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映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」感想・レビュー:悲劇は終わらない!

 

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」映画情報

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※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

長い黒髪の女性ばかりが狙われた連続殺人事件の解決から数カ月後。同じ現場から新たな身元不明の死体が発見された。捜査にあたる刑事・加賀谷は、かつて自分が逮捕した連続殺人鬼・浦野のもとへと向かう。獄中にいる浦野が口にしたのは、浦野が師と仰ぐ「M」というダークウェブ上に存在する謎の人物だった。一方その頃、加賀谷の恋人である美乃里に謎の男の影が迫っていた。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼
製作年 2020年
製作国 日本
上映時間 118分
監督 中田秀夫
脚本 大石哲也
メインキャスト 千葉雄大
成田凌
白石麻衣
鈴木拡樹
受賞歴 -


 

「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」映画解説

だいふく

若手男性俳優陣の2人に注目の映画だニャ!

作品解説

志賀晃の同名ミステリー小説を映画化した、「スマホを落としただけなのに」の続編になります。前作では、北川景子が主演でしたが、続編の本作では特別出演枠でのチョイ役の立ち位置となり、前回で活躍した千葉雄大演じるトラウマを抱えた刑事の加賀谷が主人公となり物語が進みます。

監督は前作に引き続き、「リング」が代表作の中田秀夫監督がメガホンを取っており、前作に続くヒットを期待したところもあるでしょうが、公開時期が2020年2月とコロナ禍が社会問題となってきた時期と重なってしまい、思うように伸びずに終わってしまった結果となりました。

 

前作のレビューはこちら

「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」感想・レビュー

まず、最初にツッコミたい!「スマホを落としただけなのに」ってそこか~ぃってラストで思わず叫びました。このタイトル今回の事件と全然関係ないんですもん。ラストのラストで無理やりタイトルを帳尻合わせただけですよね。

そして、何故お笑い要素を入れたのだろうか?飯尾和樹演じるサイバーセキュリティ対策室の室長による所々のギャグシーンはいるのだろうか?アキラ100%の裸芸は必要だったのだろうか?単純に事件映画として真面目には作らなかったのは何故だろうと感じます。なんだか折角ミステリー映画な展開なのに、おかげで映画が安っぽく感じましたよね。緊張感がないといいますか、残念でありません。

 

それを除いてみると、前作では犯人であった成田凌演じる浦野の存在が目立っていました。刑事が獄中の犯人に捜査協力を依頼するという内容は、まさに「羊たちの沈黙」を連想はしますので二番煎じかと思いましたが、IT技術を駆使したという点では現代風という面白さがありました。また、成田凌の怪演も相まって凄みも感じる存在でしたね。

 

負けじと、千葉雄大演じる刑事の加賀谷の存在も見どころで、母からの虐待というトラウマを抱えながら迷走感漂いつつ犯人を追っていく演技にも注目でした。その母からの虐待と言う過去が、浦野との共通点でお互い共感しつつも、大人になり進んだ道が正反対で決して認め合うことも無いという、微妙な関係性が面白くも感じます。

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

出典:映画.com

 

ただ、ちょっと加賀谷の恋人の白石麻衣演じるヒロイン松田美乃里にはイライラ感が感じましたね。母のトラウマに苦しんでいる人に、その気持ちも考えずに、母親に会ってあげてってよく言えたな(無理やり母親の共に連れて行こうとした)と思いましたし、とにかく相談する相手のチョイスもイマイチですね…。

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

出典:映画.com

 

続編となった本作ですが、全体的な感想としては、犯人捜しという謎解き要素もしっかり入っており、ミステリー映画としてはなりたってましたが、前回同様やっぱり映画としてはもう一歩だったなぁというのが率直な感想です。特に冒頭でも書いたように、「スマホを落としただけなのに」というタイトル負け感がそういう気持ちにさせている影響が大きそうです。面白くなくはないんですがね…。

 

そして、まだ続くんかーーーい!!!

だいふく

スマホ落として幸せパターンはこの映画では違うと思うニャ!

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映画「オールド」感想・レビュー:一生が一日で終わる…

 

オールド

オールド

「オールド」映画情報

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※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず…。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Old
製作年 2021年
製作国 アメリカ
上映時間 108分
監督 M・ナイト・シャマラン
製作 M・ナイト・シャマラン
アシュウィン・ラジャン
脚本 M・ナイト・シャマラン
メインキャスト ガエル・ガルシア・ベルナル
ビッキー・クリープス
アレックス・ウルフ
トーマサイン・マッケンジー
受賞歴 -


 

「オールド」映画解説

だいふく

シャマラン監督がまたやってくれただニャ!

作品解説

『シックス・センス』『ミスター・ガラス』のM・ナイト・シャマラン監督が描く、異常なスピードで時間が流れ、急速に年老いていくという不可解な現象に見舞われた一家の恐怖とサバイバルを描いたスリラー映画。

 

ピエール・オスカル・レヴィーが2010年に発表したグラフィックノベル『Sandcastle』にインスパイアされた作品でもありますが、M・ナイト・シャマラン監督はオリジナル脚本にこだわり続けていただけあり、原作があるのは珍しい。それほど、原作が自分の映画感とあったともいえるでしょう。

影響を受けた作品

「オールド」は、グラフィックノベル「Sandcastle」に影響を受けたということですが、他の数多くの映画にも影響を受けたと語られています。

 

「美しき冒険旅行」「ピクニックatハンギング・ロック」などのオーストラリアン作品や「皆殺しの天使」「藪の中の黒猫」「ジョーズ」「トワイライト・ゾーン」の影響を受けているようです。

また、閉塞感のある舞台を演出するために「羅生門」「乱」の撮影技法をも取り入れているようで、オリジナルにこだわる監督でしたが、今回は良いものは取り込み自分の形にして描いていく新しい形も見せてくれました。

「オールド」感想・レビュー

なんだって!ビーチでの時間が異常に早い!?それも1日で一生を終えてしまう!?なんて斬新な設定なんだろう。まさしく、M・ナイト・シャマラン監督らしい映画だなって思える映画です。そして上映当時、映画館で観なくてもいいかなーっともいつつ、やっぱり気になるので、足を運んだのでした。

 

設定は予告で公開されているので、映画を観る前から分かっているのですが(個人的には予告で公開しすぎって思いましたが…)、まさになぜこういう状況に陥ったのか?そして抜け出せないビーチからどうやって生き延びるのか?が完全に焦点となります。

 

いわゆるサバイバルやミステリー物と言いましょうか。そのなぜ・どうやってを解決していく導線や異常なビーチに閉じ込められた人々の心情や体の変化が、M・ナイト・シャマラン監督節が炸裂っておもえる、面白さでした。時間スピードが速いので、終始何か事件が起きているイメージで全くだらけるところもありません。

 

そして素晴らしく面白いと思ったのは、たった一日の出来事なのに、一家の一生分の人生を見せられた気分になるのです。冒頭では分かり合えていない家族が、このビーチで真の愛情が有る家族になっていく姿があるのでした。老いた父母と成長した子供達との海辺での家族4人の悲しきシーンは、とても熱くなるものがありました。家族愛をたった一日の出来事で描いてしまう、斬新さが見事です。

オールド

出典:映画.com

 

子供たちの変化も面白さに輪をかけてくれています。成長しきっている大人と比べ成長過程である子供達の容姿や心情の変化がものすごくうまく表現されています。演じる俳優を何度も変える必要ありますが、ちゃんと成長した感がある配役になっているので好感持てます。人を愛する事がまだわかっていない子供が、愛を感じていく様子も面白いですね。

ただ、個人的には体つきが変わるのは理解できますが、何も人生経験をしてないのに、心情などが変わるのは無理があるなとは思った次第です。

オールド

出典:映画.com

 

ラストの謎解きも、前半にちりばめられた伏線回収もしっかりしてくれていてすっきりさせてくれます。ビーチに閉じ込められた人々の人種が多種多様であったのも気になっていたのですが、そこまで回収してくれる納得度合いでした。

 

総じて、面白いと思える映画でしたし、難解な映画が多いM・ナイト・シャマラン監督作品としてもわかりやすく見やすい映画でした。監督の入門作品としてもいいかもしれません!

だいふく

あたいがこのビーチいったら数時間の命だニャ!

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映画「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」のあらすじ・感想レビュー:愛されるすべを持たない男の狂気!

