い出があります。

本作は、公開当時に映画館で観たのですがが、なぜか映画館は学生らしき若い人がめちゃくちゃ多くそれも満員御礼。後から知りましたが学生の中でブームになっていたようで。なぜだ、なぜ学生に注目されているんだ???と不思議でたまらない現象でした。そして、全米ではホラー映画の金字塔『エクソシスト』を超え、R指定ホラー映画史上最高売上の記録をたたき出したそうです。(「それ」って邦題がどうかと思いますがね…)

本編は、前半は子供時代⇒後半は大人になってからの物語となっており、本作はまず子供時代を描いております。

オープニングから、予告でもおなじみの排水溝から"ピエロ"のペニーワイズ登場からの、がぶりシーンでいきなり盛り上げます。もしかしたらこのシーンが一番衝撃だったのかもしれない。一気に手を食いちぎってしまう残酷度なのです。これはオリジナルでも有名なシーンで、オリジナルもこのシーンが明らかに一番怖かった…。

新旧比較のYouTubeが有ったので乗せておきます!

それを皮切りに、子供たちに襲い掛かる恐怖の出来事が続きます。1人1人に自分のトラウマを見せられるがごとく、襲い掛かってくるペニーワイズ。大人は見えず子供だけしか見えないという展開の恐ろしさが、この作品を子供ながらで見てしまうとトラウマになり、ずーっと印象に残るんです。

そして、ITの素晴らしいところは、単なるホラーではないところです。ホラーなのにスティーブン・キング原作の『スタンドバイミー』を思い出させる子供達の友情といじめっ子に対抗していく強さを観れる映画です。そういった意味では、学生達が興味を持ち映画館に足を運ばせてたのかもしれないですね。

この作品で一番注目しないといけないのは、もちろん"ピエロ"のペニーワイズです。子どもの恐怖を熟知し、子どもたちをむさぼる悪役。オリジナルのTV版に劣らずの怖さありで非常に印象的で特に顔の表情は何とも怖いのです。演じる役者はビル・スカルスガルドで、父親、兄2人も映画俳優で妹はモデルという芸能一家。ビル自身も『シンプル・シモン』でスウェーデンの映画賞ゴールデン・ビートルにて主演男優賞にノミネートされ、今注目の191cmと長身な俳優なので、さすがに長身なペニーワイズは貫禄があり怖いよね。

全体的には、恐怖度はオリジナルのTV版の方が上でした。本作はちょっと音とか突然感でビックリさせる驚かし方に徹している。もっとジワジワ精神的に来る恐怖というものを出してほしかったので少し残念ではありました。

ただ総評としては、CGなんかも多彩に使ったりと現代味あふれるリメイクでしたが、がっかりするほどでもなく合格点な出来栄えではないかと感じましたね。オリジナルは前編は素晴らしかったのですが後編の大人になってからがトーンダウンしてしまい残念な結果でしたが、リメイク版は後半もしっかり楽しませてくれることを期待します!

【追記】後編記事にしました。

INFORMATION

英題 It
製作年 2017
監督 アンディ・ムスキエティ
製作 ロイ・リー
ダン・リン
出演者 ジェイデン・リーベラー
ビル・スカルスガルド
フィン・ウルフハード
ジャック・ディラン・グレイザー
ソフィア・リリス
ジェレミー・レイ・テイラー
配給 ワーナー・ブラザース映画
受賞歴 -
リンク 公式サイト

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映画「マーターズ」のあらすじ・感想レビュー:フランス・ホラー界新鋭監督が描いた究極の拷問の行く末!