「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」映画情報

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ 製作年:2019年
 製作国:ドイツ
 上映時間:110分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]
 

あらすじ

第2次世界大戦前に生まれ、敗戦後のドイツで幼少期を過ごしたフリッツ・ホンカ。彼はハンブルクにある安アパートの屋根裏部屋に暮らし、夜になると寂しい男と女が集まるバー「ゴールデン・グローブ」に足繁く通い、カウンターで酒をあおっていた。フリッツがカウンターに座る女に声をかけても、鼻が曲がり、歯がボロボロな容姿のフリッツを相手にする女はいなかった。フリッツは誰の目から見ても無害そうに見える男だった。そんなフリッツだったが、彼が店で出会った娼婦を次々と家に招き入れ、「ある行為」に及んでいたことに、常連客の誰ひとりも気づいておらず…。

予告
映画データ
原題 Der Goldene Handschuh
監督 ファティ・アキン
製作 ヌアハン・シェケルチ=ポルスト
ファティ・アキン
主なキャスト ヨナス・ダスラー
グレタ・ゾフィー・シュミット
受賞歴 ・ドイツ映画賞 メイクアップ賞
・ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品


 

「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」感想レビュー

管理人

今回は、実在したシリアルキラーをリアルに描いた映画を紹介します。メイクアップ賞を受賞した殺人鬼の顔にも注目!

だいふく

結構、不快な映画に仕上がっているので注意だニャ!

作品について

1970年代のドイツ・ハンブルクに実在した5年間で4人の娼婦を殺害した連続殺人犯の日常を淡々と描いたサスペンスとなります。監督は、30代で世界三大国際映画祭すべてで主要賞受賞の快挙を成し遂げた、ファティ・アキン監督です。

 

2019年第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品となり、ドイツ映画賞ではメイクアップ賞を受賞しました。そのメイクアップは、若手俳優のヨナス・ダスラーの美しい容姿を、実年齢よりも20歳以上も上の、ホンカへ大変身させるという見事な技術でした。

 

劇中ではフリッツが行きつけのバー「ゴールデン・グローブ」で娼婦を誘い入れるシーンが何度も描かれていますが、このお店実在します。ハンブルクのザンクト・パウリ地区にある歓楽街にあり、お店の入口に「ホンカの部屋」と看板に書かれているという悪趣味っぷりです。HPもありますよ! ⇒ ゴールデン・グローブ

実在した連続殺人鬼

映画で描かれるフリッツ・ホンカがドイツで1970~1975年にかけて4人の女性殺害し、死体をバラバラにして、自室の屋根裏に隠し続けるという、衝撃な事件を起こした猟奇的殺人鬼です。ドイツでは、子供に「気を付けないとホンカにつかまる!」と言われるほど、知られている人物です。

 

幼いころ交通事故で鼻が潰れ、目は斜視、頭髪は薄いという容姿へのコンプレックスと重度のアルコール依存症だったという、フリッツは自分より弱い女性のみに大柄な態度をとるような人物でした。

 

娼婦4人を殺害していますが、40代1人と50代3人と年配者が多いです。その理由は、性的不全のフリッツは、オーラルセックスを好み、局部を女性に噛まれるのではないか、という恐怖心から、自分より非力で身長の低い「歯のない娼婦」を選んでいたそうです。娼婦に性的不全を笑われた瞬間、アルコール中毒のフリッツの悪魔が瞬間的に出てしまうのでした。

感想

実在するシリアルキラーを描いた映画は幾度か見てきましたが、本作ほど娯楽性を一切取り除き、すべてが不快で不潔に実在の殺人鬼を描いた映画は今までに類を見なかったでしょう。あまりにもフリッツの言動がリアルに描かれているので、殺害ドキュメンタリを観ている感覚に陥いりました。

 

フリッツを、実在に似せイケてない不幸でブ男にし、言動すらイケてなさを表現することで嫌な人間味をリアルに感じてしまいます。愛されるすべを持たないフリッツが選ぶ女性も、誰が見ても見た目も精神状態もイケてない年配の女性ばかりですが、弱者である彼女ですら手こずるフリッツがこれまた妙にリアルです。感情に任せた無計画な殺害も不快感を一層引き立てました。

 

屋根裏部屋の家の作りや雰囲気も実在とうり二つに作られていますし、行きつけのバー「ゴールデン・グローブ」も実在のお店での撮影ということで、雰囲気も抜群でした。癖のある常連客もフリッツに対して敵でもなく味方でもない、微妙な関係性も何とも言えない距離感でした。フリッツ自身はこの店でちゃんと認められた存在なのですよね。

 

そんな不快さのリアルを追求した映画の中で、唯一といってよい娯楽性(花?)を描いたのが、女学生のペトラの存在でした。一瞬にして彼女に惚れてしまうフリッツですが、結局手を出すことが出来ず映画は終わってしまうのです。フリッツの人生を象徴するかのような、醜さと対照的に描いた花が決して手が届かない存在として描いたのではないでしょうか。

 

さて、結局のところ映画全体の感想ですが、面白いと思うような要素は全く無く嫌な気持ちにさせられますが、実在したシリアルキラーの心理面が手に取るようにわかる映画でしたので、見ごたえ十分で興味が持てる作品でありました。でも、2回目は絶対に観たいと思わない映画でもありますね…。

だいふく

観るときは心して鑑賞するだニャ!

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映画「八仙飯店之人肉饅頭」のあらすじ・感想レビュー:実在した猟奇的事件を描く!

「八仙飯店之人肉饅頭」映画情報

八仙飯店之人肉饅頭 製作年:1993年
 製作国:香港
 上映時間:93分
 [Amazonで買う]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

1986年、マカオの海岸でバラバラ死体が発見された。腐敗が進んでいたために警察の捜査は難航したが、やがて死体の身元が判明し、八仙飯店の店主ウォンが容疑者として逮捕される。壮絶な取り調べの末に自白に追い込まれたウォンは、元の店主チェン一家を皆殺しにして店を乗っ取ったことや、彼らの死体をミンチにしてつくった饅頭を客に食わせていたことを告白しはじめる。

予告
映画データ
原題 八仙飯店之人肉叉焼飽 The Untold Story
監督 ハーマン・ヤウ
製作 ダニー・リー
主なキャスト アンソニー・ウォン
ダニー・リー
受賞歴 香港電影金像奨 最優秀主演男優賞


 

「八仙飯店之人肉饅頭」感想レビュー

管理人

今回は、観る人を選ぶ映画です。これから書くレビューも含め、閲覧注意の映画になります。管理人ちょっとお酒に酔ってレビューしてます。いや、酔わないとレビューは書けないといった映画なのです。

だいふく

いやニャ、グロはやめてニャ~!!!

作品について

暴力・残酷描写が激しく、子供を惨殺する描写があまりにも凄惨であったために、日本では映倫により劇場上映を「不許可」とされ劇場公開されていない映画で、東京国際ファンタスティック映画祭等で限定的に上映されたのみ。

しかしながら、製作された香港では、主演のアンソニー・ウォンは香港アカデミーともいわれる、香港電影金像奨の主演賞を受賞しています。確かにこの映画を観たら、猟奇的でものすごい演技は驚かされ見事だとは思いますが、本作を堂々と映画賞に受賞させる香港にも驚かされます。香港での大ヒットを記憶したのを背景に、3作目+新シリーズまで出ているほど。

驚きは、本作は1985年マカオで実際に起きた猟奇事件ということなのです。

八仙飯店一家殺害事件とは

管理人

実際に起こった事件を少し紹介してみましょう。

容疑者は、黄志恒という男で中華料理店「八仙飯店」の経営者でした。一家及び親族の9名と従業員1名を殺害したとされ、容疑者が犠牲者の遺体を叉焼包にして店で販売していたと噂されるようになり、香港とマカオで一時大々的に騒がれた事件です。

犯人の動機は、賭けにより借金を払わなかったことが発端です。何度も借金の清算を求めたが拒絶されたことによる犯行と自白をしています。

遺体が「人肉の叉焼包」にされたという噂を基に、本作で家でなくテレビドラマなども放映されている。

感想

管理人

だめです、だめです、だめです!

この映画のショッキング映像…、いや絶対に観てはダメです!なのに実際に起きた事件、そして映画は香港で映画賞受賞しているのも事実、もうなんだか常識が混乱してしまいます。

よく映画として製作し、放映する許可が出たなと思える過激な残酷シーンが目白押しでなのです。例を挙げると、目玉に伝票を刺す針をぶち込み、女性をレイプし股間に大量の割り箸でブスリ…。そして、殺した人肉を、ご丁寧に包丁で解体しミンチにして肉まんになるまでもしっかり映像化してくれてます。次の日おいしそうに客や刑事が食べる姿を見せられますから、うげって肉まんトラウマになるのは必至です。

途中でも退場したくなるような吐くシーン目白押しなのに、「え、何?こんなチョロい映像で引いちゃってるの⁉」って製作陣があざ笑うかのような、ラストの一家惨殺シーンは地獄そのもの。ここで日本で映倫が拒絶した問題のシーンである、両親を目の前で惨殺された子供達を次々に中華包丁でちょんぱ映像が流れます。それもお首チョンパですからね…。日本では見ることができない衝撃の映像が繰り広げられるのです。

でもね、この映画単にグロ描写だけで終わらせてくれないのがイカレ映画として評価される所以なのです。それは犯人への警察の取り調べが非常にえげつないのです。一家惨殺を自白させるために行う、警察の拷問が半端無いのです。殴る蹴るは当たり前、トイレに顔を突っ込まされるは、小便かけられるは、三日三晩睡眠をとらせず寝そうになったら、引っ叩きまぶしい光を浴びせる。挙句の果てには、背中に水を注射し、寝転べば激痛が走るという手段までとるという。

さて、どうでしょうか?レビューを読んでるだけでも吐き気がしそうな内容ではないですか?グロ&卑劣な拷問のミックスなんです。でもね、この映画が凄い所は、お馬鹿なコメディータッチの場面があり悲惨な映像の中で思わず救われてしまい、映画としてはちゃんと成り立っちゃっているのですなぁ、これが…。

といっても、はっきり言いまして全くお勧めできるような映画ではないのは確かではありますが、実際に起きた事件の映画化という目で見ると、映画よりも現実世界がよっぽどイカれているのかなぁとも思うのでした。

 

だいふく

もう、肉まん食べれないニャ~

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映画「シン・シティ」感想・レビュー:愛する女を命を懸け守る3人の男!

 

シン・シティ

シン・シティ

「シン・シティ」映画情報

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※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

犯罪以外は何もない罪の街=シン・シティ。救いなどなかったはずのシティで、その夜3人の男が絶滅したはずの愛と出会う。屈強な肉体と醜い傷跡のせいで、誰もそばに近づこうとしない前科者マ―ヴ。過去を捨て、娼婦街の自警者となって夜をさまようドワイト。凶悪な幼女連続殺人犯をおって、引退の夜を迎えたシン・私費最後の正義ハーディガン刑事。それぞれに訳アリの過去を抱えながらシティの片隅に生きた男たちは、自分に愛を与えてくれた女のために、邪悪な悪と権力との命がけの戦いに身を投じていく。

予告編

作品データ

原題 Sin City
製作年 2005年
製作国 アメリカ
上映時間 152分
監督 ロバート・ロドリゲス
フランク・ミラー
製作 ロバート・ロドリゲス
フランク・ミラー
脚本 フランク・ミラー
ロバート・ロドリゲス
メインキャスト ブルース・ウィリス
ジェシカ・アルバ
ミッキー・ローク
クライブ・オーウェン
受賞歴 -


 

「シン・シティ」映画解説

だいふく

今回は、R15+指定ですが非常にカッコイイ作品を紹介するニャ!

作品解説

フランク・ミラーとロバート・ロドリゲスの共同監督作品であり、特別ゲスト監督として、クエンティン・タランティーノが一部のシーンを担当している作品です。

アメリカのコミック「シン・シティ」の映画化となり、原作では4つのエピソードで描かれていますが、映画は3つに集約されています。またコミックと映画では時系列も入れ替えられているようです。

 

映画は、基本モノクロで描きつつも、赤や黄色の原色だけ色味を付けるころにより、より色味を強調する効果が出ています。また、俳優以外はすべてCG映像で描かれているのも特徴的な映画です。

関連作品

【続編】

シン・シティ 復讐の女神

エピソード紹介

EPISODE1:ハード グッバイ
屈強な肉体と醜い容姿から誰も近づこうとしない仮出所中のマーヴ。彼は、高級娼婦ゴールディという美女と出会い、ホテルにて一夜を共にする。しかし彼が目を覚ますとゴールディは死んでおり、直後に警官隊が駆けつけてマーヴは犯人扱いをする。一夜の愛をくれたゴールディを殺し自分を陥れた犯人に対し、復讐に立ち上がる…。

EPISODE2:ビッグ ファット キル
罪から逃れるため過去を捨て、昔の恋人ゲイルが仕切る娼婦街に身を潜めるドワイト。ある時、街で警察官が殺されるトラブルが起こってしまう。このままでは娼婦街は昔の無法地帯に逆戻りしてしうまう窮地に、娼婦たちを救うためドワイトは奔走する…。

EPISODE3:イエロー バスタード
無実の罪で8年の獄中生活を送ったハーティガン刑事。だが救助した少女ナンシーだけはハーティガンを信じ彼に手紙を送り続け、ハーティガンはその手紙を支えに獄中の尋問に耐え続ける。出所後、かつて救い出した少女ナンシーの危機を知り、最後の戦いへと向かう…。

「シン・シティ」感想・レビュー

上映当時に、映画館で観たのですが、ず~っと興奮しっぱなしだったのを覚えています。面白かった。白黒の映像に、赤1色だけの色味がエロティックな感じでカッコ良すぎでした!3つのそれぞれのストーリーも特徴があって面白かったですね。感想もエピソードに書いていきたいと思います。

EPISODE1:ハード グッバイ

大男マーヴの娼婦への愛情がすさまじい。演ずるはミッキー・ロークですが、知る人ぞ知るネコパンチボクシングKO劇で、落ちるとこまで落ちた感じでしたが、本作品で見事俳優として復活となりました。昔のイケメン俳優とは程遠い醜い大男役でしたが、非常に良い役で適役と思います。

 

びっくり配役といえば、「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッドが、異常殺人者の役を演じていたことでしょう。殺した女性を食べたあげく、首を記念に展示する鬼畜っぷり。マーヴからの殺されっぷりもかなりエグく、両手両足切断で、犬の餌です…。

復讐は果たしたが刑務所で死刑を待つマーヴに再び暖かな愛が訪れ、死んでいく彼の脳裏に浮かぶ幸せな一夜が印象的な物語でした。

一夜の愛をくれた女のために命かける!

「復讐という愛」

シン・シティ

Dimension Films/Photofest/MediaVast Japan

EPISODE2:ビッグ ファット キル

娼婦ばかりの街、ルールを守れない物は容赦はしない街。お互い干渉しないという警察とのルールは、破られた…。

 

エピソード1からの重苦しさから一転、女性ばかりの街という華やかさがある物語です。セクシーな中に、狂気で危険な香りが漂よう娼婦達による駆け引きと、戦いっぷりが見どころでした。特にデヴォン青木演じる無表情殺人兵器ミホの日本刀の切れ味に感動すら覚えるほどでした。

窮地に追い込まれる娼婦達と昔の女を頼り巻き込まれていくドワイトの関係性が非常に面白かったのですが、3つの中では一番印象には残らないストレートなエンディングになっている気がします。

愛した女を守るために命かける!

「守るという愛」

シン・シティ

Dimension Films/Photofest/MediaVast Japan

EPISODE3:イエロー バスタード

これは、やられた!!!何にかって?それは、ヒロインのナンシー役を演じるジェシカ・アルバの綺麗さそして色っぽさです!本作で一気に彼女の魅力が爆発した感じがします。ナンシーが愛する、老刑事ハーティガンを演ずるブルース・ウィリスの役もすばらしく合います。おじさんなのに、シブイ!シブスギます!

本エピソードからは、今までは白黒映像の中で色は赤のみでしたが、黄色が頻繁に混ざってきます。黄色は悪役の色であり、ハーティガンがナンシーを助けた事件の犯人ロアーク・ジュニア(イエローバスタード)であります。ロアークは醜く変貌した姿で、美しいナンシーと相反するがごとく、黄色が醜く汚らしく映るのです。

ラストでハーディガンが選んだ、ナンシーを守る一つのための方法が悲しすぎました。

自分を慕う女のため命をかける!