「マーターズ(2007)」の映画情報

サスペリア上映日:2009年08月29日
製作国:フランス・カナダ合作
上映時間:100分
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STORY

1970年初頭のフランス、行方不明となっていた少女リュシーが路上を彷徨っているところを発見される。何者かに廃墟に監禁され、長期に渡って拷問と虐待を受けていたリュシーは事件の詳細を語らないため、捜査は難航を極めていた。養護施設に収容されたリュシーは、少女アンナの献身的な介護で平穏な生活を取り戻してゆくが…。

TRAILER

※【閲覧注意】予告だけでも衝撃的でグロめですのでお気を付けください。

REVIEW

だいふく

しょ、正直2度と観たくない精神的に凹む映画だニャ!映画のネタバレにもなっているので未鑑賞の方は注意だニャ!

来月に6年ぶりとなる久々の奇才パスカル・ロジエ監督が『ゴーストランドの惨劇』という映画が公開されるので、監督のデビュー作を紹介してみたいと思います。リメイクもされていますが2007年製作がオリジナルとなります。正直激やば映画ですからレビューを見るのも辛いと思うので、この手の映画が弱い方は閲覧避けてください!

この年代ですが、フランス産ホラーと言えば、2006年『ハイテンション』、2007年『屋敷女』と衝撃的なホラーが生まれ、結構ホラーファンの中では話題騒然でしたが、2008年『マーターズ』が登場したときには、いったいどこまでいってしまうんだフレンチホラー!と驚愕してしまう程の作品でした。

もうね、フレンチホラー映画観ていると、疲弊しかしないんですよね。鑑賞者にどっしりとのしかかる、なんともいえない精神的にくる恐怖と絶望的な凹み。このままフランチホラー観続けたら、人格がおかしくなるかも!?っとまで思えるのですが、いつまでたってもやめられないのが、これまたフレンチホラーなんですよね。なんだろうありきたりではないホラーと言いますか。

本作、いきなり冒頭から古びたしい建物から飛び出す、傷だらけの少女のシーンから始まります。はっきり言っていきなり???と疑問ばかりの衝撃的な始まりなのですが、この後見せ付けられる、恐怖の映像へ向けてなんとも不安一杯な予感をさせるには十分なシーンでした。

そして15年後…

繰り広げられる、惨劇は、前半と後半で質が全く違う恐怖が展開され、"二つの異なるホラー映画"を観ている感覚に陥ります。ただし前後半とも終始、血みどろでグロく救いようが無い展開を見せ続けられるのは共通しています。

前半

拷問と監禁の日々のトラウマから抜け出せないリュシーは、ついに犯人を見つけ出し復讐を行うのです。ほのぼのとした犯人の生活に割って入るように、一家4人を猟銃で撃ち殺すシーンが何とも衝撃的で豪快です。

が、その瞬間モンスター(ガリガリにやせ細った傷だらけの人間)が現れ、リュシーを襲うのですが、この時点でさらにこの映画を観ていて???の疑問だらけいっぱいの展開となります。一体この映画はなんなんだ?何を見せられているんだ!という疑問と度肝を抜かれた展開にびっくりさせられます。

その後の、友人アンナとリュシーとで屋敷内での大惨劇が続きます。トンカチで、頭がぐちゃぐちゃになるまでひたすら殴り続けるなど、耐え難いショッキング映像が続きます。

しかし復讐を果たしても、モンスターの幻覚から決して覚めることが出来ないリュシー。決して救うことができない、彼女の刻まれた心の傷の深さが、受けた拷問のすさまじさを物語っています。

といった感じで、前半戦は割とスプラッター映画のような展開が繰り広げられました。

後半

前半までは、スプラッターホラー好きならなんとか耐えれる展開と言ったところでしょうが、後半は覚悟してください…急にバイオレンス映画となり、かなり衝撃的な映像が続きます。単に驚かせるホラーの展開ではなく、ひたすら拷問、拷問、拷問そして拷問を見せつけられます。精神的にどっしりくること間違いなしです。

拷問部屋を見つけたアンナが、奥の秘密部屋を突き進むシーンは緊迫感あります。新たに登場する監禁され続けていた女性の姿もなんとも衝撃的です。やせ細り傷だらけで、頭から撃ちつけられている鉄板のようなもので目隠しされ、オムツのように履かされているのも鉄板という、恐ろしい姿です。

この屋敷内で起こる秘密を知ってしまうアンナですが、まさかの絶望的な展開となり自身が監禁されてしまいます。ここからは、絶望的な拷問がアンナ自身にひたすら続きます。この年代の拷問映画といえば『ホステル』を思い出しますが、正直こちらの方がもっとたちが悪く感じました。彼らは、痛みの果てには何が見えるのかを興味だけで、殺しもせずいたぶり続けていくのです。

でも、アンナだけは行き着いてしまった。

究極の拷問の果てへ・・・

INFORMATION

英題 Martyrs
製作年 2007
監督 パスカル・ロジェ
製作 リシャール・グランピエール
シモン・トロティエ
出演者 モルジャーナ・アラウィ
ミレーヌ・ジャンパノイ
カトリーヌ・べジャン
イザベル・ジャス
エミリー・ミスクジャン
マイク・チャット
配給 キングレコード、iae
受賞歴 -
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マーターズ [Blu-ray]

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映画「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」あらすじ・感想レビュー:ゾンビ誕生の歴史的作品にして原点!

「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」の映画情報

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド

製作年:1968年
製作国:アメリカ
上映時間:96分
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STORY

墓参りにやってきた兄妹ジョージとバーバラ。そんなふたりに、甦った死体が襲いかかる。ジョージは格闘の末に死亡し、近くの家に逃げ込んだバーバラは他の避難者たちと合流する。しかし一行は死者の襲撃を前にしながら対立。ゾンビの群れは容赦なく押し寄せてくるが…。

TRAILER

※昔の映画なので怖くないですが、ホラー嫌いな方は閲覧お控えください!

REVIEW

だいふく

ロメロ御大のゾンビが観れない、なんてつまらないにゃ!

ということで、今回のレビューはゾンビ映画の原点を紹介したいと思います。

本作は、ジョン・A・ルッソの原作をジョージ・A・ロメロ監督により映画化されたのですが、まさにゾンビ映画の原点となった、歴史的作品となりました。1968年に作られた作品ですが、まさにこの時代に死体が歩く、そして人を食べるなんてことは、誰もが想像すらしていなかった時代ですから、タブーを打ち破った作品でもあります。

現在では、ゾンビ映画なんて当たり前で量産されている状況ですが、その生みの親がジョージ・A・ロメロ監督となります。歴史的作品は、マスターフィルムがニューヨーク近代美術館に永久保存されていることでも有名です。

しかし、ジョージ・A・ロメロ監督は2017年にお亡くなりになりました。ゾンビファンにとってロメロ御大のゾンビ映画が観れないことは、本当に悲しいことです。

さて本作ですが、いわゆるゾンビの原点となった作品なのですが、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』→『ゾンビ』→『死霊のえじき』で、のゾンビ3部作といわれています。(この後にもゾンビ映画作られてはいます)邦題では分からないのですが、原題だと『Night of the Living Dead』→『Dawn of the Dead』→『Day of the Dead』となっており、ゾンビ映画=of the Dead(オブ・ザ・デッド)も、ここから来ています。

今見ると、「ゾンビ怖くねぇ~」ってのが第一感想です。

それもそのはず、怖い映画なんてほとんど無かったこの時代、低予算で出した結論は、人間の顔に白塗りでゾンビの出来上がりです!でも、低予算でも特殊メイク使わなくても、"伝説"を残せるんです!