「叶わない愛」

シン・シティ

Dimension Films/Photofest/MediaVast Japan

 

以上の3つのエピソードで構成される本作ですが、最後には全てのエピソードがリンクしてきます。愛する女性を守る男という点でも共通であり、不器用な男の愛の形を見せてくれました。

だいふく

映像も渋い映画だったニャ!

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映画「CLIMAX クライマックス」感想・レビュー:鮮烈に、堕ちる…

 

CLIMAX クライマックス

CLIMAX クライマックス

「CLIMAX クライマックス」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

1996年のある夜、人里離れた建物に集まった22人のダンサーたち。有名振付家の呼びかけで選ばれた彼らは、アメリカ公演のための最終リハーサルをおこなっていた。激しいリハーサルを終えて、ダンサーたちの打ち上げパーティがスタートする。大きなボールに注がれたサングリアを浴びるように飲みながら、爆音で流れる音楽に身をゆだねるダンサーたち。しかし、サングリアに何者かが混入したLSDの効果により、ダンサーたちは次第にトランス状態へと堕ちていく。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Climax
製作年 2018年
製作国 フランス
上映時間 97分
監督 ギャスパー・ノエ
製作 エドアール・ウェイル
バンサン・マラバル
脚本 ギャスパー・ノエ
メインキャスト ソフィア・ブテラ
ローマン・ギレルミック
キディ・スマイル
受賞歴 ・カンヌ国際映画祭芸術映画賞


 

「CLIMAX クライマックス」映画解説

だいふく

カンヌ国際映画祭が動揺した衝撃的な映画を紹介するニャ!。鑑賞は要注意なんだニャ…

作品解説

第71回カンヌ国際映画祭の監督週間で世界初上映され芸術映画賞を受賞しましたが、非常に問題作ともいえる作品となっており、ドラッグと酒でトランス状態になったダンサーたちの狂乱の一夜を描いた作品となります。

ギャスパー・ノエ監督は常に世界に衝撃を与え観客を挑発し続けるフランスの鬼才ともいわれています。本作は長編映画作品としては5作目になるのですが、初長編映画『カノン』で始まり、問題作『アレックス』と世界に衝撃を与え続けている監督ですから、完全に観る人を選ぶ映画でしょう。

出演者は、ほぼダンサー役ですが、セルヴァ役を演じるソフィア・ブテラ以外、すべてプロのダンサーが出演したというこだわりもあり、狂気の中にも見事なダンスパフォーマンスは圧巻と言えます。映画に使われる音楽もダフト・パンクのほか、ザ・ローリング・ストーンズ、セローン、エイフェックス・ツインなどで構成されるこだわりようです。

ジャケット写真の赤色をベースにし、ダンサーが踊っている姿は、まさにサングリアに漬け込まれた果実のようにも思えます。

CLIMAX クライマックス

出典:映画.com

関連作品

※タイトル後に外部リンクアイコンがあるものはAmazonに飛びます。

【ギャスパー・ノエ監督のカンヌ出典作】

カルネ

アレックス

「CLIMAX クライマックス」感想・レビュー

ギャスパー・ノエ監督作品ですから。もぅ観る前から深呼吸して気合を入れ外に音が漏れないようにしっかり窓を締め、お酒を飲みながら臨みました。お酒は飲みながらじゃないと耐えれる自信がなかったです。

 

まず、前半~中盤はまだまだまだ余裕がありました。ダンサーたちの見事なパフォーマンスと妙に耳に残るミュージックとの見事な融合、そして赤を主体とした原色で描かれる世界、お酒の酔いが回ったダンサーたちのおバカな会話とひたすら繰り返し見せられます。黒人男性のダンサー子供っぽい(下品ですが)エロトークもなかなかニヤッとさせられました。

CLIMAX クライマックス

出典:映画.com

 

が、束の間…。いきなり演者とスタッフなどのエンドロール!?が流れます。はい、わかりましたよ…。エンドロールでなく、ここからが狂気の沙汰の始まりなんですね。「お前らここから始まるが耐えれるのか!?自信が無ければここで終われよ!」と言われている気分でした。

 

そして中盤~後半に突入。もうね、全員がイカレているんですよ。だって打ち上げと言うはしゃいだパーティーでサングリアを大量に飲んだ上に、サングリアにドラックが大量に入っているんですもん。ドラックが回った人間の永遠と意味不明な行動や狂気の沙汰が流され続けるのです。途中いったい何を観せられているのだろうと正直思いました。そして嘔吐感ですら感じました。まさに地獄絵図とはこのことを言うのだと理解できました。

CLIMAX クライマックス

出典:映画.com

 

その中でも監督の鬼才っぷりといいますか監督としての技術も見え隠れしました。全編を通し長まわし撮影(演者は大変だろうな)を多用し、人がすれ違いざまにカメラで追う人物を変えたり、しまいには映像を上下さかさま(字幕もさかさま)にするカメラワークを使います。これには嫌悪感が2倍にも3倍にも思えてしまう効果がありました。

それだけでないのですよね。嫌悪スパイスとしては十分すぎるほどの視覚と聴覚の刺激物を投入してきます。前半ではあれだけ見事な色彩感と思っていた色が原色過ぎて気持ち悪く感じられ、鳴り響くパーティーの音楽と共に遠くから聞こえ続ける悲鳴がこれでもかというくらい耳を刺激します。(思わずボリューム下げました…)

 

がんばって疲弊して観終わった後に何が残るのでしょう。何か心の中にモヤモヤとした感情と共に、ただただ人間が堕ちていく姿にはドラックの怖さは十分に知ることが出来ました。が、ちょっと刺激強すぎて放心状態でした。

だいふく

人間の狂気は、ホラー映画よりもある意味怖いニャ…

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映画「ボーダー 二つの世界」のあらすじ・感想レビュー:私は心の匂いを嗅ぎ分ける!

「ボーダー 二つの世界」映画情報

アド・アストラ 製作年:2018年
 製作国:スウェーデン・デンマーク
 上映時間:110分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]
 

あらすじ

醜い容姿のせいで孤独と疎外感を抱える税関職員ティーナには、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分けるという特殊能力があった。ある日、彼女は勤務中に奇妙な旅行者ボーレと出会う。ボーレに対し本能的に何かを感じたティーナは彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にボーレに惹かれていくティーナだったが、ボーレにはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった。

予告
映画データ
原題 Grans
監督 アリ・アッバシ
製作 ニナ・ビスゴード
ペトラ・ヨンソン
主なキャスト エバ・メランデル
エーロ・ミロノフ
受賞歴 ・カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀作品賞
・ゴールデン・ビートル賞助演男優賞


 

「ボーダー 二つの世界」感想レビュー

管理人

本日は、第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを受賞した北欧ミステリーを紹介します。

だいふく

心の匂いを嗅ぎ分けるってすごいニャ!

作品について

『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作者ヨン・アイビデ・リンドクビストが自身の原作をもとに共同脚本を手がけた北欧ミステリー作品です。『ぼくのエリ 200歳の少女』でも同様でしたが、北欧の森や湖が土地柄と映画とマッチし、見事な風景ですにどこか冷たさも感じる印象的な作品でもあります。第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを受賞し、アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされています。映画登場人物である、ティーナ&ボーレの表情と実際に演じている俳優さんを見比べるとメイク技術の凄さは素人でもわかるくらい素晴らしい技術でして、違和感がある顔立ちを、違和感なく仕上げたメイクアップには驚きです。

さらに本作は、アカデミー賞受賞しているギレルモ・デル・トロ監督から絶賛の評価を受けており、「ジャンル映画は娯楽としていろんな層にアプローチしやすい。エンタメの箱を使って真実や哲学を描くことでジャンル映画が注目されるようになった」という言葉を残されたようです。

感想

いや~正直どんな映画なのかが全く想像ができなかったのですが、予告みて一瞬で鑑賞してみたいという気持ちになりました。残念ながら近くの映画館での上映は無かったため、レンタルでの鑑賞となりましたが…。

謎々…の物語です。人とは違った容姿の税関職員ティーナの正体は?彼女はなぜ匂いで人間を嗅ぎ分けれるのか?突如現れた彼女と同じ容姿の奇妙な旅行客のボーレの正体は?そんな謎ばかりの前半でしたが、二人が会った瞬間に惹かれあって関係性を深めていくにつれ、謎は中盤過ぎくらいでようやく明かされます。