また、すばらしいところは、ゾンビ映画ではありますが、ゾンビそっちのけでいがみ合う人間描写です。人間が7名ゾンビに囲まれた家に取り残され、地下室で待機VS地上待機、外に出て逃げるVS家で助けを待つ、などの意見の対立ばかりで協力心全くなし。そして、バービー人形みたいな、おねーさんのやる気のなさったらありゃしない…。

ロメロ御大のゾンビ映画は、一貫してゾンビはおまけで醜い人間の姿を描いていますので、他のゾンビ映画とは一線を画しているのです。

本作で、もう一つ忘れてはならないのが音響効果です。低予算でも、音響効果を使って十分に怖さを出しており、最初の方は、無声映画かとも思えるくらいですが、要所要所で発生する音が恐怖を出してくれます。この時代ならではの技術ですね。

ラストもスッキリさせてくれない!地獄の夜を生き残った黒人男性。助けを求めて窓に近づいた瞬間に眉間に突き刺さる銃弾…。そう、ゾンビと間違われ射殺されてしまうのでした。

死者が蘇り生者の肉を喰うというゾンビの定義を作り、後世に、多くのゾンビ映画を産む作品でした。

ゾンビ伝説ここにあり!

INFOMATION

英題 Night of the Living Dead
製作年 1968
監督 ジョージ・A・ロメロ
製作 カール・ハードマン
ラッセル・ストライナー
出演者 デュアン・ジョーンズ
ジュディス・オディア
カール・ハードマン
マリリン・イーストマン
キース・ウェイン
配給 ウォルター・リード・オーガニゼーション
受賞歴 -
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映画「ぼくのエリ 200歳の少女」感想・レビュー:恐ろしくも悲しい残酷なラブストーリー!

 

ぼくのエリ 200歳の少女

ぼくのエリ 200歳の少女

「ぼくのエリ 200歳の少女」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

内気で友達のいない12歳のオスカーは、隣の家に引っ越してきた不気味な少女エリに恋をする。しかしエリの正体は、人間の血を吸いながら町から町へと移り住み、200年間も生きながらえてきたバンパイアだった。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Let the Light One in
製作年 2010年
製作国 スウェーデン
上映時間 115分
監督 トーマス・アルフレッドソン
製作 ヨン・ノードリング
カール・モリンデル
脚本 ヨン・アイビデ・リンドクビスト
メインキャスト カーレ・ヘーデブラント
リーナ・レアンデション
受賞歴 ・エンパイア賞最優秀ホラー作品賞
・英国インディペンデント映画賞外国映画賞
・ボディル賞非アメリカ映画賞
他多数


 

「ぼくのエリ 200歳の少女」映画解説

だいふく

禁断の名作ラブストーリーだニャ!

作品解説

北欧の夜を背景に、孤独な少年の心の動きを丹念に描いた本作は、その叙情的な映像と普遍的な物語が世界中で評価され、ゴールデングローブ賞外国語映画賞にノミネート、ワシントンDC映画批評家協会賞外国語映画賞はじめ世界各国で60以上の賞を受賞した映画です。

ホラージャンルとして位置づけはされていますが、少年とバンパイアが、周囲に受け入れられない存在であるという共通点から互いに接近し、冷たい夜の中でほのかなぬくもりを求め合うラブストーリーでもあります。

金髪の無垢な少年と、黒髪の叡智溢れる少女バンパイアという対照的な存在を、映画登場人物と同い年だった、無名の子役たちであるカーレ・ヘーデブラントとリーナ・レアンデションが演じ切った素晴らしい作品です。

関連作品

※タイトル後に外部リンクアイコンがあるものはAmazonに飛びます。

【リメイク】

モールス

問題のモザイクシーン

ネタバレ度注意!

本作ではストーリーに重要な意味を持つシーンにモザイクをかけてしまったことで、映画ファンからの批判が出たという事象がありました。私もそのシーンには違和感しか覚えず、配給会社&映倫にクレームを出したいと思ったほど。

 

問題のシーンは、バンパイアであるエリの着替えをオスカーが隠れて見てしまうシーンでした。エリの股間に大きなボカシが入ってしまいます。実は、これに関しては、本来は男性器を去勢した傷跡になっているのです。そうなんです、少女と思っていたエリは男性だったのです!それを知ることは、このシーンのみですのでボカシを入れられると、鑑賞者はエリは少女と思ったままになるのです。

そうなのです。少年オスカーはエリが男であることを分かっていても愛を貫いたんです。ただ、ボカシのため物語の重要なシーンでの意味が全く伝わりません。

 

フリーセックスで有名(性犯罪でも…)なスウェーデンに対し、まったく卑猥ではない映画の重要要素ににまでモザイクをかけてしまう、古い考えの日本のスタイルは呆れますね。

「ぼくのエリ 200歳の少女」感想・レビュー

人間とバンパイアの切ない恋。といえば、これまでにも似たような作品はありましたが、圧倒的に美しくそして考えさせる衝撃的名作でした。

スウェーデンの非常に綺麗な雪化粧風景の中で静かに淡々と進む幼い恋と残酷な殺戮…。相反する2つが見事に融合し美しさすら感じます。12歳の子供が主役だからといって映画の質も一切落としておらず、幼い2人の名演技に完全に心を奪われてしまいます。

 

いじめられっこの少年オスカーに勇気をくれるバンパイアのエリ。エリのおかげでオスカーはいじめられっこに仕返しをすることができました。暗い過去を持ったエリに好意を抱くオスカー。オスカーのおかげでエリの心に温かさがともりました。徐々に距離が近づいていく二人、しかし決して幸せとは呼べない禁断の恋なのです。

ぼくのエリ 200歳の少女

 

物語ではエリの父親として描かれていた男性が居ます、はっきりとした説明無いですが、彼もまたオスカーと同じくエリを愛してしまった一人なのでしょう。年齢が止まってしまったバンパイアに対し、刻々と年齢を重ねていく人間にとって一人だけ老いていくことは辛いことでしょう。次第に年齢が近いオスカーに惹かれていくエリに父親のような存在だった男は「今夜は会わないでくれ」と発した言葉が非常に切なさを秘め印象的でした。命を懸けてまでエリを守る、彼もまた魅せられてしまった人間。

 

オスカーも必ず同じ運命をたどるんだよね...

 

一度は離れた決断をしたオスカーとエリだが、ラストのプールシーンでは無音でいじめっ子達の頭や腕が引きちぎられていく残酷な展開の中、エリの美しく可愛らしい顔とオスカーの微笑みは、残酷シーンすら美しいシーンに変えてしまう二人の愛情と魅力が伝わりました。さて、モールス信号を送りながら愛を語らう二人の未来はどうなっていくのでしょうか…。

ぼくのエリ 200歳の少女

 

いや~。見事な作品でしたが、エリは本気の愛であったのか、生きていくために利用しようとしたのか、それは鑑賞者に判断はゆだねられます。私は、一度離れ戻ってきたことは本気の愛だったと信じたいです。(そうじゃないと、オスカーの未来が悲しすぎる)

だいふく

オスカー君の未来が心配だニャ…。

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映画「ウィッチ」感想・レビュー:魔女誕生秘話を描く!

 

ウィッチ

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「ウィッチ」映画情報

オンライン鑑賞

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※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

1630年、ニューイングランド。ウィリアムとキャサリンの夫婦は、敬けんなキリスト教生活を送るために5人の子どもたちと森の近くにある荒地へとやって来た。しかし、赤ん坊のサムが何者かに連れ去られ、行方不明となってしまう。家族が悲しみに沈む中、父ウィリアムは、娘のトマシンが魔女ではないかとの疑いを抱き、疑心暗鬼となった家族は、狂気の淵へと転がり落ちていく。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 The Witch
製作年 2015年
製作国 アメリカ
上映時間 93分
監督 ロバート・エガース
製作 ジェイ・ボン・ホイ
ラース・カスダ
脚本 ロバート・エガース
メインキャスト アニヤ・テイラー=ジョイ
ラルフ・アイネソン
ケイト・ディッキー
受賞歴 ・サンダンス映画祭監督賞
・インディペンデント・スピリット賞新人作品賞
・エンパイア賞最優秀ホラー作品賞
他多数


 

「ウィッチ」映画解説

だいふく

サンダンス映画祭監督賞を受賞した映画なんだニャ!