ですが、正体をしった時点では、「あ~、え!?そうきたのか!」というのが正直な感想でした。全く予想は出来ませんでしたが、個人的に二人の正体が知った瞬間は期待外れの感情も湧き出し複雑な気分でした。

しかし、本作は正体が分かってからの展開が面白く、ティーナの葛藤や行動は興味深い展開でもありました。恋愛物っぽい要素も含むのですが、決して恋愛で簡単には語れない、ティーナの複雑で純粋な心情が描かれています。

本作はラスト直前で画面が暗くなるシーンがあります。てっきりそこで映画が終わりエンドロールと思いましたが、続きがありました。いったいここから何を描くのかと思ったら…。観終わった後の感情は表現できないが正しいかもしれません。凹むとか嫌悪感という感情でもないのです。ただ一番に思ったの何か観てはいけないものを観てしまったという感情が近しいのかもしれません。

それは何か、「グロテスクな美しさ」という相反する言葉が当てはまっているかもしれません。これは容姿の意味だけでなく心情的な意味でも当てはまる映画でした。想像できない世界観を体験した映画です。なんだか映画の新しい世界観や深さを改めて知ることができた作品に出会えた気持ちになりました。

だいふく

感想が難しい映画だったニャ

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映画「ヒドゥン・フェイス」のあらすじ・感想レビュー:この家には何かが居る!

「ヒドゥン・フェイス」映画情報

ヒドゥン・フェイス 製作年:2011年
 製作国:コロンビア・スペイン
 上映時間:92分
 [Amazon Primeで観る]


 

あらすじ

スペインで指揮者を務めるアドリアンはコロンビアの交響楽団に招かれ、恋人ベレンと一緒にコロンビアにやってくる。ナチスドイツの残党だった家主が建てたという別荘を借り、コロンビアでの生活をはじめた2人だったが、ささいな口論がきっかけでベレンは家を出ていってしまう。失恋の痛手からバーで飲んでいたアドリアンは、そこで出会った女性ファビアナと恋に落ち、家に招き入れる。しかし、その日から家の中で不可解な現象が連続し…。

予告

映画データ
原題 La cara oculta
監督 アンドレ・バイズ
原案 アテム・クライチェ
キャスト マルチナ・ガルシア
キム・グティエレス
クララ・ラゴ
受賞歴 -

「ヒドゥン・フェイス」感想レビュー

だいふく

ネタバレ禁止の映画なのでレビューの閲覧注意だニャ!

作品について

隠れた名作と言うべき作品でしょう。ホラーでは決してないのですが、しかしとてつもなく恐ろしい人間の嫉妬と真実が待ち受けているサスペンス。サスペンスといってもミステリーやラブロマンス等のさまざまな要素を合わせた作品でもあります。

登場人物3人の視点からの恐怖の謎が徐々に解き明かされていく傑作は、男一人に対して女性二人の嫉妬心からの人間の恐怖そして思いがけない恐怖を描きます。夫の愛を単に確かめようとおもった女性の軽い決断から地獄が始まるのでした。

その大注目の女優陣ですが、南米コロンビアのマルチナ・ガルシアとクララ・ラゴですが、どちらも美人ですし日本人受け良い顔立ちの女性です。フルヌードで熱演していますが、いやらしさが無い芸術的な美しさは、この映画に適任でした。はい、女優陣を観るだけでも価値がある作品ですよ!!!

感想

この映画は、確実にネタバレなしで観た方が面白いですので出来れば情報なしで観てもらいたいのですが、その初見は余りにも強烈な展開に驚愕させられるの間違いなしです。

不自然に波打つ浴室や洗面所の水、排水溝から聞こえる声、急に熱湯がでるシャワー、これは幽霊物なのか?と思ってしまうのですが、決して怪奇現象でなく恐ろしい“隠された真実"なのです。その真実は、あまりにも残酷で絶望の恐怖でした。

徐々にシチュエーションスリラーと言ってもいい展開が繰り広げられますが、非常に見事な設定で観ている側は、物語りに完全に引き込まれてしまうこと間違いなしです。

そして描かれる女性の嫉妬心がこれまた映画の良いスパイスとなっています。嫉妬がおりなす人間の恐怖がどんどん押し寄せられ、正直観ていて心が詰まる思いになりました。その嫉妬している相手が、唯一自分の命を助ける人であるという状況…なんて意地悪な設定なんでしょうか。

正直、前半は淡々と進み退屈に思えたりするんですが、それは後半へのつなぎでしかなく、前半シーンをなぞるように徐々に裏の真実が明かされていく事実には唖然とします。何気も無い前半の1つ1つのシーンにすべて意味があったと分かるのでした。いや~、よく考えられた映画だなと思いました。

ラストもかなり意地悪な展開となり、なんだか気持ちを落ち着かせてくれないままで、想像するとじわじわくるような恐怖を感じましたね。

うん、久しぶりに良質なサスペンスを観させていただきました。大満足です。

だいふく

しかし、あの男が一番許せんにゃ~!

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映画「サスペリア PART2」のあらすじ・感想レビュー:巧妙なトリックを見破れるか!

「サスペリア PART2」映画情報

サスペリア PART2 製作年:1976年
 製作国:イタリア
 上映時間:106分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

ローマで開催された欧州超心霊学会では、超能力を持つヘルガが、突然錯乱した。彼女は、かつて残虐な殺人を犯した人間が会場内にいると宣言した後惨殺される。偶然その瞬間を目撃したイギリス人のピアニスト、マークはコートの男が逃げていく姿を目撃する。

予告

映画データ
原題 Deep Red
監督 ダリオ・アルジェント
製作 クラウディオ・アルジェント
キャスト デビッド・ヘミングス
ダリア・ニコロディ
受賞歴 -

「サスペリア PART2」感想レビュー

作品について

『サスペリア』の日本でのヒットに乗じ配給会社が、製作年度も古くジャンルもストーリーも全く異なる映画で、ダリオ・アルジェント監督というだけで、邦題が『サスペリア PART2』なってしまったという、なんとも適当な邦題です。続編と思って鑑賞した人はたくさんいたんでしょう。

映画の内容はダリオ・アルジェント監督の最高傑作とまで言われる作品であり、ホラージャンルというよりかは、サスペンス映画となっており、イタリアのヒッチコックと言われる所以が本作品で観ることができます

ダリオ・アルジェント監督作品の定番ともいえる、ゴブリンの音楽ももちろん登場します。本作品でアルジェント作品として初めて手がけた記念すべき作品ですが、急に場違いとも言える激しいゴブリンの音楽は、観るものを興奮と期待の渦に巻き込んでいく最高の組み合わせとなっています。

感想

すばらしい映像トリックでした!ストーリーの中で重要なシーンを映画の観客が観ているにもかかわらず、ほとんどの人が気づかなかったという巧みな技には思わずハッとさせられます。さらにはカメラワークもすばらしいので、サスペンス映画の見本とも言えるべき作品ではないでしょうか?

1度観てしまったら、思わず2度3度と観て確かめたくなってしまいます。湯気で見えるダイニングメッセージや屋敷の壁に埋もれた絵と部屋など、今でこそ割とありきたりなトリックも、この時代のミステリー映画としては素晴らしいものがあります。

血が塗り絵のようでチープなのは愛嬌として、小道具や細かい演出もすばらしいいのです。不気味な絵画や首をつっているキューピット人形、子供の音楽など、映画に強烈な雰囲気を与えています。そして…、急に高笑いを上げた人形が襲ってくるという不気味なシーンは、はっきりいって未だにトラウマです!!!

映画自身、サスペンス映画の要素が強いためか、ダリオ・アルジェント監督の作品の中では、殺害シーンはかなりおとなしいものにはなっています。とはいっても、一般の作品から比べると残酷であることは間違い無しで、窓ガラスに首が刺さるシーンや、熱湯に顔をつけられぶくぶくに顔がはれた姿(溺死でもいいところをあえて犯人が熱湯にしたところがミソ!)、挙句の果てには顔を車で引かれてぐちゃっとしちゃうという無駄に残酷にしてしまう有様です。後のダリオ・アルジェント監督作品の残酷描写の片鱗が見える気がしますね。

さて、映画をご覧になられたことがある皆さんは犯人は初見で分かったでしょうか!?私は、見事に外れてしまいましたよ。といっても、実はアレには最初から気づいていたんですよね。でも、さっぱり意味が分からず結局ラストで、「あっ!そうだったの!?やられた~」って感じでただの鈍感だったという有様でした(笑)

だいふく

1970年代の代表的なサスペンスホラーお勧めだニャ!

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  • 発売日: 2013/02/27
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映画「ゴーストランドの惨劇」感想・レビュー:絶望的な恐怖に姉妹の運命は!

 

ゴーストランドの惨劇

ゴーストランドの惨劇

「ゴーストランドの惨劇」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

人里離れた叔母の家を相続し、そこへ移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘。奔放で現代的な姉ベラとラブクラフトを崇拝する内向的な妹ベスは、双子でありながら正反対の性格だった。新居へ越してきた日の夜、2人の暴漢が家に押し入ってくる。母は娘たちを守るため必死に反撃し、姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにしてしまう。事件から16年後、ベスは小説家として成功したが、ベラは精神を病んで現在もあの家で母と暮らしていた。久々に実家に帰って来たベスに対し、地下室に閉じこもるベラは衝撃の言葉をつぶやく。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Incident in a Ghostland
製作年 2018年
製作国 フランス・カナダ
上映時間 91分
監督 パスカル・ロジェ
製作 クレマン・ミゼレ
ジーン=チャールズ・レビ
脚本 パスカル・ロジェ
メインキャスト クリスタル・リード
エミリア・ジョーンズ
アナスタシア・フィリップス
受賞歴 ジェラルメ国際ファンタスティック映画祭グランプリ


 

「ゴーストランドの惨劇」映画解説

だいふく

ネタバレないけど、この映画予備知識無い方がいいので注意してニャ!

作品解説

鬼才パスカル・ロジェが6年ぶりに戻ってきました。そうです!あの圧倒的な恐怖と不条理な暴力を描き、ど度肝をぬいた『マーターズ』の監督です。『マーターズ』を観た時はいったいこの監督の頭の中はどうなっているのか!?と思った次第ですが、本作もやっぱりやっぱり、やってくれましたとしか言いようがありません。

予告を観てもらえるとわかりますが、普通のホラーとは一線を画す内容だということが分かると思います。『マーターズ』でもみせた前半と後半の展開の違いは本作もあり唖然としてしまいます。完全に予備知識なしで観ることをお勧めしますが、鑑賞している中盤くらいまではどうなっているか混乱してしまうことでしょう。

キャストについて

母親と双子の姉妹ベスとヴェラが主役となるストーリですが、本作姉妹役は2名ずつ女優さんが演じております。

 

まず妹のベスですが、クリスタル・リードが演じ10代の役としてはエミリア・ジョーンズが演じています。共に知らない女優さんでしたが、TVドラマや映画に出演している方なんですね。いや~お綺麗でしたが、まさに体当たりな演技でしたが、その綺麗なお顔がボコボコになってしまうのは観るに堪えないですねぇ…。

姉の役は、アナスタシア・フィリップスが演じ、10代の頃の役としてはテイラー・ヒックソンが演じます。こちらも知らない女優さんでしたが、ほぼ無名でしょうか。ベス役も体当たりでしたが、姉のヴェラに関しても相当ハードな役だったでしょう。

ゴーストランドの惨劇

出典:映画.com

 

この映画は、この二人の姉妹の惨劇(ボコボコ具合)を楽しむ映画といっても過言ではないのかも!?

「ゴーストランドの惨劇」感想・レビュー

鑑賞し終わっての率直な感想…

うぅ。。。疲れた~

でした。

 

でも、これはホラーファンからするといい意味でとらえてもらいたい感想なのですが、映画を観ていて冒頭からラストまでずっと緊張感が絶えませんでした。手に汗握り思わずぎゅって何かをつかみたくなってしまう映画と言うのはまさしくこういう映画でしょう。単純に大きな音やグロい映像で驚かせるホラーとは全く異なります。もうねこの先何が起こるのかが全く想像がつかないので不安感が絶えないのです。

ゴーストランドの惨劇

出典:映画.com

 

内容がものすごく濃く、展開もめまぐるしく変わるのですが、それでもって約90分という短い時間で描き切っているところも素晴らしい所です。余計な説明は一切なく淡々と恐怖が続いていく切羽詰まった時間としても、ちょうどで完璧な時間感であったと感じました。

 

でも、よくよく改めて考えると、ストーリー自体結構ありきたりなホラーではあるのです。異常者に襲われる女性だけの家族という設定なので、こういう展開の映画なんて星の数ほどあると思います。ですが、鬼才パスカル・ロジェ監督の仕事は違うんですよね。同じ設定でも遥かに上を行くアイデアで見事に見事に全く今までにない映画に仕上げてくるんですよ。こういうホラーに出会えた時には、ホラー好き日和に尽きると思う次第です♪

小道具の使い方も本当に上手いと感じますね。不気味な人形や古びた家の雰囲気(家の構造すらも不気味)、映画で何度も出てきたタイプライター等。怖いと思わせる雰囲気を格段に上げてくれるには十分すぎました。ホラーはやっぱり小道具も大事なんですよね。

 

ホラーファン必見の映画だと思いますので、未見の方はぜひ「こわいものみたさ」で鑑賞してみてください。ただしこの手がダメなかたは避けましょう!

だいふく

監督の鬼才っぷりには脱帽だニャ!

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映画「ピアッシング」のあらすじ・感想レビュー:村上龍の原作衝撃の実写化!

「ピアッシング」映画情報

ピアッシング 製作年:2018年
 製作国:アメリカ
 上映時間:81分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

自身の幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動に駆られていた男はその衝動を抑えるため、ホテルに呼び出したSM嬢を殺害する計画を立てる。しかし、計画は男の思惑通りには運ばず、ホテルの部屋に到着した女はいきなり自分自身の体を傷つけて倒れこんでしまう。殺人衝動を持つ男と自殺願望を持つ女。奇妙な磁場に吸い寄せられるかのように出会うこととなった男女の悪夢のようなシュールな一夜が幕を開ける。

予告

映画データ

原題 Piercing
監督 ニコラス・ペッシェ
製作 ジョシュ・モンド
アントニオ・カンポス
キャスト クリストファー・アボット
ミア・ワシコウスカ
受賞歴 -

「ピアッシング」感想レビュー

作品について

村上龍の同名小説の映画化で、2020年公開予定のハリウッド版「呪怨」リブートも手掛ける、ニコラス・ペッシェ監督作品となります。アイスピックで人を殺したい男、自殺願望を持つ女が偶然にも出会い、お互いの希望が少しずつずれながらも、交錯していく一夜を描いています。

監督は日本好きなのでしょうか!?映画には、日本のアート作品がたくさん登場します。例えば、写真家・荒木経惟の「若い芸者がスイカを食べている写真」が飾られています。これは監督が作品がもつシンボリズムやイメージに惹かれ、セクシャルでフェティッシュなものを日常の中に見せるという手法が『ピアッシング』のテイストにも合うとも語っています。

映画の色彩にもこだわっているようで、「シーンごとに異なるカラーパレット」を意識して撮影し、1970年代のジャッロ映画(イタリアのホラー・サスペンス映画)の音楽もたくさん使われています。

キャストについて

ミア・ワシコウスカ演じるジャッキーが強烈かつ悪魔のような魅力を持つ女性でした。前髪ぱっつん姿で映画の最初は、イケてない感覚だったのですが、この映画の作風のせいか、中盤から後半にかけて、なにか病的な姿に惹かれてしまうのです。ミアは『アリス・イン・ワンダーランド』のアリス役としても有名ですが、余りにもその役柄の違いは驚きですし、彼女の今後の女優としての幅も広げた作品になったのではないでしょうか?

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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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そして、アイスピックで人を殺したい男リード役はクリストファー・アボットが演じます。真面目でお人よし、そしておっちょこちょいなサイコ野郎という姿を持つ役ですが、どの姿もすばらしく演じ切ってました。特に、ジャッキーに薬を盛られて幻覚を見ているシーンは迫真の演技ともいえましょう。

総じてこの二人が、すごくこの映画のオカシイ男女にぴったりだったんだなって、映画を観終わった後に思いました。不思議なことに二人が最初に登場した時や映画観ている時はそう思わなかったのですが…。

感想

原作は読んでおらず、完全に予備知識無しで観ましたが、何とも不思議な映画ですが、魅力的に感じてしまう病的な感覚をもった映画でした。

まず、鑑賞していて映画自体がヨーロッパ映画のレトロな作りの印象だなぁっと思いながら鑑賞していました。観終わった後に調べると、前述したように1970年代のイタリア映画を意識していると知って、やっぱり!って思った次第でありました。映像を2分割するようなカット割りといい、途中でこれ本当にハリウッド映画なの!?って疑ってしまったくらいで、見事に監督の描きたかった世界観が表れています。

作風だけでなく、音楽もレトロでとても映画に合っているのです。なんとも不思議な映画なのですが、音楽でさらにその異様さが引き立っています。あとエンドロールの音楽と映像が秀逸でした!