作品解説

予算もスケジュールも限られたインディペンデント映画でしたが、サンダンス映画祭の監督賞をはじめ、数々の映画賞を受賞したダークファンタジー作品です。しかもロバート・エガース監督は本作が映画デビュー作ですから驚きです。

まさに17世紀の魔女伝説を描いた作品となり、「魔女」をテーマに、赤子をさらわれた家族が次第に狂気の淵へと転落していく姿を描き、一人の少女が苦しみながらも、魔女へ覚醒していく様子が描かれています。

 

終始重苦しく、薄暗く、そして不快感を感じてしまう映画です。映像からも、音声からも、演者たちの不気味な様子からも一瞬で引きみな世界観にどっぶり浸かってしまい、本作を最後まで観るには精神力が必要となるかもしれません。

ヒロイン役のアニヤ・テイラー=ジョイ

ヒロインのトマシン役であるアニヤ・テイラー=ジョイに関して触れておきましょう。彼女は、ナイト・シャマラン監督から本作の演技をかわれ「スプリット」に主演し、その続編である「ミスター・ガラス」にも出演し素晴らしい演技を見せてくれている、一躍注目の女優さんです。

しかも、彼女本作が映画デビュー作なのですが、それまでちゃんと演技を習ったことはなかったというエピソードもあります。

 

第一印象は少し目が離れ気味で、そこまで綺麗な方とは思えない印象ですが、出演している映画を見ていくと不思議と彼女の魅力にのめり込んでしまうのです。まさにミステリー映画のニューヒロインでしょう!

 

そしてついには、Netflixオリジナル「クイーンズ・ギャンビット」で、第78回ゴールデン・グローブ賞 (ミニシリーズ・テレビ映画部門)作品賞&主演女優賞を獲得しています。

がしかし、彼女はホラーやミステリー映画が会うと思うのは私だけでしょうか!?雰囲気が抜群です。是非、これからもミステリーやホラー系で活躍してもらいたいものです。

ウィッチ

出典:映画.com

 「ウィッチ」感想・レビュー

長女トマシンが、赤ちゃんに、「いないいないばぁ」をやって目を覆った瞬間赤ちゃんが何者かにさらわれてしまう…この瞬間から、不気味で気味が悪い状況が怒涛のように襲ってきます。

映画を鑑賞していてこの時点では、魔女と一家の戦いを描く作品なのかな思いました。が、しかし、本作はそんな甘い発想の映画ではなかったですね。一家が宗教にとらわれ発狂していく姿が延々と描かれています。1つの事件から完全に一家は心が闇に落ち、家族同士のの知り合い、犯人を決めつけ、家族が醜く破滅していくのです…。

ウィッチ

出典:映画.com

 

いや~、観ていて辛かった。そして疲れた。が正直な感想かもしれません。常に不安を感じながら鑑賞をしないといけず、一家それぞれの色濃いキャラがあまりにも不気味なのです。一番、正常で健気なトマシンの存在自体が一家の中で異教徒のように感じてすしまうほど。

 

そして一番まともで有っただろう、長女トマシン。が、この手で母を殺めてしまった瞬間、彼女も何かが弾けてしまった…。

ここに、魔女が誕生したのだ!

 

今までの映画で魔女が誕生した理由を描いた映画なんてあったんでしょうかね!?まさに、衝撃的な映画です。

ウィッチ

出典:映画.com

 

ラストシーンがまたとても印象的でありました。、初めて味わうような何とも言えない感覚で、非常に不気味だけど美しい光景を目の当たりにした感覚です。観終わった後は、重く暗いどんよりした感情しか湧いてきませんでした…。

だいふく

なんだかとても、つかれたニャ!

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