物語自体は、オカシイ男とオカシイ女が出会ったら!?を描いた作品と言った方が早いでしょう。なんとも理解しがたい状況が続いていきます。そして痛いシーンが多いですし、精神がおかしくなってしまいそうな映像も。そんな中でも、この映画コミカルに描かれているシーンも多いのです。病的なノリとちょっと笑ってしまうコミカル要素のギャップが印象的すぎる映画となっています。

そして、2人の不思議な関係が非常に面白いです。果たす目的が少しずつずれているのだが、なぜか惹かれあっている。でも決して愛し合う事なく付かず離れずな距離感を保ちつつ、お互いの目的を達成しようとするが、やっぱり噛み合わないといった具合です。なんでだろう、この二人のやり取りは正直きついシーンが多いのですが、もっと観ていたいって思う自分がいます。

そういう理由もあり、ラストの終わり方は非常にもったいなく感じます。恐らく観る人の大半は、「え!ここで終わるの!?」と感じるでしょう。この後の二人がどうなるかが気になってしょうがないです。

原作を読んでないため、疑問に思うところも多かったので、是非小説で読んで、この映画を補完したいと思います。

だいふく

欲求不満な終わり方だにゃ~!

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映画「THE GUILTY ギルティ」感想・レビュー:犯人は音の中に潜んでいる!

 

THE GUILTY ギルティ

THE GUILTY ギルティ

「THE GUILTY ギルティ」映画情報

オンライン鑑賞

Prime Video Rakuten TV

※時期により鑑賞できない場合あり。

あらすじ

過去のある事件をきっかけに警察官として一線を退いたアスガーは、いまは緊急通報指令室のオペレーターとして、交通事故の搬送を遠隔手配するなど、電話越しに小さな事件に応対する日々を送っている。そんなある日、アスガーは、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受ける。車の発進音や女性の声、そして犯人の息づかいなど、電話から聞こえるかすかな音だけを頼りに、アスガーは事件に対処しなければならず…。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Den skyldige
製作年 2018年
製作国 デンマーク
上映時間 88分
監督 グスタフ・モーラー
製作 リナ・フリント
脚本 グスタフ・モーラー
エミール・ナイガード・アルベルトセン
メインキャスト ヤコブ・セーダーグレン
イェシカ・ディナウエ
受賞歴 ・サンダンス映画祭観客賞
・ボディル賞主演男優賞
・ロバート賞7部門受賞


 

「THE GUILTY ギルティ」映画解説

だいふく

監督・俳優と世界的には無名なのですが、数々の賞賛と受賞をしたまさにアイデア勝ちの映画の紹介だニャ!

作品解説

アカデミー賞の「デンマーク代表」として外国語映画賞のノミネート候補に選出、サンダンス映画祭で観客賞を受賞、デンマーク映画アカデミーのロバート賞ほぼ総なめなど数々の栄光と共に、数々の世界的な映画批評サイトや映画の有力紙からも賞賛と、まさに圧巻の評価を受けています。

 

ジャンルはサスペンスですが、シチュエーションスリラーと言ってもいいかもしれません。音のみを頼りに、緊急通報指令室のオペレーターが犯人を追うといった物語なのです。登場人物は、主人公アスガー以外は、ほぼおまけ的な存在。場所もオペレーター室のみという、低予算ぶりですが、まさにアイデアで勝負して見事に成功した映画となりまました。

映画のシチュエーション

基本は、緊急通報指令室のオペレーターのアスガーを中心に電話のみで色々な人物と会話していきます。

アスガーが最初に話すのは、助けを求めて緊急通報を出してきた誘拐された女性イーベン。この二人のやり取りが最初から最後まで重要な会話になってきます。アスガーが電話をかけれる範囲は、警察への連絡を繋ぐ管制役の女性オペレーター、上司、同僚、現地で対応してる警察官くらいが限界です。

 

でも事件が進むにつれ、イーベンの子供やさらには犯人と思われる人物にまで電話ができる範囲が広がっていきます。徐々に事件の謎を解決していくにつれ、一般的なサスペンス映画だと行動範囲が広がるのですが、この映画では変わりに電話できる範囲が広がっていきます。

電話しかできないという状況が緊張感ともどかしさが生まれます。電話しても留守電にもなりますし、電話が来るのを待っている時間もあります。アスガーのイライラがものすごくよくわかるようなシチュエーションの中で映画は進行していくのです。

THE GUILTY ギルティ

出典:映画.com

「THE GUILTY ギルティ」感想・レビュー

この斬新なアイデアには脱帽と言える映画でした!見事としか言いようがありません。今までに数えきれないほどの映画を鑑賞してきましたが、まだこんな新感覚な体験が出来るとは思いもよらなかったです。

 

誘拐事件を解決するためには音のみです。電話の声、背後の環境音で推理をして会話のみで最後までいきます。観る側は音しかヒントを貰えていないのですが、徐々に想像が膨らんでいき、頭の中で状況をイメージしていくのです。この映画では、"沈黙"という音ですら見事に使いこなしています。

映画の場所はオペレーター室のみです。しかしながら、鑑賞が終わった後は自分の想像という世界でいろんな場所と色々なシーンを体験してしっかりイメージが残っているという、すごい世界観を味わった気がします。

THE GUILTY ギルティ

出典:映画.com

 

本作が、斬新なアイデアだけでなくさらに見事と思えた点としては、この誘拐事件にはどんでん返しがあります。正直、完全に冒頭では想像できないような展開でした。サスペンス映画として王道であろうどんでん返しという点までを、音だけで描き切っているのです。

そして感情を揺さぶられるシーンまでしっかり織り込まれているから驚きなのです。1つの事件を追う中で、アスガー自身も最後では人生観が変わったといえるでしょう。ものすごく深いドラマを観たような感覚にも陥いりました。

 

予備知識は完全シャットアウトが必要な映画と思います。視覚的に盛り上がるシーンは全くありません。ただ、観始めたら最後、想像という新感覚な世界から抜け出せなくなる、見事な映画でした。

だいふく

映画はお金じゃないアイデアがあれば賞も取れるんだって分かる映画だニャ!

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映画「ハッピー・デス・デイ 2U」のあらすじ・感想レビュー:誕生日ループは終わらない!

「ハッピー・デス・デイ 2U」映画情報

ハッピー・デス・デイ 製作年:2017年
 製作国:アメリカ
 上映時間:96分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

誕生日の繰り返しから抜け出して翌日を迎えたツリーは、恋人のカーターと充実した生活を送ろうとしていた。しかし、今度はカーターのルームメイトのライアンがタイムループに巻き込まれ、謎の殺人鬼に狙われてしまう。やがて、すべての原因が、ある研究に関係していることに気づいた3人だったが、そこで再びツリーの身にもタイムループが起こり、またしても誕生日の朝に戻ってしまう。ところが、そこは元の世界と微妙に異なったパラレルワールドで…。

予告

映画データ
原題 Happy Death Day 2U
監督 クリストファー・ランドン
製作 ジェイソン・ブラム
キャスト ジェシカ・ロース
イズラエル・ブルサード
ファイ・ブ
受賞歴 -

「ハッピー・デス・デイ 2U」感想レビュー

だいふく

ネタバレあり。未見の方は注意ニャ

作品について

「ゲット・アウト」や「パージ」などホラー、サスペンス作品を数々ヒットさせているプロデューサーのジェイソン・ブラムが製作のブラムハウス・プロダクションズの作品でとなり、前作の続編となる2作品目となります。

1作目のレビューも参考にしてみてください!

1作目は非常に評価が高い作品であり、1作目だけでも完結はしていますが、できれば2作目も含めて続けて鑑賞することをお勧めします。両方通しで観るとまた違った面白さを感じれる仕上がりとなっているんです!

2作目の本作も、もちろんタイムループと同じですが、今回は『バック・トゥー・ザ・フューチャー』を意識させられるような作品でした。1作目は『スクリーム』を感じたので結構異なるジャンルの、両作品と言うことが分かりますね。

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そうなんです、2作目は1作目の終わり方とは想像できない作りで、「そうきたか~」と思わされる、いい意味で予想を裏切ってくれる続編となりました。

ちなみに、映画のタイトルに2Uとついているのは、2U=to youとシャレを利かせているからとなりますね~。

感想

やっぱり面白かった!っが観終わった感想ですね。何これ?傑作映画じゃないですか!まさかですよ、ホラーと歌って、しかもブラムハウス・プロダクションズの映画で、泣いてしまうとは思いもしませんでした。が、しかしホラーではないですね。SFコメディーと言った方が良いのではないでしょうか。(一応、当ブログではホラーカテゴリにはしておきます)

そうはいっても、実は映画の冒頭ではいまいち感が漂っていました。「あぁ~今回はライアンがループなの?」と前作のヒロインツリーでないことに残念な気持ちになりつつ、へんてこな機械が出てくるは、ライアンが2人居るし、パラレルワールドとか別の次元とか言い出したりで、いやいやいやこの展開はまずくない?2作目やらかしてない?って思わず思ってしまいました。

が、その心配をよそに実に見事なストーリーでした。まさかまさかの、1作目で折角ループを脱出した、ツリーがまたまたバースデイの日の朝に戻るとは…。もぅツリーにとっては絶望したでしょうね。しかも、ライアンに巻き込まれただけという。でも、鑑賞している側としてはニヤっとしてしまう展開です。また、あの朝が観れるんです!怒りのツリーの朝は、実に面白かったです!

ここから一気に面白くなります。基本は同じ日の繰り返しなのですが1作目と何かが違うんです。それが続編の面白い部分でもあります。まさかの1作目に自分の命を狙った犯人を、続編では救うなんて映画、今まであったでしょうか!

続編が面白かった理由としては、ちゃんと1作目をしっかり活かしているんです。1作目と同じ時間軸を繰り返しているだけなのに、どんどん濃厚な1日になっていき、ツリーの心の成長をしっかり描いてます。ツリーの死にっぷりもだんだん見事になってきましたしね!

ただ、ツリーが見せる感情が1作目とかなり違いました。もぅ、1作目の冒頭でビッチと言われていた彼女の姿は全くなく、恋に嫉妬する乙女となっています。そのギャップがまた面白いですし、今回はループを必死で止めようとする仲間もできています。さらには、母親も登場し、ツリーと母親との関係性は、本当に涙があふれてしまう程の感動的なシーンとなりました。本当に素晴らしかったです。

笑いあり、涙あり、ハラハラあり。そして友情もありでハッピーな気分も味わえる。すべての感情を見事に体験させてくれましてくれた見事な映画でした。

だいふく

Blu-Ray購入決定だにゃ~!

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映画「ハッピー・デス・デイ」のあらすじ・感想レビュー:タイムループ学園ホラー!

「ハッピー・デス・デイ」映画情報

ハッピー・デス・デイ 製作年:2017年
 製作国:アメリカ
 上映時間:96分
 [Amazon Primeで観る]
 [楽天ブックスで買う]


 

あらすじ

イケてる女子大生で遊んでばかりのツリーは、誕生日の朝も見知らぬ男のベッドで目を覚ます。慌しく日中のルーティンをこなした彼女は、夜になってパーティに繰り出す道すがら、マスク姿の殺人鬼に刺し殺されてしまう。しかし気がつくと、誕生日の朝に戻っており、再び見知らぬ男のベッドの中にいた。その後も同じ一日を何度も繰り返すツリーは、タイムループから抜け出すため、何度殺されても殺人鬼に立ち向かうが…。

予告

映画データ
原題 Happy Death Day
監督 クリストファー・ランドン
製作 ジェイソン・ブラム
キャスト ジェシカ・ロース
イズラエル・ブルサード
受賞歴 -

「ハッピー・デス・デイ」感想レビュー

作品について

「ゲット・アウト」や「パージ」などホラー、サスペンス作品を数々ヒットさせているプロデューサーのジェイソン・ブラムが製作のブラムハウス・プロダクションズの作品です。低予算ながらも世界的にヒットした本作は続編と共に評価が高いです。

まさにシチュエーションが面白く、誕生日の日に見知らぬ男の部屋で目覚め、ベリーマスクをかぶった犯人に殺され、また同じ日に同じ場所で朝目覚めるというタイムループものです。

ホラーと歌ってはいますが、サスペンスジャンルに近いでしょう。毎回殺してくるベビーマスクをかぶった犯人は誰なのか!?という犯人捜しの謎解き要素が強く、死んでも甦るのをいいことに、死にながら消去法で犯人を捜していく展開は、かなり面白くコメディー要素も強く含まれるので気楽に楽しめる映画です。

だいふく

それでもって、ちょっとした感動の場面もあるんだにゃ~!

ヒロインのツリーついて

ヒロインのツリーが、この映画を見事に面白くしています。彼女観ているだけでこの映画は面白いといっても過言ではないです。

最初はビッチで、いや~な女性なのです。あぁ、そりゃ殺されてもしょうがないよね!っと思えるくらい嫌みで自分勝手。そういう理由があり、犯人捜しといっても恨まれる人が多いので大変なんです。でも、この映画の面白い所は、嫌みなツリーが何度も何度も殺されていく中で、自分を見直し出していき、とてもいい人間に変わっていくところですね。最終的には応援したくなる女性に変わっていくのでした!

演じるのは、『ラ・ラ・ランド』にも出演したジェシカ・ロース。最初はあんまり魅力を感じなかったのですが、映画が進むにつれ、どんどん魅力的で可愛らしく思えてきます。やはり心が綺麗になっていくのをみると自ずと見る側も惹かれていきますよね。また、彼女のいいところは、表情も本当に豊かなところ。喜怒哀楽すべてにいい表情を見せてくれるので、観ていてホントに飽きないです。

感想

余談となりますが、本作はレンタルで観ましたが、続編も一緒に借りています。あえて続編を観る前に、この感想記事を書いてます。

いや~、面白かった!

タイムループ物って今までも、他の映画で結構見てきて目新しさはないんですが、本作はとても新感覚な気持ちで観れました。映画をみてまず感じたのは、『スクリーム』でを思い出しました。こちらも名作なホラー映画なのですが、コミカルなマスクの犯人やホラーにコメディー要素を折り込んでいる点や、登場人物の年齢感など雰囲気がとても似ています。終わった後の、思わず面白かったーってって誰かに言いたくなる感情すら同じ感覚でした。

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なんたって一番好きな面白いシーンは、ツリーが同じ場所で同じ朝を迎えるのですが、目覚めた寮のカーターの部屋から外に出て自宅の部屋帰るまでの展開は、相手は全く同じで起こる事も全く同じはずなのに、目覚めた時のツリーの心情の次第で、様々な面白いシーンに化けるるのです。まるで喜劇を観ている感覚でした。タイムループもので早くまた最初に戻らないかな~って思いながら見たのは初めてかもしれません。できればこのループずっと見ていたいと思える程!

それに加え、ツリーの殺されっぷりもなかなか見事なものなので、今回はどんな殺され方をするのだろうって思いながらループを楽しめます。

そんな繰り返しの時間を過ごしていながら、一歩一歩犯人に近づいていく謎が解けている感覚と同時に犯人に迫りつつある緊張感も出てきます。ツリーと犯人との闘いや駆け引きも見どころの一つでしょう。

変わらない時間がたっていく中で、変化していたのはツリー自身でした。ループの度に成長しているようで、最初はものすごく嫌な女性だったツリーがついには周囲に素敵な行動を過ごすループの回が来るのです。え、まさかホラーとか言っている映画で感動させられるの!?って思うくらい良いシーンなのです。ようやく幸せな完結になるのかと心温かくなりほっこりして観ていました。

か、からの、やっぱりループ…。

いや、もうこれ面白すぎでしょ!ループどうやって終わるのかが全然分からないまま、ラストまで突っ走り続けて、まさかまさかのどんでん返しな犯人には参りました!!!面白すぎて96分あっという間でしたね。

続編も評価がすこぶるいいので、今から楽しみでしょうがないです。

だいふく

さっそく続編観るだニャ!

【追記】続編を記事にしました。

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